• TSRデータインサイト

ロシア企業と取引、世界各国に761万社以上=D&B調査

 Dun & Bradstreet(D&B)がこのほど公表したレポートによると、ロシア企業と取引する企業は世界に761万社以上あることが確認された。内訳は、ロシア企業との直接取引先(Tier1)が1万4,745社、間接取引先(Tier2)が760万社。アメリカやイギリス、EUなど世界各国がロシアへの制裁を強めているが、ロシア企業のサプライチェーンは広範に及ぶことがわかった。レポートでは「コロナ禍で荒廃し、回復基調の入り口にある世界経済に壊滅的な影響を与える恐れがある」と分析した。

 また、2月24日にバイデン大統領はウクライナ侵攻を受けて、ズベルバンクを含むロシアの金融機関と13のロシア企業への制裁を発表。アメリカ財務省外国資産管理室(OFAC)は、これらを取引の規制対象に追加した。D&Bのデータベースによると、これら企業と資本関係を有する企業は21カ国に点在し、合計1万6,748社にのぼる。レポートでは、「(調査結果は)隠れたコンプライアンスリスクを洗い出すために、企業の資本関係に関するデータにアクセスする重要性を浮き彫りにした」としている。

 D&Bは、ニューヨーク証券取引所に上場する企業情報提供会社。世界最大級の企業データベースを保有し、国内では東京商工リサーチと業務提携している。

noWar

‌公表されたD&Bのレポート

※レポート全文は、以下のサイトで閲覧できます(英文)。
https://www.dnb.com/content/dam/english/dnb-data-insight/DNB_Russia_Ukraine_Crisis.pdf

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ