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ユニゾHD、債権者説明会を開催 ~ 最初の関門は「担保権者との交渉」 ~

 民事再生手続き中のユニゾホールディングス(株)(TSR企業コード:293391149)の債権者説明会が5月9日、都内で開催された。金融機関を中心に一部の社債権者を含めて100名以上が参加し、ユニゾHDの山口雄平社長や申請代理人らが出席した。



旧経営陣の責任追及も

 説明会の会場前は出席者への取材が制限され、ものものしい雰囲気が漂っていた。また、一般(商取引)債権者は、「弁済禁止の対象ではないため債権者として認識していない」(ユニゾHD関係者)として出席を拒否された。
 出席した債権者によると、説明会ではユニゾHD側からEBO(従業員による買収)のために設立された(株)チトセア投資(TSR企業コード:133135950)への貸付などが説明された。会場で配布された資料などによると、ユニゾ不動産(株)(TSR企業コード:295938137)が所有していた不動産の売却代金がユニゾHDの預り金勘定を経て関係会社の貸付金返済に充当され、チトセア投資への貸付に充てられていたという。こうしたEBOを巡る資金調達や返済について、ユニゾHDは、前代表者など旧経営陣に対する損害賠償請求も協議していくとした。

抵当権の一括弁済の可能性も

 スポンサーの(株)日本産業推進機構(TSR企業コード:012545015、以下NSSK)とは6月30日を期限として最終的なスポンサー契約を締結する予定だ。
 NSSKのデューデリジェンス(資産査定)を経て、不動産の各担保権者と5月中に個別交渉を始め、抵当権設定分の一括弁済や、減資後にNSSKが出資を検討していることも明かされた。

担保権者との交渉は難航か

 ユニゾHDが東京地裁に提出した「不動産担保設定状況表」には、4月26日時点の各担保物件の融資残高や担保評価額(簿価の7割、割付保全金額)、融資残高などが記載されている。これを基にすると合計約30(質権除く)の抵当・根抵当権者のうち、融資残高が担保評価額を上回る「担保割れ」は約15行(社)とみられる。
 新型コロナの5類移行やインバウンド回復などで不動産価値が当時の担保評価額や簿価より上昇している物件も多いとみられ、ユニゾHDやNSSKは担保権者に対し、融資残高を下回る弁済を提示した場合、交渉が難航する可能性がある。担保権者は競売など担保権を行使して、融資額の早期回収に動くことも制度上は可能だからだ。ただ、2番以降の抵当権が設定されているケースもあり、制度と実務のにらみ合いになる。不動産価値と各担保権者の思惑を見据えながらの難しい交渉になりそうだ。
 説明会の配布資料によると、金融債権者45行のうち、担保物件(不動産)がないのは約20行。これとは別に610億円の社債権者もいる。民事再生では、清算価値保障原則を満たさない再生計画は認可されない。このため、全ての債権者に対して破産(清算)配当率を上回る弁済が必要だ。担保物件の所有者はユニゾHDではなく関連会社(一部は信託)だが、NSSKの出資額や物件の評価次第では、無担保債権者から反発を招く可能性も残している。

不可解な事件番号

 ユニゾHDの民事再生の事件番号を訝しがる債権者も多い。ユニゾHDは、4月26日14時10分に取締役会を開会、14時20分に閉会した。この取締役会で、再生手続開始の申し立てを全員一致で可決しており、申請も監督命令も4月26日だ。
 法的倒産には事件番号が付与される。民事再生に詳しい弁護士によると、基本的に受付順で付与される。ただ、事前に裁判所へ連絡や相談をし、書記官が確認すると申請前でも付与されることがあるという。



担保権者との交渉が本格化する
担保権者との交渉が本格化する

 ユニゾHDの事件番号は、東京地方裁判所の令和5年(再)第8号。一つ前の第7号は、ユニゾHDから約1カ月前の3月27日に民事再生法の適用を申請した(株)JOLED(TSR企業コード:300600798)だ。9号~12号の4つの事件番号は、本稿執筆時点で官報や東京商工リサーチ(TSR)の倒産データベースでは確認できず、13号は3月30日申請した(株)東光社(TSR企業コード:292290691)だ。相談と申請のタイミングがズレると事件番号が前後し、事件番号を付与後に申請しないと欠番になることもある。
 これらを総合すると、ユニゾHDは民事再生申請日の4月26日よりも前に裁判所へ相談し、事件番号を付与された可能性がある。また、現時点で判明しない9号~12号の4社は欠番となるのか、それとも今後、判明するのか注目される。

ファンドとの協議は3月中旬から

 5月9日に開催された債権者説明会では、スポンサー選定の経緯も公表された。配られた資料によると、EBO成立後にコロナ禍の影響で経営が悪化。2022年初めから私的整理を前提として約10社のスポンサー支援の協議を重ねたが、合意に至らなかったという。
 2023年2月にスポンサー選定のアドバイザーを選任したが、支援を得る企業は見つからず、間口を広げて探索。3月中旬以降、NSSKを含めた投資ファンド3社と急ピッチで協議していた。4月18日に3社から意向表明書の提出を受け、検討後にNSSKグループによる提案が経済合理性の観点も含め最も有利な内容であると判断され、基本合意を締結した。
 基本合意の内容は、①ユニゾHDグループにおける事業の維持・存続、②同グループにおける顧客並びに取引先における混乱、経済的損失の発生を最小化、③債権者に対する弁済の極大化を図ること――の3点だ。



 TSRはユニゾHDに取材を要請しているが、11日朝までに回答はない。また、民事再生前までに発生した債権は弁済対象であるものの、一般債権者には債権者説明会などで公開された民事再生手続きの詳細は伝えられていない。社債権者について、ユニゾHDの関係者は「大半を認識(特定)した」と漏らすが、これらの民事再生への受け止め方は伝わってこない。
 今後は、担保権者との交渉、6月末のスポンサー契約、9月上旬の再生計画案の提出、11月中旬の債権者集会などを予定している。ユニゾHDやNSSKは、債権者が納得いく再生計画案を提出できるのか。ユニゾHDの再建は、地方銀行を巻き込んでどう決着するのか、いばらの道が続く。



(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2023年5月12日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)


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