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児玉化学工業が事業再生ADRの申請を公表、投資ファンドの下で再建へ

 化学品製造の児玉化学工業(株)(TSR企業コード:290051312、東証2部、以下児玉化学)は2月14日、2020年3月期第3四半期(4‐12月)の決算を発表。同時に、事業再生ADR手続の申請とスポンサー支援の合意書締結を公表した。


 児玉化学のリリースによると、1月8日に事業再生実務家協会(JATP)に対し、事業再生ADRを申請。すでに1月27日と2月3日に第1回債権者会議を開催し、金融機関への概要説明などを実施した。今後は3月4日の第2回債権者会議(協議)、4月14日の第3回債権者会議(決議)を通じ、すべての取引金融機関の合意による事業再生ADRの成立を目指す。
 併せて発表したスポンサー支援の内容は、投資ファンド運営のエンデバー・ユナイテッド(株)(TSR企業コード:300145713、以下EU社)が組成する投資事業組合との間でスポンサー支援による合意書を締結。6月末を目途にスポンサー支援を実行するほか、EU社から金融支援、人的支援、ノウハウの提供などを通じて業績改善をサポートする予定だ。
 EU社は和製投資ファンドのパイオニアとして知られるフェニックス・キャピタル(株)(TSR企業コード:294504796)グループの1社。フェニックスグループは「日本リバイバル・ファンド」シリーズなど約50社の投資実績を誇り、国内有数の投資ファンドとして知られる。
 児玉化学の担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「事業再生ADR手続の対象となるのは、取引金融機関9行に対する金融債務約80億円。スポンサー支援に関する詳細については現在、協議中で詳細は決定次第開示する」とコメントした。

 児玉化学の2020年3月期第3四半期決算は、連結ベースで売上高が134億2,500万円(前年同期比▲5.4%)。利益は、事業構造改革などに伴う特別損失を計上し、2億6,400万円の四半期純損失を計上した。
 連結ベースでの自己資本比率は0.8%まで低下し、単体では債務超過に陥っているとして「継続企業の前提に関する注記(GC注記)」を記載した。
 児玉化学は2019年2月に筆頭株主の三菱ケミカル(株)(TSR企業コード:291021336)からの出資比率が引き下げられ、三菱ケミカルの100%親会社(株)三菱ケミカルホールディングス(TSR企業コード:296272507、東証1部)の持分法適用会社から外れていた。
 その後も、三菱ケミカルの出資比率は下がり、2020年1月30日時点で4.21%まで減少している。今後の児玉化学の資本構成はスポンサーとの協議次第で流動的だが、事業再生ADRの成立を前提に投資ファンド主導の下での再建に取り組むことになる。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2020年2月21日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

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