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国内銀行111行(2018年9月中間期決算)「地方公共団体・中小企業等向け貸出金残高」調査

 国内銀行111行の2018年9月中間期の総貸出金残高は457兆8,820億円(前年同期比4.2%増)で、2012年9月中間期から7年連続で増加した。このうち、地方公共団体(以下、地公体)向けは30兆2,994億円(前年同期比3.1%増)で8年連続で増加、中小企業等向けも315兆5,535億円(同3.4%増)で7年連続で増加した。
ただ、貸出金の伸び率は地公体向けが前年同期(2.1%増)より1.0ポイントアップした一方、中小企業等向けは前年同期(3.8%増)より0.4ポイントダウンと好対照となった。
総貸出金残高に対し、地公体向け貸出金の構成比は6.61%(前年同期6.69%)で、調査を開始した2010年3月期以降、9月中間期では初めて前年同期を下回った。また、中小企業等向けの構成比は68.9%(同69.4%)で、9月中間期では2年ぶりに68%台に低下した。
金融機関は、貸家等の不動産や個人カードローンなど、金利が確保できる分野への貸出に注力してきたが、シェアハウスなどの不正融資問題で不動産貸出が停滞。低金利が長引く中で、中小企業の経営再建や休廃業、事業承継などへの支援も、今後の大きな課題に浮上している。

  • ※本調査は、国内銀行111行の2018年9月中間期決算の「地方公共団体向け」および「中小企業等向け」の貸出金残高を前年同期と比較し、分析した(りそな銀行、沖縄銀行は信託勘定を含む)。
  • ※「中小企業等」には、個人向け貸出金を含む。

地方公共団体向け貸出金 前年同期比3.1%増

 国内銀行111行の2018年9月中間期の地公体向け貸出金は30兆2,994億円(前年同期比3.1%増)で、調査を開始した2010年3月期以降、9月中間期としては8年連続で前年同期を上回った。 111行のうち、地公体向け貸出が前年を上回ったのは52行(構成比46.8%)で、前年同期(62行)より10行減少した。111行の総貸出金に占める地公体向けは、6.61%(前年同期比0.08ポイント低下)。調査を開始以来、9月中間期では初めて構成比が前年同期を下回った。
111行のうち、地公体向け貸出比率が前年同期を上回ったのは34行(構成比30.6%)にとどまり、前年同期(41行)より7行減少した。
地公体向け貸出比率の最高は、北都銀行の33.4%(前年同期32.4%)。2015年9月中間期以来、3年ぶりのトップとなった。次いで、青森銀行の32.1%(同34.1%)、親和銀行の29.3%(同15.6%)、北洋銀行の29.1%(同30.1%)、北越銀行の26.6%(同22.7%)の順。


銀行111行 貸出比率推移

中小企業等向け貸出金 前年同期比3.4%増

 国内銀行111行の2018年9月中間期の中小企業等向け貸出金残高は、315兆5,535億円(前年同期比3.4%増)だった。9月中間期では、2012年9月中間期から7年連続で前年同期を上回った。
総貸出金のうち、中小企業等向けの構成比は68.9%(前年同期69.4%)で、2016年9月中間期(68.1%)以来、2年ぶりに68%台に低下した。111行のうち、前年同期より中小企業等向け貸出が伸びたのは101行(構成比90.9%)で、前年同期(104行)より3行減少。内訳は、大手行が6行(前年同期7行)、地方銀行が59行(同62行)、第二地銀が36行(同35行)。
中小企業等向け貸出金の伸び率では、島根銀行が前年同期比12.4%増でトップ。同行の中小企業等向け貸金は2,109億円で、貸出金に占める構成比は72.9%と前年同期より1.0ポイント上昇。
以下、西京銀行の同11.7%増、徳島銀行の同10.0%増、山梨中央銀行の同9.47%増、百五銀行の同9.42%増と続く。上位10行は、地方銀行と第二地銀が各4行、大手行が2行だった。
中小企業等向け貸出比率のトップは、スルガ銀行の96.8%(前年同期96.7%)で、9年連続でトップ。次いで、大正銀行94.6%(同93.5%)、関西アーバン銀行94.0%(同93.4%)、南日本銀行93.6%(同93.8%)、静岡中央銀行93.0%(同92.8%)の順。上位10行のうち、第二地銀が8行を占めた。


 国内銀行111行の2018年9月中間期の地公体向け貸出金は、地方銀行と第二地銀が伸ばし、中小企業等向け貸出金は全業態で前年同期を上回った。ただ、中小企業等向け貸出はシェアハウス等の投資不動産向け貸出で不祥事が発生、不動産貸出が厳しくなり伸び率は前年同期を下回った。
金融機関は、企業の「事業性評価」に基づく貸出に注力し始めている。リスケなどの金融支援に頼る中小企業は少なくないが、金融マニュアルが3月で廃止になったことから、これまでのリスケ対応に変化が出てくる可能性も出てきた。
今後、中小企業向け貸出については、事業改善の実現を金融機関が独自に判断し、貸出を決めていくことになるだろう。金融機関は低金利競争で収益環境が厳しいだけに、企業の支援や資金需要にどこまで対応できるか、金融機関もまた生き残りをかけた取り組みを避けて通れない。

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