今年の“大型連休” 6割の企業が5連休 大企業の2%が10連休超、中小企業は2割が4連休以下
~ 2023年「企業のゴールデンウィーク連休期間」調査 ~
2023年春のゴールデンウィーク(GW)は何連休? 東京商工リサーチ(TSR)が4月3日から11日に実施したアンケート調査で、最多はカレンダー通りの5連休で全体の6割を占めた。だが、大企業の2%は10連休以上を予定する一方、中小企業の2割は4連休以下で、規模や業種で連休日数に差があることがわかった。
今年のGWは4月29日から5月7日の9日間だ。この期間のうち、5月1日と2日は平日になっている。アンケートでは5連休が60.6%と最も多かった。5月1日と2日が仕事で、3日から7日までの5日間を連休にする企業が多いようだ。
5連休に続くのは、4連休以下の19.2%。規模別では大企業が13.6%、中小企業が20.0%で、中小企業が6.4ポイント上回った。一方、9連休は1割強の11.9%で大企業が17.8%、中小企業は11.0%と大企業が6.8ポイント上回った。なお、最大の10連休以上は0.8%で、大企業は2.1%、中小企業は0.6%と大企業ほど大型連休を取りやすい環境にある。
業種別で、4連休以下が多いのは、「農・林・漁・鉱業」43.7%と「小売業」40.1%だった。一方、9連休は「製造業」の19.0%で、6連休以上の業種別でも「製造業」が上位に入った。「飲食店」や「娯楽業」など消費者が対象の業種ほど大型連休は書き入れ時で取得が難しく、製造ラインが止まる製造業は大型連休が取りやすいようだ。
※ 本調査は、2023年4月3日~11日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答4,307社を集計・分析した。
※ 資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。
Q1.今年5月のゴールデンウィークについて伺います。貴社は何連休ですか?(択一回答)
「5連休」が6割
今年5月のゴールデンウィークの連休は、カレンダー通りの「5連休」が60.6%(2,614社)で最も多かった。規模別では、大企業が61.3%(549社中、337社)、中小企業が60.5%(3,758社中、2,277社)とほぼ均衡した。
次いで、休日の一部が出勤となる4連休以下が19.2%だった。大企業が13.6%(75社)、中小企業は20.0%(755社)で、中小企業の2割は4連休以下と回答した。
続いて、9連休が11.9%(514社)で、4月29日から5月7日まで連休となる企業が1割強ある。規模別では、大企業が17.8%(98社)、中小企業が11.0%(416社)だった。
以下、6連休2.9%、7連休2.6%、8連休1.6%と続き、10連休以上は0.8%だった。
10連休以上は、大企業が2.1%(12社)、中小企業が0.6%(24社)で大型連休となる見通しだ。
製造業の約2割が9連休
GWの連休日数を業種別で分析した。構成比が最も高い5連休では、最高は金融・保険業の80.0%。次いで、情報通信業の69.6%。最低は小売業43.7%、運輸業49.4%と続く。
4連休以下は、農・林・漁・鉱業が43.7%で最も多く、最低は情報通信業の10.0%だった。
9連休は、製造業が19.0%と突出し、最低は金融・保険業の3.3%。
また、「6連休以上」を細分化した業種(中分類、回答母数10以上)で分析すると最高は、自動車メーカーなどの「輸送用機械器具製造業」が71.4%(63社中、45社)だった。上位には製造業が多くランクインし、製造ラインを一斉に止める製造業が大型連休を取りやすいようだ。
一方、連休の短い「4連休以下」の業種では、「飲食店」75.0%(16社中、12社)、テーマパークなど「娯楽業」73.3%(15社中、11社)、コンビニエンスストアなど「飲食料品小売業」72.2%(18社中、13社)、訪問介護など「社会保険・社会福祉・介護事業」63.3%、貸切バスなど「道路旅客運送業」と「農業」が60%(各10社中、6社)など消費者に近い業種が上位に並び、集客が見込まれる時期の大型連休の取得が難しいとみられる。