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【2022年3月期決算】総資金利ざや0.16%、前年と同水準 ~ 全国253信用金庫 「総資金利ざや」調査 ~

 全国の253信用金庫の2022年3月期決算の「総資金利ざや(中央値)」は、前年と同水準の0.16%だった。ただ、資金運用の収益力を示す「資金運用利回り(中央値)」は0.97%と、前年(1.04%)より0.07ポイント低下した。一方、「資金調達原価率(中央値)」は0.81%で、前年(0.88%)より0.07ポイント圧縮した。経費削減や調達コストの抑制で総資金利ざやは前年と同水準を維持したが、低金利での貸出も続いており資金運用の厳しい状況に変わりはない。

 なお、国内銀行106行の2022年3月期の「総資金利ざや(中央値)」も、前年と同じ0.16%で、2年連続で信用金庫と同水準となった。
 「資金運用利回り」が前年を超えたのは25金庫で、1割(構成比9.8%)に満たなかった。一方、「資金調達原価率」を圧縮したのは233金庫(同92.0%)で、9割を超えた。
 「資金調達原価率」が「資金運用利回り」を上回る、いわゆる「逆ざや」は6金庫で前年の4金庫から2金庫増えた。6金庫のうち、3金庫は前年も「逆ざや」だった。
 通常の貸出に比べ利率が高いコロナ関連の「実質無利子・無担保融資(ゼロ・ゼロ融資)」の拡大で、低金利競争はやや落ち着いた。ただ、コロナ関連の一巡で貸出が伸び悩むなか、プロパー貸出で低金利は続いており、本業の貸出による収益改善は厳しい状況から抜け出せていない。
 信用金庫は、地域の小・零細企業との取引が多く、地域密着型営業に強みを持つ。事業再生やM&A、事業承継、廃業支援など、コロナ禍の出口戦略が求められるなか、貸出以外に収益源を確保し、地域経済を下支えする金融機関としての基盤強化が急務になっている。

  • 本調査は254信用金庫のうち、非公開の1信金を除く253金庫の2022年3月期決算の「総資金利ざや」を調査した。
  • 「総資金利ざや」とは、「資金運用利回り」-「資金調達原価率」で算出され、収益を示す指標の一つ。貸出金や有価証券の利息などを指す「資金運用利回り」が、人件費や資金調達に要したコストの「資金調達原価率」を下回ると、貸出や運用で利益が出ていない「逆ざや」となる。
  • 2017年3月期以前は、主要152金庫の数値を参考までに記載した。

「総資金利ざや(中央値)」は前年と同水準の0.16%

 全国253金庫の2022年3月期の「総資金利ざや(中央値)」は、前年と同水準の0.16%だった。253金庫のうち、「総資金利ざや」が上昇したのは138金庫(構成比54.5%)、低下したのは87金庫(同34.3%)、同水準が28金庫だった。
 「総資金利ざや」が上昇した138金庫では、貸出金などの運用収益を表す「資金運用利回り」が前年を上回ったのは25金庫(構成比18.1%)にとどまった。一方、「資金調達原価率」を前年より圧縮したのは、石巻信用金庫、気仙沼信用金庫、高知信用金庫の3金庫を除く135金庫(同97.8%)だった。銀行との競合もあり、依然として低金利での貸出が続いており、本業の貸出での資金運用の改善はなかなか進んでいない。

利鞘

「総資金利ざや」トップは3年連続で大阪厚生信用金庫

 全国253金庫の2022年3月期の「総資金利ざや」は、大阪厚生信用金庫(大阪)が0.97%(前年1.09%)で、4年連続トップだった。以下、渡島信用金庫(北海道)0.60%(同0.53%)、長浜信用金庫(滋賀)0.57%(同0.57%)、徳島信用金庫(徳島)0.55%(同0.42%)、高知信用金庫(高知)0.54%(同0.51%)の順。
 「総資金利ざや」の上昇率トップは、遠州信用金庫(静岡)と島田掛川信用金庫(静岡)で、前年より0.18ポイント上昇した。次いで、熊本信用金庫(熊本)と滋賀中央信用金庫(滋賀)、巣鴨信用金庫(東京)が同0.17ポイント上昇した。
 253金庫の2022年3月期の「総資金利ざや」の分布ゾーンは、最多が「0.1%以上0.2%未満」の102金庫(構成比40.3%、前年95金庫)。
 以下、「0.2%以上0.3%未満」が60金庫(同23.7%、同51金庫)、「0.0%以上0.1%未満」が52金庫(同20.5%、同67金庫)と続く。

「逆ざや」は6金庫に増加

 253金庫の2022年3月期の「総資金利ざや」がマイナスの、いわゆる「逆ざや」は6金庫だった。前年の4行より2金庫増加した。
 「逆ざや」の最大は、八幡信用金庫(岐阜)の▲0.14%(前年0.02%)。「資金運用利回り」が0.87%(同1.03%)に対し、「資金調達原価率」は1.01%(同1.01%)で、資金の運用利回りが0.16ポイントダウンし、2020年3月期の▲0.11%以来、2年ぶりに「逆ざや」となった。
 次いで、稚内信用金庫(北海道)が▲0.12%(同▲0.17%)で、2019年3月期から4年連続。「資金運用利回り」は0.70%(同0.69%)と0.01ポイントアップしたが、「資金調達原価率」が0.82%(同0.86%)だった。
 このほか、但馬信用金庫(兵庫)が▲0.03%(同0.08%)、大地みらい信用金庫(北海道、前年▲0.09%)とアルプス中央信用金庫(長野、同0.07%)が▲0.02%、宮古信用金庫(岩手)が▲0.01%(前年▲0.02%)。

逆ざや

「資金運用利回り」低下が約9割の223信金

 253金庫の2022年3月期「資金運用利回り(中央値)」は、0.97%だった。前年の1.04%から0.07ポイント低下した。
 253金庫のうち、「資金運用利回り」の低下は223金庫(構成比88.1%)で、約9割を占めた。一方、上昇は25金庫(同9.8%)と、1割に満たなかった。同水準は5金庫だった。
 「資金運用利回り」の分布は、最多が「0.9%以上1.0%未満」の61金庫(構成比24.1%、前年52金庫)。以下、「1.0%以上1.1%未満」の43金庫(同16.9%、同58金庫)、「0.8%以上0.9%未満」の42金庫(同16.6%、同35金庫)の順。
 「1.0%以上」が115金庫(前年152金庫)に減少する一方、「1.0%未満」は138金庫(同101金庫)へ増加し、信用金庫の資金運用の厳しさを示している。

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