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2021年(1-5月)「負債1,000万円未満の倒産」調査

 2021年(1-5月)の負債1,000万円未満の企業倒産は195件(前年同期比6.2%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。このうち、「新型コロナウイルス」関連倒産は36件(構成比18.4%)だった。
 四半期別では、新型コロナの感染が拡大した当初の2020年4-6月は168件(同51.3%増)と急増したが、その後は増加率が縮小。2021年1-3月は120件(同10.4%減)と減少に転じた。コロナ禍の資金繰り支援策が、次第に小・零細規模の企業・事業者に行き渡ったことが一因と見られる。
 産業別では、最多はサービス業他の94件(前年同期比5.0%減、構成比48.2%)で、ほぼ半数を占めた。美容業(5件)やエステティック業(3件)、劇団(3件)などを含む「生活関連サービス業,娯楽業」が26件(前年同期比52.9%増)と増加した。一方、コロナ禍でインバウンド需要消失や休業・時短営業などが直撃した飲食業は25件(同10.7%減)、宿泊業は1件(前年同期3件)など、小康状態となっている。
 原因別では、最多は「販売不振」の143件(前年同期比7.5%増)で、構成比は73.3%(前年同期63.9%)と前年同期より9.4ポイント上昇した。
 10都府県が緊急事態宣言下で、8県がまん延防止等重点措置の対象区域となっている。ワクチン接種も広まっているが、まだコロナ禍の見通しが立つまでには至っていない。
 コロナ禍の金融支援は、1年を経過した。資金支援も赤字補填から本業支援に移行しつつあり、厳しい経営環境で業績改善が進まない企業は、新たな資金調達が限界に達しつつある。もともと経営基盤がぜい弱な中小・零細企業の事業再建は、過剰債務を抱えて難しい側面もあり、新たな視点から廃業支援やM&Aなど、多様な支援体制が求められる。

  • 本調査は2021年(1-5月)に全国で発生した企業倒産(法的、私的)のうち、通常の「倒産集計」(負債1,000万円以上)に含まれない負債1,000万円未満の倒産を集計、分析した。

倒産件数195件、2年ぶりに200件を下回る

 2021年(1-5月)の負債1,000万円未満の企業倒産は195件(前年同期比6.2%減)で、2年ぶりに200件を下回っている。2020年1-3月134件(前年同期比0.7%増)、4-6月168件(同51.3%増)、7-9月187件(同36.4%増)、10-12月141件(同7.6%増)と前年同期を上回った。特に、新型コロナ感染拡大とともに、前年4-6月は増勢が強まった。その後、資金繰り支援などの拡充で増加率は縮小し、2021年1-3月は120件(同10.4%減)と減少に転じた。
 コロナ禍の政府の資金繰り支援策は小・零細規模の企業・事業所に一定の効果を見せた。だが、長引くコロナ禍で業績改善は遅れており、経営体力が疲弊した小・零細企業の推移が注目される。

1000万未満

【産業別】10産業のうち、増加が3産業、減少が4産業、同数が3産業

 産業別では、10産業のうち、増加は農・林・漁・鉱業(2→4件)、小売業(23→24件)、不動産業(4→5件)の3産業。減少は、建設業(27→25件)、製造業(11→8件)、情報通信業(19→12件)、サービス業他(99→94件)の4産業。卸売業(16件)、金融・保険業(1件)、運輸業(6件)の3産業は、前年同期と同件数だった。
 産業別の最多は、サービス業他の94件(前年同期比5.0%減)。負債1,000万円未満の倒産に占める構成比は48.2%(前年同期47.5%)で、ほぼ半数だった。
 次いで、建設業25件(前年同期比7.4%減、構成比12.8%)、小売業24件(同4.3%増、同12.3%)、卸売業16件、情報通信業12件の順。
 サービス業他は、コロナ禍でインバウンド需要消失や外出自粛、休業・時短営業の影響が懸念される飲食業が前年同期比10.7%減(28→25件)と減少。飲食業では、「酒場,ビヤホール」が4件、「バー,キャバレー,ナイトクラブ」が3件で、それぞれ前年同期と同件数。また、「食堂,レストラン」は6件(前年同期8件)と減少した。

1000万未満

【形態別】破産の構成比が96.9%

 形態別では、最多が「破産」の189件(前年同期比7.3%減)。倒産に占める構成比は96.9%(前年同期98.0%)で、前年同期より1.1ポイント低下した。
 そのほか、「民事再生法」は3件(前年同期2件)で、すべて個人企業の小規模個人再生手続きだった。
 また、「取引停止処分」は前年同期と同件数の2件、特別清算は1件(前年同期ゼロ)だった。
 負債1,000万円未満は、経営基盤がぜい弱な小・零細企業が主体になっている。そのため、業況改善の遅れや先行きを見通せない場合、事業継続を断念して破産を選択する企業が多い。
 コロナ禍で、業績のさらなる悪化や代表者の高齢化による後継者不在も、事業継続をあきらめる一因となっている。

【原因別】販売不振が7割以上

 原因別では、『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)が155件(前年同期比5.4%増、前年同期147件)だった。構成比は79.4%(前年同期70.6%)で、前年同期より8.8ポイント上昇した。
 「販売不振」が143件(前年同期比7.5%増)で、構成比が73.3%(前年同期63.9%)と、前年同期より9.4ポイント上昇した。「既往のシワ寄せ(赤字累積)」は12件(前年同期13件)。
 そのほか、代表者の死亡・病気を含む「その他」が13件(前年同期比85.7%増)。「他社倒産の余波」は13件(同59.3%減)で、関連企業に連鎖し、倒産するケースが大半。
 また、「事業上の失敗」(同73.3%減)と「運転資金の欠乏」(同20.0%減)がそれぞれ4件で、設立10年未満の企業がほとんど。

【資本金別】1,000万円未満が9割を超える

 資本金別では、「1,000万円未満(個人企業他を含む)」が181件(前年同期比5.7%減)で、倒産に占める構成比は92.8%(前年同期92.3%)だった。
 内訳は、「100万円以上500万円未満」が71件(前年同期比20.2%減)、「個人企業他」が60件(同9.0%増)、「100万円未満」が33件(同37.5%増)、「500万円以上1,000万円未満」が17件(同29.1%減)だった。
 そのほか、「1,000万円以上5,000万円未満」が14件(同12.5%減)で、5,000万円以上は発生がなかった。

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