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民事再生のエル・エム・エス、債権者説明会を開催

 11月19日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した(株)エル・エム・エス(TSR企業コード:292272499、文京区、朝比奈幸一郎社長)は25日、都内で債権者説明会を開催した。朝比奈社長のほか、申請代理人の松田耕治弁護士(シティユーワ法律事務所)、保全管理人の長島良成弁護士(長島良成法律事務所)らが出席。約400人の債権者が参加した。
朝比奈社長が債権者へ謝罪を述べた後、申請代理人から民事再生申請に至った経緯の説明があった。また、保全管理人からは今後の手続きが説明された。

「保全管理人」について

 11月19日午前10時に東京地裁に民事再生法を申請した。当日は物流に支障があったものの、20日以降は従前通りの営業を継続している。
申請と同時に、裁判所から弁済禁止等の保全命令と保全管理命令が出ている。保全管理命令は、保全管理人が選任される。保全管理人は、代表取締役に代わって会社の経営権、業務執行権など、財産の管理処分権を専属的に有する。今後の業務、運営、経営は保全管理人が裁判所の監督のもとで行う。いわゆる、管理型の手続きを裁判所が職権で選択した。
申請代理人らが申請前に事前相談した際に、会社の実情を説明して裁判所が判断した。

民事再生法申請に至った経緯

 5-6年前から業況が悪化していた。輸入品を多く扱っているため円安で減益傾向にあった。売上高(年間)はこの4年間は約120億円と横ばいで推移しているが、粗利率は4年前15%あったが、直近では13%と2ポイント低下。年間1億円以上の減益となっている。 また、主力製品の販売低下、人員増による固定費の増加で減益となった。
さらに支援先にかなりの資金が流出した。10年来のことで正確なことは幹部社員でもわからないが、50社前後、少なくとも30-40社に総額15億円が流出した。ただ、実態はもっとあると思う。売掛金と短期貸付金で約27億円が毀損している。この大部分が支援先への支援(キャッシュ・アウト)だ。
社長が経営判断として、得意先などに救済してきた膿がたまってきた。社長のガバナンスの欠如、社内でのコンプライアンスの意識が希薄だった。利益が出た時代は支援をしてもそれなりに回っていったが、支援を続けているうちに自分たちが減益傾向、あるいは利益が出ない状態になったにもかかわらず、資金支援をやめなかった。
直接の原因は、ここ1年前後で資金繰りが回らなくなったこと。そのため、メインバンクがある時期から「問題がある」と見ていた。支援で金が流れているのではないか、だから行き詰ってきているのではないかということで、東京都の支援協議会に再建を相談に行った。支援協議会を通じて金融機関の債務だけを対象にした、支援協議会スキームによる再建、私的整理手続きを相談した。銀行が主導した私的整理手続きで、2019年7月から元本の支払いを停止し、金利だけ払っていた。
7月当時で借入金28億円、手形割引20億円あった。借入金28億円の返済が苦しくなってきた。
ちょうどそのころに会社から(申請代理人が)相談を受け、会社の再建を手伝うようになった。支援協議会が二次対応(正式受理)し、金融機関に対してバンクミーティングを開いて手続きに入ったのが9月27日。この時に全16行の金融機関が集まり、元本停止と会社実態を調べるため支援協議会が推薦する公認会計士が入り、会社の実態の調査を始めた。
月10億円くらいの売上があり、その2/3が手形入金(月に6-7億円)。これを割引いていたが、支援協議会が入ったことで、金融機関で割引ができなくなった。9月と10月は手形割引会社に割引を依頼。手形を割引ながら金融機関の債務処理をどうするか半年くらいかけて行うことになった。
公認会計士の調査、金融機関が本格的に手形の銘柄等を調査する中で、問題が発生した。それが支援先の問題だった。月10億円の売上のうち、一定部分は、正常な商取引ではなく、おかしなところがあった。典型例は、取引先に手形を振り出してもらい、それを割引いた。決済資金を当社が貸し、手形を決済していた。手形のうち、どこまでが正常の商取引の手形なのか、支援先が振り出した間違いなく落ちる手形なのか、約1カ月では調べきれない事態となった。10月末の決済はノンバンクに手形割引を依頼して乗り切ったが、ノンバンクが調査した結果、不透明な手形が入っていることが判明した。このまま手形割引を続けてもいずれ資金ショートする恐れが強くなった。その他の手形の割引に奔走するほか、スポンサーを探したが、11月12日の段階で確定的なスポンサーは現れず、(手形決済の)20日に向けての資金手当てもできず、11月13日に法的手続きを決断した。
当社の売掛金と短期貸付金に毀損があり、最終的には債務超過にあるということは11月上旬に結論が出ていた。売上のうち、回収できない先に売っているものがある。

再建の可能性

 当社は非常に良い商材を扱っていて、得意先・仕入先もいいところがある。一番の問題は社長の経営判断。支援先に温情をかけて、ここ十数年資金が流出した。支援をやめれば立ち直る。実際、10月から支援を止めている。10月末に支援先2社が不渡りを出している。11月もおそらく2-3社不渡りが出る。今後も不渡りが出ると思う。
破産した場合の予想弁済率は9月20日現在の資料で14.3%。今後、正確な予想弁済率が管財人から提示される予定。

エル・エム・エスの入居するビル

エル・エム・エスの入居するビル

今後について

 回収は手形が約6割なので、金融機関で手形割引枠を確保している。スポンサーについては、既にFA(ファイナンシャル・アドバイザー)を入れている。スポンサー候補として数社から打診がきている。収益弁済(自力弁済)と、スポンサーによる再建の両方で進める。極めて稀な管理型の民事再生法のため、通常のタイムスケジュールよりも長くなる可能性もある。少額債権の弁済については、資金繰りを見ながら決定したい。今のところ実施する予定にある。

主な質疑応答

Q.支援先(30-50社)を開示してもらえるのか?
A.個別開示は控える。支援先が自力で資金調達を行っていく会社もあるため。

Q.支援先から回収する予定はあるのか?
A.請求行為は行う。既に不渡りを出しているところは検討対象となるが、回収も行う。ただ、破産処理にするという先もある。

Q.売掛金・短期貸付金は支援先(に対する)のものなのか?(支援は)単年なのか?
A.支援先へのもの。(支援は)10年より長い。

Q.帳簿上だけの取引、架空取引はあったのか?
A.ない。

Q.親会社である(株)アサヒナ(TSR企業コード:402323920)への影響は?
A.回答は控える。想像にまかせるが、何らかの処理はしないといけない。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年11月27日号掲載予定「WeeklyTopcs」を再編集)

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