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第2回「過剰債務に関するアンケート」調査

 東京商工リサーチは6月1日~9日にかけて、債務の過剰感についてアンケート調査を実施した。それによると「コロナ前から過剰感がある」は13.0%、「コロナ後に過剰となった」は18.6%で、合計31.6%が「過剰債務」と回答した。  中小企業(資本金1億円未満、個人企業等)に限定すると、「過剰債務」は34.2%にのぼり、中小企業の3社に1社が過剰債務を抱えている実態が浮き彫りとなった。
 コロナ禍で急激な業績悪化に陥った企業への資金繰り支援策は、企業の一時的な資金繰り緩和に大きく寄与した。一方、業績回復の遅れもあり、バランスシートの肥大化を引き起こしている。
 ワクチン接種の進展や「事業再構築補助金」など、経済の再活性化に向けた取り組みは進むが、過剰債務の解消への手立ても必要になっている。また、今回の調査で「過剰」の要因は、金融債務だけでなく、人件費や家賃、税金・社会保険料、保証債務、不利な取引条件・契約など多岐にわたることもわかった。こうした中小企業の置かれた環境に則した、資金繰り支援だけではない多様な支援が求められている。

  • 本調査は、2021年6月1日~9日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答9,492社を集計・分析した。
    第1回調査は、2021年4月15日公表(アンケート期間:4月1日~12日)。
    資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。

Q1.貴社の債務(負債)の状況は、次のうちどれですか?(択一回答)

中小企業の3社に1社が「過剰債務」
 調査では、負債比率や有利子負債構成比率など財務数値に限定せず、債務の過剰感を聞いた。
 「コロナ前から過剰感」は13.0%(9,492社中、1,239社)、「コロナ後に過剰感」は18.6%(1,769社)で、合計31.6%が「過剰債務」と回答した。
 規模別では、大企業は15.4%(1,306社中、202社)が「過剰債務」と回答したのに対し、中小企業は34.2%(8,186社中、2,806社)で、20ポイント近く差が開いた。第1回調査では、大企業が17.1%、中小企業が35.0%だった。
 「過剰感があったが、コロナ後に解消」は、大企業が1.0%(14社)、中小企業が2.2%(180社)で、いずれも僅かにとどまった。

過剰債務

業種別「過剰債務率」 飲食業や宿泊業が高位
 「コロナ前から過剰感」、「コロナ後に過剰感」と回答した企業を業種で分析した(業種中分類、回答母数20以上)。
 「過剰債務率」が最も高かったのは、飲食店の77.1%(70社中、54社)だった。
 以下、宿泊業の76.6%(47社中、36社)、旅行や葬儀、結婚式場などを含む「その他の生活関連サービス業」の73.7%(61社中、45社)、道路旅客運送業の72.0%(25社中、18社)と続く。
 飲食店や宿泊業は、休業協力に関する支援(協力)金や「Go To トラベル」、「Go To イート」など複数の支援策が実施されたが、それでも「過剰債務率」が高いことがわかった。コロナ禍の影響が根深いことを示している。

過剰債務

Q2.Q1で「コロナ前から過剰感がある」、「コロナ後に過剰となった」と回答された方に伺います。過剰を感じるのは以下のどれですか?(複数回答)

最多は「金融機関からの借入」
 「コロナ前から過剰感」、「コロナ後に過剰感」と回答した企業に要因を聞いた。2,992社から回答を得た。
 トップは、「金融機関からの借入」の81.6%(2,444社)だった。
 規模別では、「金融機関からの借入」は、大企業で70.6%(201社中、142社)に対し、中小企業は82.4%(2,791社中、2,302社)に達した。
 また、「人件費・家賃」、「税金・社会保険料」をあげる企業も多い。コロナ禍でビジネス環境が変化し、固定費、変動固定費が経営上のネックとなっているようだ。

過剰債務


 コロナ禍での政府や自治体、金融機関の資金繰り支援で、2021年1月-5月の企業倒産(負債1,000万円以上)は合計2,503件と前年同期(3,221件)を22.2%下回った。ただ、「実質無利子・無担保融資」など貸付型の支援や「新型コロナ特例リスケジュール」などのリスケ型支援は、業績回復が遅れる中で過剰債務を誘発している。
 今回の調査で、中小企業の3社に1社が過剰債務であることが浮き彫りになった。「コロナ前から過剰感」は13.9%に対し、「コロナ後に過剰感」は20.2%に達する。これはコロナ関連融資で借入金が膨張していることを浮かび上がらせる。企業倒産は抑制されているが、コロナ禍で多くの企業が過剰債務に苦しむ事態に陥っている。
 過剰債務の理由は、トップは「金融機関から借入」だが、「人件費・家賃」や「自社に不利な取引条件・契約」をあげる企業もある。ウィズコロナ・アフターコロナに向けた取り組みでは、バランスシートの負債だけにとらわれず、損益上の費用や商流への配慮も必要だろう。

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