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253信用金庫 総資金利ざや0.16%、2年連続で上昇(2021年3月期決算)

 全国の253信用金庫の2021年3月期決算の「総資金利ざや(中央値)」は0.16%で、前年の0.12%から0.04ポイント上昇、2年連続で前年を上回った。
 253信金の2021年3月期では、資金運用の収益力を示す「資金運用利回り(中央値)」が1.04%で、前年の1.10%より0.06ポイント低下した。また、「資金調達原価率(中央値)」は0.88%(前年0.97%)で、前年より0.09ポイント低下した。
 なお、国内銀行107行の2021年3月期の「総資金利ざや(中央値)」は0.16%(同0.13%)で、3年ぶりに前年を上回り、信用金庫と同水準となった。
 「資金調達」が「資金運用」を上回る、いわゆる「逆ざや」は4信金(前年19信金)で、前年 から15信金減少した。「逆ざや」の4信金は、前年も「逆ざや」だった。
 「逆ざや」が減少した背景は、コロナ関連の「実質無利子・無担保融資(ゼロ・ゼロ融資)」も一因とみることもできる。信用保証協会が保証承諾した貸出金の利息を各自治体が3年間負担するが、利率は1%台とみられ、それまでの低金利競争が一服した格好となった。
 信用金庫は銀行との金利競争を避け、独自に貸出先のリスクに見合った金利設定に動いている。ただ、貸出金利を大幅に引き上げることは難しく、本業である貸出以外のM&Aや事業承継など、新たな収益源としてコンサルティングなどへの進出が急務になっている。

  • ※本調査は254信用金庫のうち、非公開の1信金を除く253金庫の2021年3月期決算の「総資金利ざや」を調査した。
  • ※「総資金利ざや」とは、「資金運用利回り」-「資金調達原価率」で算出され、収益を示す指標の一つ。貸出金や有価証券の利息などを指す「資金運用利回り」が、人件費や資金調達に要したコストの「資金調達原価率」を下回ると、貸出や運用で利益が出ていない「逆ざや」となる。
  • ※2017年3月期以前は、主要152信金の数値を参考までに記載した。

「総資金利ざや」の中央値0.16%、2年連続で上昇

 253信金の2021年3月期の「総資金利ざや(中央値)」は0.16%(前年0.12%)で、前年を0.04ポイント上回った。253信金のうち、合併等を除く前年と比較可能な252信金では、「総資金利ざや」が前年を上回ったのは182信金(構成比72.2%)、低下は59信金(同23.4%)、同水準は11信金だった。
 ただ、「総資金利ざや」が上昇した182信金のうち、8割以上の150信金(同82.4%)は貸出金などの運用収益を表す「資金運用利回り」が前年を下回り、低金利競争が続くなかで資金運用の厳しさは続いている。

利ざや

「総資金利ざや」トップは3年連続で大阪厚生信用金庫

 2021年3月期の「総資金利ざや」の最高は、大阪厚生信用金庫(大阪)の1.09%(前年0.96%)。3年連続でトップを守り、唯一、1%台に乗せた。次いで、長浜信用金庫(滋賀)0.57%(同0.55%)、渡島信用金庫(北海道)0.53%(同0.47%)の順。
 上昇率の最高は、富士信用金庫(静岡)と青木信用金庫(埼玉)で、前年より0.21ポイント上昇した。この2信金は、前年は「逆ざや」だったが、2021年3月期で「逆ざや」から改善した。
 以下、東栄信用金庫(東京)と米沢信用金庫(山形)、奈良信用金庫(奈良)で、前年より0.19ポイント上昇した。
 253金庫の2021年3月期の「総資金利ざや」の分布状況は、「0.1%以上0.2%未満」が95信金(構成比37.5%)で最も多かった。以下、「0.0%以上0.1%未満」が67信金(同26.4%)、「0.2%以上0.3%未満」が51信金(同20.1%)の順。

「逆ざや」は4信金に大幅改善

 253信金の2021年3月期の「総資金利ざや」がマイナスの「逆ざや」は4信金だった。前年の19信金から15信金減少(前年比78.9%減)した。  「逆ざや」の最大は、稚内信用金庫(北海道)の▲0.17%(前年▲0.10%)だった。「資金運用利回り」が0.69%(同0.80%)に対して、「資金調達原価率」は0.86%(同0.90%)で、2019年3月期から3年連続で「逆ざや」が続いている。
 大地みらい信用金庫(北海道)は▲0.09%(同▲0.18%)で、2018年3月期から「逆ざや」が続いている。「資金運用利回り」が0.70%(同0.71%)に対し、「資金調達原価率」は0.80%(同0.89%)だった。
 また、宮古信用金庫(岩手)は▲0.02%(同▲0.01%)で2年連続、淡路信用金庫(兵庫)も▲0.02%(同▲0.03%)で2018年3月期から「逆ざや」が続く。

利ざや

「資金運用利回り」低下が8割超の220信金

 253信金の2021年3月期「資金運用利回り(中央値)」は、1.04%だった。前年の1.10%から0.06ポイント低下した。
 253信金のうち、前年と比較可能な252信金を対象に、「資金運用利回り」が低下したのは220信金(構成比87.3%)で、8割以上を占めた。一方、上昇は26信金(同10.3%)と、1割にとどまった。同水準は6信金だった。
 「資金運用利回り」の分布は、最多が「1.0%以上1.1%未満」58信金(同22.9%)。以下、「0.9%以上1.0%未満」52信金(同20.5%)、「1.1%以上1.2%未満」39信金(同15.4%)、「0.8%以上0.9%未満」35信金、「1.3%以上1.4%未満」23信金の順。
 「1.0%以上」が152信金(前年177信金)に減少する一方、「1.0%未満」は101信金(同77信金)へ増加し、信用金庫の資金運用の厳しさが浮き彫りとなった。

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