• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

“卯年” 設立の法人 20万9,206社 最古の法人は設立120年の盛岡信金など24社 ~ 2023 年“卯年”設立の法人調査 ~

 2023年の干支は“卯(う)”。全国で卯年に設立された法人は20万9,206社で、全国の法人約340万社の6.1%に過ぎず、十二支では最も少ない。
 卯年設立の法人のうち、最も古い設立年は1903(明治36)年で、更生保護法人新潟県保護会(新潟)や盛岡信用金庫(岩手)など24社しかない。

 卯年設立の法人の産業別では、サービス業他が6万6,466社(構成比31.7%)で最も多かった。
 都道府県別では、最多は東京都の4万9,294社(同23.5%)で、最少は鳥取県の723社。都道府県別の法人数に対する卯年設立の法人数は、最高が秋田県の7.07%だった。
 設立年は、2011年が7万8,502社(同37.5%)と4割近くを占め、月別では年度始めの4月が2万3,254社(同11.1%)で最多だった。
 上場企業3,983社のうち、卯年設立は325社(同8.1%)で十二支では6番目に多い。ただ、卯年設立の企業に対する上場企業率は0.15%で、丑年と辰年、亥年の0.12%を上回り一番高い。
 2022年はコロナ禍が長引くが、経済活動は本格的に再開した一年だった。だが、物価高や円安など経済環境が目まぐるしく変化し、企業環境は先行きが見えない状況が続いた。2023年の卯年は、動き出したコロナ禍の出口戦略が実を結び、成長への一歩を踏み出す年が期待される。

  • ※本調査は、東京商工リサーチの企業データベースから個人企業、倒産や休廃業・解散した企業などを除外した約340万社を対象に、卯年に設立された法人を抽出し、分析した。
  • ※設立年月は、商業登記簿に基づく。 

卯年設立の上場企業は325社

 卯年に設立された上場企業は325社で、全上場企業3,983社のうち、十二支では6番目に多い。
 市場別の最多は、東証プライムの144社(構成比44.3%)。次いで、東証スタンダード121社、東証グロース38社と続く。
 最古の上場企業は、1903(明治36)年が品川リフラクトリーズ(東京)の1社のみ。1915(大正4)年はデンカ(東京)、島根銀行(島根)など6社。1927(昭和2)年は、京都ホテル(京都)、資生堂(東京)など8社と少ない。
 しかし、1939(昭和14)年になるとグローバルダイニング、アステラス製薬、小津産業など39社に増加。戦後の1951(昭和26)年は、東北、中部、北陸、中国、関西、四国、九州の各電力会社、東京電力ホールディングスなど77社と大幅に増えた。1963(昭和38)年は、ファーストリテイリング、リクルートホールディングス、アスクルなど31社。
 最も若い卯年の上場企業は、2011(平成23)年の設立で39社だった。このうち、純粋持株会社が10社を占め、ソフトウェア業やインターネット関連業種など時代を反映した業種が多い。

干支企業「卯」

設立年別 業歴100年以上は85社、全体の0.04%

 卯年の設立年では、最多は2011(平成23)年の7万8,502社(構成比37.5%)。次いで、1999(平成11)年の4万3,364社(同20.7%)で、平成設立が12万1,866社と全体と約6割(58.2%)を占めた。100年超となる1915年以前の設立法人は85社で、構成比はわずか0.04%に過ぎない。

干支企業「卯」

産業別 最多はサービス業他で3割

 産業別の最多は、サービス業他の6万6,466社(構成比31.7%)だった。サービス業のうち、2011年設立は3万3,073社とほぼ半数(構成比49.7%)を占めた。以下、建設業3万1,665社(同15.1%)、小売業2万3,888社(同11.4%)、製造業2万3,388社(同11.1%)、卸売業2万709社(同9.8%)、不動産業2万360社(同9.7%)、情報通信業1万453社(同4.9%)と続き、10産業のうち、7産業が1万社以上だった。
 一方、最も少なかったのは農・林・漁・鉱業の2,726社(同1.3%)。
 業種別では、食堂,レストランが5,960社(同2.8%)で最多。次いで、経営コンサルタント業が5,409社(同2.5%)で、この2業種が5,000社以上だった。

干支企業「卯」


 前回、卯年の2011(平成23)年は3月に東日本大震災が発生し、社会的にも経済的にも大きな混乱を引き起こした。2022年は世界的パンデミックとなったコロナ禍も3年目に入り、経済活動は停滞から再開への道を歩み始めた。
 2023年は『癸卯(みずのとう)』と呼ばれる。“癸”は、次の新たな生命が成長し始める状態を意味し、卯年は何かを始めるのに縁起が良く、景気回復などよい年になることが期待される。
 コロナ禍の影響を引きずるなかで起きた円安、物価高、人手不足を乗り切り、新たな一歩を踏み出せるか、これまでになく期待が高まる新年を迎えようとしている。

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ