• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

「ルネサスエレクトロニクス 国内取引状況」調査

 3月19日、自動車向け走行制御マイコンで世界シェアトップのルネサスエレクトロニクス(株)(TSR企業コード:351145265、法人番号:8020001075701、東京都江東区、東証1部)の生産子会社、ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング(株)(TSR企業コード:650071239、法人番号:6160001000449、茨城県ひたちなか市)の那珂工場で火災が発生した。
 焼損面積はN3棟1階のクリーンルーム1万2,000平米のうち、600平米に及び、焼損装置は11台でN3棟の全製造装置のうち約2%に相当する。生産停止による売上への影響は月間約170億円で、当面は自社工場とファウンドリ(受託生産会社)の代替生産で乗り切る意向だが、3分の1は代替生産が難しいとみられる。自動車向け半導体の需給は逼迫しており、生産再開まで早くても1カ月を要する見通しで被災の影響は尾を引きそうだ。
 東京商工リサーチ(TSR)では、ルネサスエレクトロニクスと同社グループ(以下、ルネサスグループ)と直接取引のある1次、間接取引の2次の取引先数を調査した。取引先総数は仕入先合計が1,784社(重複除く)、販売先合計は461社(重複除く)だった。
 ルネサスグループと直接取引している1次仕入先(385社)のうち、製造業は150社と、約4割(構成比38.9%)を占めた。一方、1次販売先(63社)では、卸売業が28社(構成比44.4%)で最多だった。ただ、2次販売先には大手電機・自動車メーカーが多く、こうした大手企業は取引先の裾野が広いだけに、長期の生産停止は各方面への影響が必至の状況だ。

  • ※本調査は、企業情報サービス(tsr-van2)の企業相関図から、ルネサスエレクトロニクスおよび同社グループ(ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング(株)、ルネサスエンジニアリング(株))の仕入先、 販売先を1次(直接取引)、2次(間接取引)に分け、業種、地区、規模などを分析した。 1次取引先は、直接取引のある取引先、2次取引先は1次取引先と直接取引がある間接取引企業を示す。
    対象は、ルネサスエレクトロニクスと、2020年3月期の有価証券報告書に記載された国内連結子会社2社。

資本金別 2次販売先の約8割が1億円以上

 ルネサスグループの取引先の資本金別では、1次仕入先(385社)の最多が1千万円以上5千万円未満の170社(構成比44.1%)。以下、1億円以上105社(同27.2%)、5千万円以上1億円未満71社(同18.4%)の順。資本金1億円未満の中小企業は280社で7割(同72.7%)を占める。
 2次仕入先(1,467社)では、最多が1億円以上の725社(構成比49.4%)で、ほぼ半数。
 1次販売先(63社)では、1億円以上が29社(構成比46.0%)。次いで、1千万円以上5千万円未満が15社(同23.8%)、5千万円以上1億円未満が14社(同22.2%)の順。
 2次販売先(410社)は、1億円以上が327社で、約8割(構成比79.7%)だった。自動車メーカーや電機メーカーなど、大手メーカーなどへ間接的に納入されている。

ルネサンス

従業員数別 1次仕入先は100人未満が9割

 ルネサスグループの取引先の従業員数別は、1次仕入先(385社)の従業員数合計は13万336人。最多が10人以上100人未満で184社(同47.7%)。以下、10人未満が83社(同21.5%)、100人以上500人未満が76社(同19.7%)の順。
 2次仕入先(1,467社)の従業員数合計は146万3,935人。10人以上100人未満が460社(構成比31.3%)で最も多い。
 1次販売先(63社)の従業員数合計は2万2,130人。100人以上500人未満が24社(構成比38.1%)が最多。次いで、10人以上100人未満が21社(同33.3%)、500人以上が10社(同15.8%)と続く。100人未満(不明含む)は29社(構成比46.0%)。
 2次販売先の従業員数合計は158万6,736人。500人以上が252社(同61.4%)で最も多い。生産停止が長期化すると懸念される製造業の従業員数合計は95万3,831人。

ルネサンス


 ルネサスエレクトロニクスは3月22日、「今後、取引先や製造装置メーカーなどの協力を得ながら、クリーンルーム内の清掃と焼損した装置の調達などを進め、1カ月以内に生産を再開することを目標としている」と発表した。
 ルネサスグループは自動車の走行を制御する車載マイコンで、世界トップクラスにある。このため、2次販売先(間接取引先)にはトヨタ自動車、ホンダ、SUBARU、SUZUKIなど自動車メーカーも多く、パナソニック、三菱電機、日立製作所などの電機メーカーも確認される。
 世界的に半導体需給が逼迫するなか、ルネサスグループの生産停止が長期化すると間接取引先の大手メーカーにも打撃となる。取引企業の裾野は広く、生産調整が長引くと影響は世界の自動車メーカーや電機メーカーなど各方面に広がりかねない。

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

年度上半期の「人手不足」倒産 過去最多の240件 深刻な“賃上げ疲れ”、『賃上げ倒産』が1.7倍に増加

2026年度上半期(4-9月)の「人手不足」倒産は、240件(前年同期比17.0%増)と過去最多を記録した。コロナ禍の2021年度同期の26件を底に、5年連続で前年同期を上回った。調査を開始した2013年以降の年度上半期では、これまで最多だった前年同期(205件)を抜いて最多を更新した。

2

  • TSRデータインサイト

外国人「技能実習制度」認定取消しは累計754社 製造業と建設業で7割占める、ワーストは愛知県の46社

外国人技能実習制度で実習生を受け入れていた企業のうち、法令違反や不正などを理由に実習実施の認定取消処分を受ける企業が相次いでいる。 2017年11月の現行制度施行以降、累計754社にのぼり、2026年度も8月までに50社が公表され、前年度と同水準のペースで推移している。

3

  • TSRデータインサイト

再編が進むホームセンター、キーワードは「1兆円」 ~ 統合や提携、共同購買やPB商品の取り組み ~

ホームセンター業界で統合や提携で競争力を高める動きが加速している。店舗が増えながら1店舗の売上効率が低下する「オーバーストア」状態で、大手各社は次の一手を巡りしのぎを削っている。5期連続(最新期:2025年4月-2026年3月期)で決算比較が可能な48社を分析した

4

  • TSRデータインサイト

1-9月の上場企業「早期・希望退職募集」は22社 人数は5,345人、黒字企業が6割を超える

2026年1月-9月に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は22社(前年同期34社)、対象人数は5,345人(同1万1,909人)だった。社数は3割(35.2%)減少し、対象人数は半減(55.1%)した。

5

  • TSRデータインサイト

新型コロナ破たん、9月は133件発生

 9月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が133件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万4,700件に達した。2026年は3月に162件と3カ月ぶりの150件超えを記録。しかし、4月は一転して150件を下回り、5月は119件で、2021年1月以来の120件割れとなった。

TOPへ