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RIZAPグループ 瀬戸健社長、独占インタビュー(前編)~「やめなくちゃいけない事をやめる」~

「結果にコミットする」

 タレントの佐藤仁美さん、梅沢富美男さんなど、話題のタレントが劇的に痩せるビフォーアフターのテレビコマーシャルで有名になったRIZAP(株)(TSR企業コード:298390418、新宿区)。美容関連の企業にみえるが、実はコングロマリット(複合)企業でもある。
 グループを束ねるRIZAPグループ(株)(TSR企業コード:295695790、新宿区)は約80社を傘下に置いている。最近もアパレル販売の(株)ジーンズメイト(TSR企業コード:710101767、渋谷区)や、フリーペーパー発行の(株)サンケイリビング新聞社(企業コード:292090382、千代田区)、サッカーチームを運営する(株)湘南ベルマーレ(企業コード:360399738、平塚市)など、次々とM&Aでグループ化してきた。
 買収した企業の大半は業績不振。だが、1年あまりで赤字削減や黒字化を実現している。東京商工リサーチ(TSR)は、RIZAPグループの瀬戸健社長に事業多角化や今後のグループ展開について話を聞いた。

上場後、売上高が10分の1に

-早いペースでの買収が注目されています
 (2006年5月の)上場当時の売上高は24億円、主力は「豆乳クッキーダイエット」で、売上高の98%を占めていました。主力商品1本の場合は選択と集中をすれば成長性はありますが、何かあったときは危ない。この時からM&Aを始めました。
 翌年はクッキーだけで売上高100億円を達成し、次は300億円を目指そうとしました。ところが、「ビリーズブートキャンプ」や「おからクッキー」が流行り、売上高が一気に10億円、10分の1に。しかし、すでに3~4社をM&Aしており、それらの会社が助けてくれた。これまで赤字決算はその年の1回だけです。
 攻めているように見えますが、“一本足打法”を守ってくれたのがM&Aをした企業でした。メイン事業にしがみつく“一本足打法”は、それなりのリスクも伴う。レピュテーション(評判、風評)リスクを回避できず、会社自体が消滅する可能性もあります。RIZAPグループは、ひたすら攻めているように思われがちですが、実際はM&Aで企業、雇用を守るという意味もあります。


グループ売上高推移


「新陳代謝できていない会社が多い」

-買収会社のブランドイメージ維持は
 ケースバイケースですね。各社のトップに任せています。M&Aをすると新陳代謝のできていない会社が非常に多くみられます。そういった意味で、今、お客様に求められている事業モデルに変えていく。再生中の会社は中身を入れ替える。例えば、ジーンズメイト。ロゴや内装を変え、女性向け商品の扱いを増やし、だいぶ変わりました。女性の来客率40パーセントを超える店舗も出ており、足元は絶好調。

-改善する要因で重要視することは
 社内に答えがあります。やれば良いのにやっていなかった事をまずやる。やめなくちゃいけない事をやめる。単純にそういう事。答えは目の前にけっこうあるんですよ。

-具体的にはどんなことがあげられますか
 店頭で5年間、1個も売れない時計が置いてある。なぜ置いているのか尋ねると「前から置いていたから」。こんな答えしか出てこない。現場に答えがあるんです。
 よくコンサルタントの話を聞くと社員は「そんなの前から知っている」と。RIZAPの低糖質、食事といったら、みんなだいたい知っている。ですが実践することが大事で、やり切らせるのがRIZAP。世間話的に「こうしなくちゃいけないんだよね」と話すような事を5年も10年もやっている会社がある。それを改善し、やり切れるか。そこが重要です。


瀬戸健社長 RIZAPグループ提供 撮影:yOU

「事業ドメイン」と「バリューチェーン」

-買収会社を選ぶ基準はありますか
 自己投資のビジョンに合うか。世界トップの会社になるために、それをかなえるための事業ドメイン(領域)とバリューチェーン(価値の連鎖、「-分析」はどこで価値が創出されているのかに着目する)が必要。事業面と機能面、この2つの切り口が重要です。
-民事再生企業のスポンサーへの考えはありますか
 もちろん可能性はあります。これまでのしがらみとか、良くない習慣を断ち切れないとか、外の人を守って中の人を守れない事がある。自分で決断できない時もあり、その背中を押せることは我々の強みです。我々がある程度、悪者になって新陳代謝してもらう。その後、新しい価値を創造していかなくてはならない。価値創造は我々の強みでもあるので、連携していくことは可能です。

「膨張だけというわけにはいかない」

-買収した会社を売却する考えはありますか
 今までの実績を見てもらえれば、売った実績はほとんどありません。事業面でのシナジーがないと見えるかも知れませんが、買収段階でしっかり検討を重ねており、よほどな事がない限り売却はありません。
 選択と集中は考える。膨張だけというわけにはいかず、しっかり見直さなければなりません。シナジー効果が出なかったら、他の会社にサポートしてもらった方が幸せという可能性もある。そこはいつも頭に入れています。より伸ばしてくれる会社があれば検討するという考えはありますが、それは目的化していないんです。
 常に選択と集中は考え、設立15年で約80社のグループ会社がありますが、結果的に今は売却することはほぼありません。ただ、松本COOが就任したことだし、今後状況に応じ変化はあるかもしれません。



(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年8月20日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

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