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民事再生の日本ロジステック、役員について「然るべき対応をする」

 8月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した日本ロジステック(株)(TSR企業コード:026854660、東京都、代表者:鈴木雄吾氏、黒川尚悟氏)と、関連の日本ロジステックサポート(株)(TSR企業コード:291815090、千葉県、代表者:三橋一成氏、黒川尚悟氏)は9月1日14時より、都内で債権者説明会を開催した。
 会社側からは日本ロジステックの鈴木雄吾代表取締役会長ほか、申請代理人の網野精一弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所)が出席。オブザーバーとして監督委員の岡伸浩弁護士(岡綜合法律事務所)、約300名の債権者が参加した。
 鈴木会長の謝罪のあと、申請代理人から民事再生法申請に至る経緯、民事再生手続きの流れについて説明が行われた。説明要旨は以下の通り。

 日本ロジステックは総合物流会社として業容を拡大した。だが、主要取引先(得意先)の担当者との間で不適切取引が発覚。8月19日、主要取引先から仮差押が申し立てられ、取引銀行4行の口座の入出金ができなくなった。また、8月25日に入金予定だった主要取引先からの売掛金について、入金の目途が立たなくなったため、8月末の支払いが困難となり、民事再生法の適用を申請した。
 詳細な民事再生法の申請理由については現在、主要取引先との間で係争中のため説明は控える。日本ロジステックは、主要取引先とのトラブルが解消すれば事業再生は可能であり、凍結されていた口座は民事再生法を申請したことで法的に売掛金等の入出金が可能となり、事業を継続して再生を進めたい。

 質疑応答を経て15時25分に終了した。

主な質疑応答

Q.黒川社長が出席していないが。
A.体調不良のため、欠席している。
Q.業務委託先(得意先)への説明はないのか。
A.説明はまだできていない。個別で説明したい。
Q.主要取引先とのトラブルについて詳細に説明してほしい。刑法上の問題はないのか。
A.具体的な説明をしたいが、係争中でもあり回答は控える。民事再生法上、役員について損害賠償責任を問える。責任ある役員については然るべき対応をする。刑事事件になるかどうかは捜査当局等の判断による。
Q.日本ロジステックホールディングス(株)(TSR企業コード:290036119、東京都)は民事再生法を申請していないのか。
A.申請していない。
Q.(主要取引先に対して)過剰請求があったのか。
A.コメントは控える。他の取引先には過剰請求はない。
Q.一部集荷がストップしている。
A.一時的にストップしている。主要運送会社については再開の見通し。
Q.弁済率の見通しは。
A.財産評定を行わないと弁済率が出せない。
Q.スポンサーについて。
A.事業スポンサーを探すというよりは、グループ会社や関連会社が保有している資産などを使って、関連会社自体がスポンサーとなることも検討している。いくつか選択肢がある。
Q.金融機関が口座凍結した理由は。粉飾はなかったのか。
A.金融機関が入出金を止めた理由については代弁できる立場にない。仮差押なども理由かと思われる。8月25日、売掛金が入らなかったことも要因。いろいろな事象が積み重なった。決算書を粉飾しているとは認識していない。ただ、判明した不適切な取引の結果、決算を変えなければいけないことがおきるかどうかは今後の調査次第だ。不適切な取引を除けば、企業状態は悪くない。

日本ロジステック

日本ロジステックの入居ビル(TSR撮影)

楽天モバイル「当社に対して不正な請求」

 日本ロジステックの近年の業績拡大に影響した楽天モバイル(株)(TSR企業コード:027058760、東京都)は9月2日、「元従業員が取引先と共謀し、当社に対して不正な請求を行い、金銭的利益を得ていた疑いが生じた」とのコメントを発表した。すでに、社内調査を実施し、告訴状を提出しているという。元従業員は8月12日付で懲戒解雇されている。
 今後について楽天モバイルは、「内部管理体制の一層の強化、社内規程の周知およびコンプライアンス教育を徹底する」としている。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2022年9月5日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

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