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RIZAPグループ 瀬戸健社長、独占インタビュー(後編)~「皆さんが思っているほどがっついていない」~

-元カルビー会長兼CEO、松本晃氏が6月にCOOに就任しました
企業経営に肝心なのは守りと攻めのバランス。M&Aも自社をしっかりまとめ、業績をあげた上でようやくできることです。足元がグラついていたら次のステップに進めません。松本さんには 足場固めという意味で、グループ内でぶつかり合う個性をしっかりまとめてもらおうと思い、お声掛けしました。
個性豊かな社長ばかりなので、方針や意見をまとめるのは一苦労です。松本さんのような企業運営のエキスパートを迎えることで、新しい声をさらに吸収しやすい環境になれば、と。グループ内で新たな事業、シナジーをどれだけ生み出せるか、松本さんはRIZAPにとって、すでに意思決定に欠かせない存在となっています。

株主総会(6月)後の座談会で

株主総会(6月)後の座談会で

2年以内に米国進出を予定

-海外展開については
 すでに上海、香港、シンガポールにRIZAPを出店しています。「RIZAP GOLF」も近々台湾に出店予定です。海外事業は2018年3月期決算で初めて黒字に乗りました。今、アジア地域での手ごたえを強く感じているところです。また、欧米への進出準備も着々と進んでいます。手始めとして今後2年以内の米国進出を予定しています。

-米国でも日本式のRIZAPジムを展開するのでしょうか
 まずは市場調査の意味でRIZAPを出店します。日本で展開しているRIZAPジムには一切こだわっていません。海外店舗はあくまで顧客ニーズに合わせて柔軟にアップデートしていきます。これまで、日本のサービス系企業で日本式をそのまま欧米に持って行き成功した例も聞かないですしね。従来式にこだわると、現地で浸透するものも浸透しません。今、アジアで展開しているジムもトップ人事からすべてローカルで賄ない、迅速にニーズを汲んで運営しています。サービス業は第一に人。その土地の風土や生活様式を知っている人でないと経営するのは困難です。今後もその方針は変わりません。

-健康、美容、アパレル、出版、小売とあらゆる業種を傘下に収めています
 単純に企業を買収しグループを拡大していると思われている向きもありますけど、(きちんと)業容を精査し、グループ間のシナジーを考慮してやっているんですよ。現在、グループ店舗数は1,000店ほど。商品の共同購買や店舗統合などでコストを削減できています。念頭に置いているのは雇用を守り抜く、ということ。これだけたくさんグループ会社があると、人が足りない店舗がある一方で、余剰気味の店舗もしばしばみられます。そういう時は(人の足りない店舗、会社に)出向してもらっています。人手不足の解消と人的資源の交流双方を図った取り組みになります。

「医療」に注目

-今後グループでどんな企業を必要としますか
 病院等の医療分野を注目、検討しています。医療、ヘルスケアは直近、グループで最も力を入れているテーマです。単に生きる、死ぬ、治療するではなく、予防を含めて健康寿命を延ばす取り組みを進めます。実際に、今年から長野県伊那市で成果報酬型のシニア健康増進プログラムを始めました。健康体操を定期的に取り入れ、体力年齢が10歳以上若返った参加者も相当数おり、効果は確実に出ています。高齢者の医療費を削減できれば、その分、各自治体で健康増進に充てられる予算も増えるはずです。

単独取材に応じる瀬戸社長

単独取材に応じる瀬戸社長

-松本氏のCOOへの就任も医療進出を見据えてのことでしょうか
 ヘルスケアはずっとやりたかったんですが、専門性が必要でこれまで手を出せない領域でした。この時期にジョンソン・エンド・ジョンソンの社長だった松本さんの見識が必要でした。

-医療機関のM&Aの時期は
 まだ決まっていません。M&Aも相手あってのことですし。湘南ベルマーレも1年ぐらい進展がなかったんです。うちは、皆さんが思っているほどがっついていないですよ(笑)。

-株主総会で東証1部への早期上場を望む声がとても多かったのが印象的でした
 本来なら昨年ぐらいに上場したかったんですけど、会社は成長しており、M&Aでどんどん広がっています。そうなると審査にも時間を要し、確認事項が増える。こればっかりは。株主の皆様にはもう少しお待ちいただければと思います。

 設立から15年の短期間で約80社を傘下に収めたRIZAPグループ(株)(TSR企業コード:295695790、新宿区)。
 6月にはカルビー元会長兼CEOを勇退した松本晃氏を代表取締役COOで招聘した。足場固めも進めている一方で、インタビュー中、「ライバルと考える企業はとくにない」と断言した瀬戸社長。現状に満足せず海外や医療分野への進出にも夢を描く。
 しかし、2018年3月期で78億2000万円に達する「のれん」、変動が大きいキャッシュフローなど、克服すべき課題も抱えている。
今後、RIZAPグループがどうシナジー効果を生み出し、成長をたどるのか。勢いから脱皮する次の一手が注目される。


RIZAP グループ主要企業


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年8月21日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

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