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2020年度「習い事教室の倒産動向」調査

 2020年度(2020年4月-2021年3月)の「習い事教室(教養・技能教授業)」の倒産(負債額1,000万円以上)は、2月までの11カ月間で合計41件に達した。これは前年同期と同数で、2001年度以降の20年間では、年度最多を記録した2019年度(43件)に2件差に迫る。昨年夏場から増勢が顕著になっており、2020年度は過去最多を更新する可能性が高まっている。
 「習い事教室」は、大手企業の直営やフランチャイズ(FC)から、講師の自宅や賃貸ビルの部屋を教室として利用する小規模な個人経営まで幅広い。いずれも教室に生徒が集まるため、新型コロナ感染防止の指針としての「三密回避」やソーシャルディスタンスの確保との両立が難しい。
 コロナ禍の対応策では、大手の音楽教室や英会話教室などはオンライン講座への振替を行っている。だが、小・零細規模の事業者や機材・器具が必要なスポーツ教室などでは、オンライン化への対応が難しい課題も浮き彫りになっている。
 「習い事教室」は、少子化で競合が激化し、徐々に倒産が増加していた。そこに2020年に入り、コロナ禍で緊急事態宣言も発令され、教室は休講や受講人数の制限などを迫られた。2020年度(4-2月)の「習い事教室」のコロナ関連倒産は13件で、「習い事教室」倒産の約3割(31.7%)を占めている。
 国や自治体による各種支援策でひと息ついた「習い事教室」もあるが、 倒産した41件のうち85.3%(35件)は資本金1,000万円未満の小・零細規模が占める。さらに、休廃業・解散も増え、2020年(1-12月)は96件と年間最多を記録した。長引くコロナ禍で、「習い事教室」は新たな生活様式の下でも持続可能な対応策が問われている。

  • 調査は、日本産業分類の「教養・技能教授業」(「音楽教授業」「書道教授業」「生花・茶道教授業」「そろばん教授業」「外国語会話教授業」「スポーツ・健康教授業」「その他の教養・技能教授業」)の2020年4月-2021年2月の倒産を集計、分析した。

4-2月の「習い事教室」の倒産は41件、年度最多を更新の可能性も

 20年4月-21年2月の11カ月間の「習い事教室」倒産は、前年同期と同数の41件となった。最初の緊急事態宣言の解除後から増加が目立ち、6月5件(前年同月比66.6%増)、7月6件(同50.0%増)、8月3件(同200.0%増)、9月4件(前年同月ゼロ)と、夏場から前年同月を上回った。
 その後、一進一退を繰り返すが、コロナ禍の収束見通しが立たず、資金余力が乏しい小・零細規模の教室を中心に、息切れ倒産が押し上げる可能性を残している。
 2020年度の「習い事教室」倒産は月平均3.7件発生し、3月もこのペースで推移すると2019年度の43件を上回り、過去最多を更新する可能性が出てきた。

習い事

業種別 「スポーツ・健康教授業」、「音楽教授業」はすでに過去最多を更新

 業種別では、増加率の最大はスポーツ教室、パーソナルジムなどの「スポーツ・健康教授業」で前年同期比133.3%増(6→14件)。次いで、「音楽教授業」の同75.0%増(4→7件)が続く。また、「書道教授業」も前年同期ゼロから2件に増加した。
 「スポーツ・健康教授業」は2018年度の9件、「音楽教授業」は2006年度の6件をそれぞれ超え、2021年2月時点ですでに年度最多を更新している。
 一方、減少率は、「外国語会話教授業」の同72.7%減(11→3件)、「その他の教養・技能教授業」の同25.0%減(20→15件)と続く。
 2020年4月の緊急事態宣言では、各種教室とも休業要請の協力対象となった。さらに、「習い事教室」は個人宅でレッスンを行う小規模経営も多く、「三密」回避が必要になった。このため、休講や感染を危惧した受講生の退会などによる売上減少が大きく影響したとみられる。

習い事

原因別 「販売不振」が37件、全体の9割を占める

 原因別では、「販売不振」が37件(前年同期比15.6%増)で最多。倒産に占める構成比は90.2%(前年同期78.0%)で、前年同期から12.2ポイント上昇した。次いで、「事業上の失敗」が2件(前年同期比50.0%減)、「事業外の失敗」と「偶発的原因」が各1件(各前年同期ゼロ)。
 また、『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は37件(前年同期比5.7%増)で、構成比は90.2%(前年同期85.3%)と、全体の9割を占めた。
 コロナ禍での休講や生徒減少による売上の低下で、事業継続が困難になったケースも多い。

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