• TSRデータインサイト

「SIXPAD」のMTG 韓国子会社の問題で決算発表を延期、通期業績は267億円の赤字へ

 トレーニングギアの「SIXPAD(シックスパッド)」や美容機器の「ReFa(リファ)」などを展開する(株)MTG(TSR企業コード:401117464、名古屋市中村区、マザーズ)は11月19日、2019年9月期の業績予想(連結)を下方修正した。
MTGは、度重なる不祥事で同期の決算短信の発表を延期している。
決算発表の延期理由に「会計監査人に対する韓国の取引先の在庫状況に関する通報」の影響は含まれておらず、先行きは不透明感を増している。

今回、公表した業績予想は売上高360億円(前回発表から35億円の悪化)、営業利益149億円の赤字(同74億円の悪化)、当期純利益267億円の赤字(同182億円の悪化)で、7月に下方修正した予想値をさらに引き下げた。
中国の販売減速と韓国の不買運動の影響を受け、売上高が落ち込んだ。損益は、ReFaブランドを中心に、在庫の収益性が認められず棚卸資産評価損45億5,100万円を売上原価に計上。特別損失で87億5,900万円の減損損失の計上、繰延税金資産の取崩しなどが響いた。
同社は11月15日、2019年9月期決算短信の発表を延期し、同月19日に延期理由の詳細を公表している。リリースによると、10月8日に会計監査人から「連結子会社MTG KOREA CO.,Ltd(2019年9月期売上高見込み16億100万円)の取引先の在庫状況に関する通報があった」としている。MTGは、上記調査が継続中のため、決算短信の発表を延期。今回の下方修正には、通報の影響を含んでいない。東京商工リサーチの取材にMTGの担当者は、調査結果による追加の下方修正の可能性を「ゼロではない」とコメントした。

MTGは今年5月、連結子会社のMTG上海で不適切な会計処理が発覚。9月、東証に改善報告書を提出し、「適切な会計処理を行うための仕組み強化」などの再発防止策を公表していた。
2019年9月期第3四半期時点の純資産(連結)は484億5,400万円、総資産641億8,700万円、現預残高は240億9,400万円。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

不動産業から見た全国の「活気のある街」 活性度トップは東京都中央区、福岡など地方都市も健闘

東京商工リサーチが保有する企業データベースや行政の発表する統計資料から6つの項目に基づいて、エリア別の不動産業「活性度ポイント」を算出した。その結果、再び都心回帰の動きが出てきた一方で、地方の穴場でも活性化に向かう地域があることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

3

  • TSRデータインサイト

ミュゼ破産で浮き彫り、勝者なき脱毛サロンの消耗戦 ~ 整備されぬ「利用者・従業員保護の枠組み」 ~

脱毛サロン最大手の「ミュゼプラチナム」を運営していたMPH(株)が8月18日、東京地裁から破産開始決定を受けた。MPHの破産は負債総額約260億円、被害者(契約者)は120万人を超え、社会問題化している。

4

  • TSRデータインサイト

破産開始決定のMPH、「抗告など対抗せず」

8月18日に東京地裁より破産開始決定を受けたMPH(株)(TSRコード:036547190)の幹部は20日、東京商工リサーチの取材に応じ、「破産開始決定に対しての抗告などはしない予定」とコメントした。

5

  • TSRデータインサイト

『生成AI』 活用は企業の25%にとどまる  「業務効率化」が9割超、専門人材不足がネック

幅広いビジネスシーンで注目される生成AIだが、その活用を推進している企業は25.2%(6,645社中、1,679社)にとどまることがわかった。

TOPへ