• TSRデータインサイト

「すき家」のゼンショーHD 中間は19億円の赤字

 牛丼チェーン「すき家」などを運営する飲食大手の(株)ゼンショーホールディングス(TSR企業コード:350389764、東京都港区、東証1部)は11月13日、2020年4-9月(連結)の純利益が19億1,200万円の赤字だったと発表した。新型コロナが影響し客数が回復しなかったことが響いた。

2020年4-9月の連結決算は、売上高2,879億7,500万円(前年同期比10.0%減)、営業利益5億2,400万円の赤字、純利益19億1,200万円の赤字と減収赤字計上だった。ただ、経費のコントロールに努めた結果、業績予想からは純利益が20億300万円改善した。

2021年3月期通期(連結)の業績予想は、新型コロナウイルス感染症の影響が見通せないため据え置いた。

牛丼大手3社の中間の純利益は赤字だった。ゼンショーHDは業績予想を据え置き、唯一、純利益黒字の10億円。「吉野家」を展開する(株)吉野家ホールディングス(TSR企業コード:290624100、東京都中央区、東証1部)の2021年2月期の連結業績予想は、純利益90億円の赤字(前年同期7億1,300万円の黒字)を見込む。「松屋」の(株)松屋フーズホールディングス(TSR企業コード:291777406、武蔵野市、東証1部)も純利益26億円の赤字(同26億400万円の黒字)を計画している。

ただ、足元では回復しつつある。10月の全店の売上高(対前年同月比)は、ゼンショーHDのすき家が106.5%、吉野家HDの吉野家は102.7%と前年実績を上回り、松屋フーズHDの松屋などは98.3%と前年並みまで回復している。

牛丼大手3社の決算②

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ