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コロナ禍での倒産減少と今後の課題を読み解く

 東京商工リサーチ(TSR)は10月12日、官公庁の担当者向けに倒産状況説明会を開催した。友田信男・常務取締役情報本部長が説明した。「新型コロナウイルス」感染拡大に配慮して、WEB形式で開催した。

 説明の要旨は以下の通り。

 2020年度上半期(4-9月)の倒産は3,858件で、2年ぶりに前年同期比で減少、過去30年間で最少となった。新型コロナの影響で倒産の増加が懸念されたが、各種支援策が奏功し倒産は抑制された。ただ、コロナ感染拡大の影響が直撃した飲食業、宿泊業を中心に、サービス業は倒産が増加した。一方で、「巣ごもり需要」で飲食料品小売業の倒産は減少し、医療、福祉事業の倒産も減少した。

 「赤字累積」、「販売不振」、「売掛金等回収難」を併せた「不況型倒産」は、年度上半期では11年連続で80%を超えた。コロナの影響で「販売不振」が全体の74%を占め、これまでの景気動向による傾向とは少し異なる。また、中小企業の多くが先送りしてきた後継者問題がコロナで表面化し、後継者難による倒産も増加した。ただ、支援効果で「運転資金の欠乏」による倒産は減少した。
 コロナ禍では清算型の倒産が増加し、再建型が減少している。特に、負債1億円未満、従業員5人未満の企業では破産が多い。

 コロナ関連倒産は483件にのぼり、9月に入り再び増勢をみせている。支援効果が一巡する時期であり、「GO TO トラベル」、「GO TO イート」など新たな支援策も動き出したが、売上が戻るにはまだまだ時間が必要だろう。  多くの中小企業はもともと1.7~1.8カ月分の手元資金しかない。売上減少を支援策でしのいだ企業では、過剰債務に陥っているところも少なくない。過剰債務をどう解消するか、年末に向け追加の資金調達をどうするかなど、資金繰り支援は新たな局面へ突入している。資金供給を続けるのか、M&Aなどを勧めるのか、支援の種類も課題となっている。
 TSRが全国の企業を対象に8月から9月にかけて行ったアンケートでは、中小企業の「廃業検討率」は8.8%にのぼり、先行きを厳しく見ている企業は相当多い。支援策で最も利用されている雇用調整助成金は、12月まで期限が延長されたが、今後さらに延長すべきか、必要としている企業の割合はどれくらいかなど、検証すべき時期に来ている。
 テナントとの契約解除の際、コロナ禍で平時と同様の告知期間を設けた場合、家賃が支払えず破産を申請するケースもある。家賃支援給付金は迅速に給付される必要がある。

 全体では倒産は落ち着いているが、零細企業では倒産や廃業が増えている。倒産がより規模の大きい企業にも広がり、増勢をたどる可能性が高まるなかで、次の支援の一手をどうするかが重要になっている。

東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2020年10月14日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

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