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出前館が好調、売上高は3倍に 先行投資で赤字は5倍に拡大

2021年8月期連結決算

 フードデリバリーサービスなどを手がける(株)出前館(TSR企業コード:571655947、渋谷区、JASDAQ)は10月14日、2021年8月期の連結決算を発表した。飲食店の加盟が増えたことでオーダーが好調で、売上高は前期から約3倍の290億800万円と大幅増収を達成した。一方、配達員の確保や積極的な宣伝広告への投資負担で、当期純利益は206億5100万円の赤字と、赤字は前期から約5倍に膨らんだ。同日公表した2022年8月期の連結営業利益は最大550億円の赤字を見込んでいる。
 14日に発表した2021年8月期(連結)の売上高は290億800万円(前期比181.5%増)、営業利益179億9100万円の赤字(前期26億2300万円の赤字)、当期純利益は206億5100万円の赤字(同41億1200万円の赤字)だった。
 出前館は2020年3月、LINE(株)(TSR企業コード:294357734、新宿区)と資本提携し、現在、LINEなどを傘下に持つZホールディングス(株)(TSR企業コード:293183228、千代田区、東証1部)グループに属している。
 フードデリバリーサービスはコロナ禍の在宅勤務や外出自粛で急速に市場が拡大したが、「ウーバーイーツ」など同業との競争が激化している。出前館は成長への投資資金として9月、Zホールディングスによる第三者割当増資や海外募集による新株発行などで総額約800億円を調達している。

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