• TSRデータインサイト

広島の大手書店のフタバ図書、「システムトラブルで一部店舗に本の入荷遅れ」

 広島県を中心に60店舗以上を展開する大手書店の(株)フタバ図書(TSR企業コード:740122053、広島市西区)は6月6日、自社のホームページで「システム障害」が発生していることを発表した。
 システム障害により一部の店舗で雑誌や書籍の入荷が遅延しているという。また、店頭での予約や注文、買い取りなどの受付を一時停止している。復旧次第、順次再開するとしている。

  東京商工リサーチ(TSR)の調査では、6月5日に広島県内のフタバ図書の一部店舗において、「本のご予約・ご注文 受付中止のお知らせ」が掲げられていたことを確認している。また同日、埼玉県内の店舗にも、「物流システムのトラブルにより未入荷が発生するなど、全店的に入荷が不安定な状態となっています。復旧には1週間程度かかる見込み」との案内が張り出されていた。
 顧客や取引先に困惑が広がっている。フタバ図書はTSRの取材に対し、「担当者が終日外出しており、対応できない」と回答した。

  新刊コミックを注文した顧客は、「(6月5日にフタバ図書の)ネットサイトで購入しようとしたが、在庫がなかったので注文になった。フタバブックスのオンラインショップにはシステムトラブルの案内はない。注文完了と表示してあるので、すぐに届くだろう」と語った。しかしその後、オンラインショップも6月7日付で、「システム障害」を公表した。
 老舗書店で発生した「前代未聞」の入荷遅れ。地元の本屋さんだからこそ、丁寧な説明が求められる。

フタバ図書の店舗

フタバ図書の店舗

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年3月期決算(6月20日時点) 役員報酬1億円以上の開示は117社・344人

2025年3月期決算の上場企業の株主総会開催が本番を迎えた。6月20日までに2025年3月期の有価証券報告書を510社が提出し、このうち、役員報酬1億円以上の開示は117社で、約5社に1社だった。

2

  • TSRデータインサイト

「想定為替レート」 平均1ドル=141.6円 前期比1.9円円高を想定、4期ぶり円安にブレーキ

主な株式上場メーカー98社の2025年度決算(2026年3月期)の期首ドル想定為替レートは、1ドル=140円が48社(構成比48.9%)と約5割にのぼった。平均値は1ドル=141.6円で、前期に比べ1.9円の円高となった。

3

  • TSRデータインサイト

代金トラブル相次ぐ、中古車販売店の倒産が急増

マイカーを売却したのに入金前に売却先の業者が破たん――。こうしたトラブルが後を絶たない。背景には、中古車価格の上昇や“玉不足”で経営不振に陥った中古車販売店の増加がある。倒産も2025年1-5月までに48件に達し、上半期では過去10年間で最多ペースをたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

日産自動車の役員報酬1億円以上開示は5人 内田前社長の報酬額は3億9,000万円

 経営再建中の日産自動車が、2025年3月期決算の有価証券報告書を提出した。報酬額1億円以上の個別開示の人数は5人で、前年と同数だった。

5

  • TSRデータインサイト

2024年上場企業の「個人情報漏えい・紛失」事故 過去最多の189件、漏えい情報は1,586万人分

2024年に上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事故は、189件(前年比8.0%増)で、漏えいした個人情報は1,586万5,611人分(同61.2%減)だった。 事故件数は調査を開始した2012年以降、2021年から4年連続で最多を更新した。

TOPへ