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飲食業倒産 4カ月連続で増加、「宅配」は前年同期の2倍に急増

~ 2022年度(4-2月)「飲食業の倒産動向」調査~


 2022年度(4-2月)の「飲食業」倒産(負債1,000万円以上)は508件(前年同期比8.6%減)で、前年同期を下回った。ただ、「新型コロナ」関連倒産は330件(前年同期比21.7%増)と増加し、飲食業倒産の64.9%(前年同期48.7%)を占めるほか、急成長で注目された「宅配サービス」の倒産が急増するなど、コロナ禍の影響の深さをみせつけた。
 飲食業の倒産は、2022年11月から4カ月連続で前年同月を上回った。コロナ関連の資金繰り効果が薄れ、客足もコロナ前に戻らず、原材料高や光熱費の上昇、人手不足など厳しい状況が続いている。


 業種別では、「宅配飲食サービス業」が35件(前年同期比118.7%増)、「持ち帰り飲食サービス業」が23件(同53.3%増)と大幅に増加した。この2業種はコロナ禍の巣ごもり需要や外出自粛で好調だったが、新規参入組の増加や顧客ニーズの変化で小規模の事業者を中心に淘汰が進んでいる。
 負債額別では、「1億円以上5億円未満」が75件(前年同期比47.0%増)で、増加率が最も大きかった。東京商工リサーチが2022年12月実施したアンケートでは、飲食業の過剰債務率は65.2%と宿泊業に次いで2番目に高かった。このため、コロナ支援の副作用で過剰債務に陥った事業者の負債が膨らんでいる可能性がある。
 新たな生活様式の浸透に加え、原材料や光熱費の高騰、人手不足や人件費の負担増加もあり、飲食業の倒産はゼロ・ゼロ融資の返済がピークを迎える春以降、増加が懸念される。

※本調査は、日本産業分類の「飲食業」(「食堂,レストラン」「専門料理店」「そば・うどん店」「すし店」「酒場,ビヤホール」「バー,キャバレー,ナイトクラブ」「喫茶店」「その他の飲食店」「持ち帰り飲食サービス業」「宅配飲食サービス業」)の倒産を分析した。


飲食業倒産、4カ月連続の増加


 2022年度(4-2月)の「飲食業」倒産は508件(前年同期比8.6%減)で、年度(4-3月)では2004年度(529件)以来、18年ぶりに600件を下回ることが確実となった。
 2022年度は、時短営業や休業による協力金のほか、コロナ関連の資金繰り支援が下支えし、倒産件数は前半の9月まで月間50件を下回って推移した。しかし、コロナ禍で変化した生活様式はなかなか元に戻らず、支援効果の希薄化もあって10月は55件と、7カ月ぶりに月50件を上回った。さらに、書き入れ時の年末年始も思うように客足が回復せず、飲食業倒産は2022年11月49件(前年同月比25.6%増)、12月60件(同15.3%増)、2023年1月51件(同70.0%増)、2月60件(同53.8%増)と4カ月連続で増加に転じている。
 2021年度(4-2月)の「新型コロナ」関連倒産は330件で、2020年度(4-3月)の309件をすでに上回っている。業績回復の遅れに加え、原料や食材、光熱費の上昇、さらに人手不足などが経営を直撃し、飲食業界の苦境はこれから本番を迎える可能性が高い。


飲食業コロナ関連倒産推移

【業種別】「宅配飲食サービス業」「持ち帰り飲食サービス業」で大幅増


 業種別は、最多が日本料理店や中華料理店、ラーメン店、焼肉店などの「専門料理店」の119件(前年同期比13.1%減)。次いで、「食堂,レストラン」の113件(同5.6%増)、「酒場,ビヤホール(居酒屋)」の109件(同19.8%減)の順。
 増加率では、「宅配飲食サービス業」が前年同期比118.7%増(16→35件)、「持ち帰り飲食サービス業」が同53.3%増(15→23件)。この2業種は、コロナ禍の成長分野として注目され、新規参入が相次いだことで競合からの脱落が増えているとみられる。
 業種別のコロナ関連倒産は、最多が「専門料理店」の92件(構成比77.3%)。次いで、「居酒屋」の78件(同71.5%)、「食堂,レストラン」の63件(同55.7%)の順。


2022(令和4)年度(4-2月)飲食業業種小分類別倒産状況

【原因別】『不況型』が約9割


 原因別では、最多が「販売不振」の419件(前年同期比10.2%減)。以下、「既往のシワ寄せ」26件(同25.7%減)、「他社倒産の余波」20件(同33.3%増)と続く。
 増加率では、最大が代表者死亡などを含む「その他」の前年同期比66.6%増(9→15件)。次いで、「運転資金の欠乏」の同40.0%増(5→7件)。
 『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は445件(同11.3%減)。

【負債額別】1億円以上5億円未満で大幅増


 負債額別では、増加は「5千万円以上1億円未満」の94件(前年同期比9.3%増、前年同期86件)、「1億円以上5億円未満」の75件(同47.0%増、同51件)、「5億円以上10億円未満」の8件(同14.2%増、同7件)の順。
 減少は、「1千万円以上5千万円未満」の329件(同19.5%減、同409件)と「10億円以上」2件(同33.3%減、同3件)だった。
 負債額「1億円以上」の構成比は16.7%で、前年同期の10.9%から5.8ポイント上昇した。
 飲食業では、コロナ対策の資金繰り支援の副作用で過剰債務を感じる事業者も多く、負債規模が膨らんでいる可能性がある。

【都道府県別】 増加22、減少22、同数3
 

 都道府県別では、増加が22府県、減少が22都府県、同数が3道県だった。
 件数が10件以上では、増加が宮城250.0%増(4→14件)、新潟71.4%増(7→12件)、埼玉60.0%増(10→16件)、京都47.3%増(19→28件)、岡山25.0%増(8→10件)、茨城22.2%増(9→11件)、千葉18.1%増(11→13件)、愛知2.8%増(35→36件)、福島(0→11件)。
 減少は、兵庫59.1%減(49→20件)、静岡38.8%減(18→11件)、大阪29.5%減(88→62件)、神奈川26.0%減(23→17件)、広島21.4%減(14→11件)、東京8.0%減(75→69件)、福岡5.5%減(18→17件)。

2022(令和4)年度(4-2月)都道府県別倒産状況

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