• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

焼肉と寿司の食べ放題「すたみな太郎」の(株)江戸一、株主が再び変更

バイキングレストラン「すたみな太郎」を展開する(株)江戸一(TSR企業コード:300608039、足立区)の株主が変更したことがわかった。
江戸一は投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループ(株)(TSR企業コード:296134120、千代田区、以下ポラリス)の傘下で経営再建に取り組んでいたが、7月31日付でポラリスから派遣されていた社外監査役2名を含む4名の役員が退任。新たにパチンコホール経営会社から役員3名が就任した。2018年9月に代表取締役社長に就任したばかりの都村毅社長は留任した。

江戸一はロードサイドなどで寿司と焼肉の食べ放題バイキングスタイルで急成長し、全国に150店舗以上を展開していた。
しかし、同業との競合激化などから業績が伸び悩み、2014年8月にポラリス傘下のファンドが旧:江戸一を吸収合併するかたちで新:江戸一である当社を設立。以来、ポラリス主導で経営再建に取り組んできた。
だが、その後も業績は軟調に推移し、2019年3月期は売上高約200億円に対し、4億8,700万円の最終赤字を計上。5期連続の赤字で自己資本比率は8.9%と10%を割り込んだ。
業績改善が遅れ、江戸一に対するポラリスの再建方針に注目が集まるなか、ポラリスは8月上旬、ホームページ上で江戸一からのイグジット(投資の回収)を明らかにした。
これによると2019年7月をもってキャピタルソリューション(株)(TSR企業コード:297271393、千代田区、以下キャピタル社)に全保有株式を売却した。キャピタル社は経営コンサル大手の山田コンサルティンググループ(株)(TSR企業コード:293181233、千代田区、東証1部)の100%子会社で投資、ファンド事業を手掛けている。

すたみな太郎の店舗(埼玉県内)

すたみな太郎の店舗(埼玉県内)

都内のパチンコホール経営会社の傘下へ

 一方、7月31日付で江戸一の役員には、パチンコホール経営(株)ダイエー(TSR企業コード:152040684、東京都中央区)の社長以下、2名の役員が就任した。ダイエーは2007年4月、負債636億円を抱え東京地裁に民事再生法を申請。その後、再建に取り組み、2011年1月に民事再生手続が終結した。東北から北関東を中心に、32店舗を展開している。
関係先によると、江戸一の全株式はキャピタル社を経由し、ダイエーのグループ会社で投資や資産管理などを担当する会社に売却、事実上ダイエー傘下に入った。

江戸一は現在、個別に主要取引先などへ説明にまわっている。江戸一の担当者は、東京商工リサーチの取材に、「ポラリスからダイエーにオーナーチェンジしたことは事実だが、対外的なアナウンスは検討中で、現状は詳細を公開できない。現時点で営業面や今後の事業展開などに大きな変更はない」とコメント。
ポラリスが江戸一の再建に着手して5年。ようやくイグジットを迎えたが、江戸一は未だ最終赤字を脱していない。再建は道半ばで異業種のダイエーに後事を託される格好となった。経営権の変更が成功に導くのか、ダイエーの手腕が問われる。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年8月27日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

賃金上昇、従業員退職による倒産が過去最多 8月の「人手不足」倒産 8月では最多の32件

2026年8月の「人手不足」倒産は、32件(前年同月比39.1%増)だった。8月としては、前年の23件を大幅に上回り、最多を更新した。1-8月は333件(前年同期比38.7%増)で、年間最多ペースが続く。

2

  • TSRデータインサイト

出版業の倒産急増、利益も悪化傾向 ~ 存続に向けた書店との直取引、目指す姿と課題 ~

電子書籍が普及するなか、紙の書籍を主体に手掛ける老舗出版社を中心に、「出版業」の倒産(負債1,000万円以上)が急増している。 2026年1-7月の「出版業」の倒産は21件(前年同期比90.9%増)で、2019年同期の21件以来7年ぶりに20件を超えた。

3

  • TSRデータインサイト

「フィットネスクラブ」の倒産が過去最多を更新へ 1-8月は26件、市場拡大もレッドオーシャンの兆し

拡大するフィットネス市場で、「フィットネスクラブ」の倒産が急増している。2026年1-8月は26件(前年同期比160.0%増)と前年同期の2.6倍に達し、2023年同期の16件を抜いて過去最多を更新した。 現在のペースで推移すると、2026年は年間最多の2023年の27件を上回り、40件台も視野に入ってきた。

4

  • TSRデータインサイト

泥臭い再生支援と粉飾決算、銀行員の「違和感」~ 「実務家座談会」を開催(後編)~

(後編)事業再生に携わる金融機関は企業にどう向き合うのか。東京商工リサーチ(TSR)は、事業再生に携わる金融機関の担当者に、取り組みの現状や事例、特色、留意点などを聞いた。

5

  • TSRデータインサイト

「半導体関連メーカー」生成AI普及で業績好調 売上トップはキオクシア、TSMC日本子会社は売上高約143倍

生成AIの普及やデータセンター向け需要拡大で、国内の主要半導体関連メーカーの業績が好調だ。東京商工リサーチ(TSR)の企業データベース(約440万社)から、全国の主な半導体関連メーカー154社の2025年度業績を分析した。

TOPへ