• TSRデータインサイト

シャープ、堺ディスプレイプロダクトの株式売却を中止

 3月12日、シャープ(株)(TSR企業コード:570384737)は同日開催の取締役会で堺ディスプレイプロダクト(株)(SDP、TSR企業コード:576128929)の株式売却の中止を決議したと発表した。

  シャープは「譲受人が当社が保有するSDP株式の売買中止の申し入れがあった。当社としては資本関係の解消により、当社の連結業績の安定化に寄与することから、継続して売却の方向で交渉を進めていたが、譲受人の強い要望により株式売却の中止を決定した」としている。

 SDPの株式をシャープは23.44%(自己株式を含めた所有比率)保有し、その他の持株比率は非開示としている。SDPの2019年12月期の売上高(単体)は999億2000万円、当期純利益は196億4200万円の赤字だった。

 2月25日、シャープはSDPの株式売却を公表。守秘義務契約により譲受人は非開示だが、譲受人がシャープが保有しているSDP株式を購入したい旨の申し出があったという。株式売却の実施予定日は今年3月15日だった。

 シャープは、「本株式売却が中止になったことによる当社の2021年3月期の連結業績に与える影響はありません」としている。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

中小企業の賃上げ率「6%以上」は9.1% 2025年度の「賃上げ」 は企業の85%が予定

2025年度に賃上げを予定する企業は85.2%だった。東京商工リサーチが「賃上げ」に関する企業アンケート調査を開始した2016年度以降の最高を更新する見込みだ。全体で「5%以上」の賃上げを見込む企業は36.4%、中小企業で「6%以上」の賃上げを見込む企業は9.1%にとどまることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

次世代電池のAPB、経営騒動の舞台裏 ~ APB・大島麿礼社長 単独インタビュー ~

次世代リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発や製造を手がける技術系ベンチャーのAPB(株)が注目を集めている。大島麿礼社長が東京商工リサーチの単独取材に応じた(取材日は4月10日)。

3

  • TSRデータインサイト

コロナ禍で急拡大の「マッチングアプリ」市場 新規参入のテンポ鈍化、“安全“投資で差別化

20代、30代の若者を中心に、恋活や婚活、恋愛の真面目な出会いを求めるマッチングアプリの利用が広がっている。マッチングアプリの運営会社はコロナ禍を境に急増し、社数は6年間で5.6倍になった。2019年3月末の5社から、2025年3月末は28社と6年間で大幅に増えた。

4

  • TSRデータインサイト

丸住製紙(株)~ 倒産した地元の“名門”製紙会社の微妙な立ち位置 ~

2月28日に新聞用紙の国内4位の丸住製紙(株)(四国中央市)と関連2社が東京地裁に民事再生法の適用を申請してから2週間が経過した。負債総額は約590億円、債権者数は1,000名以上に及ぶ。愛媛県では過去2番目の大型倒産で、地元の取引先や雇用への影響が懸念されている。

5

  • TSRデータインサイト

介護離職者 休業や休暇制度の未利用54.7% 規模で格差、「改正育児・介護休業法」の周知と理解が重要

団塊世代が75歳以上になり、介護離職問題が深刻さが増している。ことし4月、改正育児・介護休業法が施行されたが、事業規模で意識の違いが大きいことがわかった。

TOPへ