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ふるさと納税返礼品「おせち」未発送の小野瀬グループ、2014年頃から借入返済が困難に

 茨城県筑西市や古河市などのふるさと納税返礼品「おせち料理」を手がけていた小野瀬水産(株)(TSR企業コード:280219938、筑西市)と、関連の(株)小野瀬フーズ(TSR企業コード:280249950、同所)が、2014年頃から借入金の返済が困難な状況に陥っていたことが東京商工リサーチ(TSR)の取材でわかった。

 小野瀬グループを巡っては、筑西市や古河市から請け負っていた2020年元旦の「おせち料理」の製造が間に合わず、350件を超える「おせち料理」が予定通り発送されなかった。これを受け、各市が対応に追われる事態へ発展。1月7日には、グループ2社ともに東京地裁から破産開始決定を受けていた。
 TSRが独自入手した2社の「破産申立書」によると、「小野瀬グループは2014年頃から景況感の悪化から銀行への元金返済が困難な状態になっていた」。このため、2018年5月に茨城県中小企業再生支援協議会(支援協)に相談を申し込み、支援協が関与する形で金融機関向けの説明会を2018年9月、12月に開催。翌年2月に金融機関との間で再生計画が合意に達し、計画達成に向けて主力である「おせち」の受注獲得にまい進していた。
 しかし、人手不足や食材の不備、代表親族の死去などが重なり、出荷がピークを迎える2020年元旦分の製造が間に合わなかった。

 ふるさと納税制度を所管する総務省の担当者は、「委託業者の選定方法について、法律上の規定や(総務省からの)提示はない。返礼はあくまでお礼の気持ちが大事であり、返礼品を必ずしも推奨しているわけではない。(返礼品委託)業者の分を超えた受け入れを薦めているものでもない」と語る。
 ある自治体の担当者は、「委託業者の選定にあたり、特に審査はしていない。今後は業務履行が可能かを事業者にしっかり確認したい」と話す。複数の自治体に取材すると、市税の滞納状況を選定に生かしているケースはあるが、金融機関や取引先への支払い遅延などは加味できていないようだ。「地域を応援する立場なので、突っ込んだ審査は…」との声も聞こえてくる。

 小野瀬グループ2社の破産申立書には、「再生計画の数値目標を達成すべく、例年より多くの“おせち”の製造受注を獲得した。(中略)販売による潤沢な資金を1月・2月末に確保し、年間の資金繰りを行うという営業を続けてきた」と記載されている。
 総務省の思惑をよそに、ふるさと納税は今や一大ビジネスだ。ふるさと返礼品「特需」が企業再建の拠り所になっているとすれば、納税者は知らずにリスキーな賭けを背負うことにもなりかねない。



(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2020年3月24日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

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