• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

民事再生の日本ロジステック、役員について「然るべき対応をする」

 8月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した日本ロジステック(株)(TSR企業コード:026854660、東京都、代表者:鈴木雄吾氏、黒川尚悟氏)と、関連の日本ロジステックサポート(株)(TSR企業コード:291815090、千葉県、代表者:三橋一成氏、黒川尚悟氏)は9月1日14時より、都内で債権者説明会を開催した。
 会社側からは日本ロジステックの鈴木雄吾代表取締役会長ほか、申請代理人の網野精一弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所)が出席。オブザーバーとして監督委員の岡伸浩弁護士(岡綜合法律事務所)、約300名の債権者が参加した。
 鈴木会長の謝罪のあと、申請代理人から民事再生法申請に至る経緯、民事再生手続きの流れについて説明が行われた。説明要旨は以下の通り。

 日本ロジステックは総合物流会社として業容を拡大した。だが、主要取引先(得意先)の担当者との間で不適切取引が発覚。8月19日、主要取引先から仮差押が申し立てられ、取引銀行4行の口座の入出金ができなくなった。また、8月25日に入金予定だった主要取引先からの売掛金について、入金の目途が立たなくなったため、8月末の支払いが困難となり、民事再生法の適用を申請した。
 詳細な民事再生法の申請理由については現在、主要取引先との間で係争中のため説明は控える。日本ロジステックは、主要取引先とのトラブルが解消すれば事業再生は可能であり、凍結されていた口座は民事再生法を申請したことで法的に売掛金等の入出金が可能となり、事業を継続して再生を進めたい。

 質疑応答を経て15時25分に終了した。

主な質疑応答

Q.黒川社長が出席していないが。
A.体調不良のため、欠席している。
Q.業務委託先(得意先)への説明はないのか。
A.説明はまだできていない。個別で説明したい。
Q.主要取引先とのトラブルについて詳細に説明してほしい。刑法上の問題はないのか。
A.具体的な説明をしたいが、係争中でもあり回答は控える。民事再生法上、役員について損害賠償責任を問える。責任ある役員については然るべき対応をする。刑事事件になるかどうかは捜査当局等の判断による。
Q.日本ロジステックホールディングス(株)(TSR企業コード:290036119、東京都)は民事再生法を申請していないのか。
A.申請していない。
Q.(主要取引先に対して)過剰請求があったのか。
A.コメントは控える。他の取引先には過剰請求はない。
Q.一部集荷がストップしている。
A.一時的にストップしている。主要運送会社については再開の見通し。
Q.弁済率の見通しは。
A.財産評定を行わないと弁済率が出せない。
Q.スポンサーについて。
A.事業スポンサーを探すというよりは、グループ会社や関連会社が保有している資産などを使って、関連会社自体がスポンサーとなることも検討している。いくつか選択肢がある。
Q.金融機関が口座凍結した理由は。粉飾はなかったのか。
A.金融機関が入出金を止めた理由については代弁できる立場にない。仮差押なども理由かと思われる。8月25日、売掛金が入らなかったことも要因。いろいろな事象が積み重なった。決算書を粉飾しているとは認識していない。ただ、判明した不適切な取引の結果、決算を変えなければいけないことがおきるかどうかは今後の調査次第だ。不適切な取引を除けば、企業状態は悪くない。

日本ロジステック

日本ロジステックの入居ビル(TSR撮影)

楽天モバイル「当社に対して不正な請求」

 日本ロジステックの近年の業績拡大に影響した楽天モバイル(株)(TSR企業コード:027058760、東京都)は9月2日、「元従業員が取引先と共謀し、当社に対して不正な請求を行い、金銭的利益を得ていた疑いが生じた」とのコメントを発表した。すでに、社内調査を実施し、告訴状を提出しているという。元従業員は8月12日付で懲戒解雇されている。
 今後について楽天モバイルは、「内部管理体制の一層の強化、社内規程の周知およびコンプライアンス教育を徹底する」としている。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2022年9月5日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ