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会社更生のF-Power、官主導の市場形成と調達価格「青天井」の行方

 新電力の(株)F-Power(TSR企業コード:297969072、東京都港区)が3月24日、東京地裁へ会社更生の適用を申請した。負債総額は今年最大の約243億円(2020年6月期決算時点)。新電力関連でも、2016年4月に破産申請した日本ロジテック(協)(TSR企業コード:298943107、東京都中央区)の負債120億円を抜き、最大となった。
 新電力を巡っては2020年末以降、仕入(調達)価格が急騰し、逆ザヤが続いた。JEPX(日本卸電力取引所)市場のスポット価格は、通常時の10倍前後に高騰。採算悪化から売電事業の休止や新規契約の一時停止を発表する事業者も出ていた。


参入事業者が増える一方、競争も熾烈に

 新電力が電力の調達不足に陥った場合は電力会社が穴埋めするが、穴埋め分は後日割高なペナルティー(インバランス料金)を支払う。年始に発生したインバランス料金は3月以降に支払いが到来するため、新電力各社は高騰した電力の調達資金にインバランス料金が加わり、「3月危機説」が囁かれていた。
  このため、新電力56社は1月18日、連名で経産大臣に要望書を提出。情報公開や価格が高騰した期間のインバランス料金で電力会社が得た利得の還元、インバランス単価の見直しなどを求めた。
 2月以降、経済産業省は卸価格の急激な高騰に伴う新電力への支援策として、最大9カ月間に及ぶインバランス料金の電力会社への分割支払い、政府系金融機関に影響を受けた事業者への柔軟な対応などを要請していた。
 経済産業省、電力・ガス取引監視等委員会は3月24日、「F-Powerからは、小売電気事業を引き続き行うこと、今後の電力供給には全く支障はないこと、電気の使用者の皆様との契約内容については変更することなく電力供給を行うことの報告を受けている」と開示した。
 2016年4月、電力の小売自由化が鳴り物入りでスタートした。これで地域の電力会社10社が独占供給してきた一般家庭向け電力販売が一般企業に解禁され、利用者はライフスタイルや価値観、価格に合わせて自由に販売会社やプランを選択できるようになった。
 この間、新電力の登録事業者は全国で約700社に膨らみ、巨大な市場が生まれた。だが、参入バブルに沸く新規市場では、熾烈な競争に加え、調達コストの肥大化という二重の試練に晒されている。電力小売自由化から間もなく5年。業界内でささやかれていた再編や淘汰のリスクが、F-Power倒産という形で現実のものとなった。

新電力よみもの1

「新電力」の苦境を伝える「TSR情報全国版」(2月2日号)

新電力よみもの2

F-Powerの評点とリスクスコアのポジション(評点は「43」、リスクスコアは「1」)※2020年6月作成のTSR REPORTより

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