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「自動車・同附属品製造業の倒産動向」調査(2021年1-5月)

 コロナ禍の影響と半導体不足に加え、電動化の波で変化が進む自動車・同附属品製造業だが、企業倒産は過去20年間で最少ペースで推移している。コロナ関連支援や生産回復などを背景に、2021年の倒産は1-5月で累計5件(前年同期比37.5%減)にとどまる。
 ただ、世界的に電動化シフトが強まり、自動車メーカーと関連部品メーカー、サプライヤーは、戦略の立て直しが急務になっている。
 自動車・同附属品製造業の倒産は、2005年から2008年まで20件台で推移していた。リーマン・ショック直後の2009年に71件に急増し、その後は再び30件前後に戻していた。2017年にタカタ(株)(現:TKJP(株)、東京都、負債1兆5,024億円)、2020年に(株)ダイヤメット(新潟県、負債577億9,000万円)の大型倒産で負債総額は膨らんだが、倒産自体は落ち着いて推移している。世界市場が拡大するなか、2020年はコロナ禍で一時的な工場の稼働停止やサプライチェーンの混乱だけでなく、需要も減少に転じた。だが、コロナ関連支援の効果で倒産は抑制されている。
 自動車メーカー各社は、2022年3月期の業績は回復を見込むが、半導体不足に伴う生産調整が長引き、影響は不透明だ。また、EV(電気自動車)化やPHV(プラグインハイブリッド車)など、部品数の少ない電動化も広がっており、市場変化に対応できない部品メーカーなどの淘汰や再編が避けられない状況が迫っている。

  • 本調査は、日本産業分類「自動車・同附属品製造業」の2021年1-5月の倒産を集計、分析した。自動車・同附属品製造業は、完成車や車体の製造、組立のほか、エンジン、トランスミッション、ブレーキなどの部品製造業を対象にしており、各部品内部のパーツやガラス、タンク、ヘッドライトなどの部品製造は含まない。

2021年1-5月は5件、2021年は過去20年で最少も

 自動車・同附属品製造業の倒産は、2009年にリーマン・ショックによる急激な世界市場の縮小で71件(前年比195.8%増)に急増した。その後、件数は落ち着いて推移しているが、負債総額は2017年に1兆5,185億9,000万円と跳ね上がった。これは世界有数のエアバッグメーカーのタカタ(株)(現:TKJP(株)、東京都、負債1兆5,024億円)が民事再生法の適用を申請し、負債を押し上げたことが要因。また、2020年も(株)ダイヤメット(新潟県、負債577億9,000万円)が民事再生法の適用を申請し、負債総額が膨らんだ。
 2019年は消費増税の影響などから自動車販売台数は落ち込んだものの、EVなど次世代自動車の販売好調が下支えするなどして、倒産は15件と過去20年間で最少を記録した。だが、2021年1-5月は5件(前年同期比37.5%減)にとどまり、このペースで推移すると2021年は2019年を下回り、過去20年間で最少件数となる可能性も出てきた。

自動車関連

原因別 販売不振が6割

 販売不振が3件(構成比60.0%、前年同期比50.0%増)で最多。次いで、代表者の死亡などその他(偶発的原因)が2件(構成比40.0%、前年同期ゼロ)だった。

負債額別 1億円未満が8割

 5千万以上1億円未満(前年同期ゼロ)と1千万円以上5千万円未満(前年同期比60.0%減)が各2件(構成比各40.0%)で並び、1億円未満の倒産が大半を占めた。このほか、5億円以上10億円未満が1件(構成比20.0%、前年同期ゼロ)発生した。


 2021年の自動車・同附属品製造業の倒産は1-5月の累計は5件で、過去20年間で最少の可能性も出てきた。コロナ関連倒産は2020年2月以降、累計2件(2021年5月末、負債1,000万円以上)にとどまる。
 自動車関連業界は、完成車メーカーを頂点に、車体や部品メーカー、素材や周辺メーカーとすそ野が広く複層的なサプライチェーンを形成している。自動車関連就業人口は製造、利用、資材や販売・整備などの部門を含めると約542万人(一般社団法人日本自動車工業会、「日本の自動車工業2020」より)と言われる。長年積み重ねてきた技術やコスト削減などのノウハウは世界トップクラスだが、世界的なEV化やPHV化の潮流を背景に、次世代の自動車の開発スピードは目覚ましく、サプライチェーンは大きな変革期を迎えている。
 メーカー各社がしのぎを削り技術開発が加速するが、ソフトウェアなどIT企業との競合も激しくなるなど、技術革新はチャンスとピンチが背中合わせにある。また、半導体不足や原材料価格の上昇、人手不足の問題などの課題は残したままだ。自動車・同附属品製造の倒産の沈静化は、メーカ支援とコロナ関連融資などの政策支援でもたらされている。今後も事業領域を広げた支援と、各企業の自立の動きが出てこなければ、転換期を迎えた業界からの脱落は避けられないだろう。

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