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福岡市中央卸売市場を揺るがす福岡大同青果の“連続”架空取引

 福岡都市圏の約200万人の「食」を1社で担う福岡大同青果(株)(TSR企業コード:87 0011430、福岡県)に激震が走っている。
2018年に入り、課長代理(当時)が架空取引で8年間で約2億5,000万円を着服していたことが発覚した。だが、これだけではすまなかった。同時期に別の部署の部長も取引上の損失を隠すため、架空取引に手を染めていたこともわかったのだ。この前代未聞の架空取引の連鎖はどこに問題があったのか。

2016年2月、福岡市の「中央青果市場」、「西部市場」、「東部市場」の3市場が移転と同時に統合し、アイランドシティ(福岡市東区)に「福岡市中央卸売市場・青果市場」(以下、福岡市場)をオープンした。
敷地面積は約15万平方メートル。ヤフオクドーム2.2個分の広さだ。統合による効率化に加え、市場のブランド化や輸出など物流面の連携も期待されていた。

架空取引で揺れる福岡市場

架空取引で揺れる福岡市場

揺れる福岡市場

そこに降って湧いた今回の不祥事に、市場関係者だけでなく市民も驚きを隠さない。
今年3月、福岡大同青果は架空取引を行った担当者を懲戒解雇したが、それだけで済む話ではない。
福岡市場で卸売市場法により集荷や競りを許可されている卸売業者は福岡大同青果の1社しかない。青果市場の多くは卸売業者が複数あり、1社が信用不安に陥っても影響は比較的小さい。だが、福岡市場は1社に問題が起きると市場全体が機能不全に陥りかねない。

再発防止の徹底を危ぶむ声も

地元の生産者や出荷業者が福岡市の青果市場で販売するには、福岡大同青果を通す以外に選択肢がない。仲卸業者からは今回の不祥事で福岡市場の適正な商流が担保されているのか、疑問視する声が漏れてくる。
また、仲卸業者の1社は「福岡大同青果は、過去にもブロッコリー競りの偽装報告などで不祥事があった。当時も再発防止を掲げたはずだが不祥事の一掃に繋がらず、自浄能力があるとは思えない」と厳しく指摘している。
市場関係者の一人は、福岡大同青果の組織体制そのものに問題があると指摘する。福岡大同青果の株主構成は、自社持株会と役員で過半数を占め、外部の意見が反映されにくい。過去の不祥事で外部から役員を招聘したが、ガバナンス(企業統治)やコンプラ意識の徹底までに至らず、今回の職員の架空取引を防げなかった。
福岡大同青果は、不正取引を行った2人の告訴を検討している。真相究明は当然だ。福岡の食を揺るがす事態を招いた現実を直視し、組織見直しも避けられない。だが、一番必要なのは今後の対応を自ら決定する“責任感”だろう。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年6月7日号掲載予定「Weekly Topics情報」を再編集)


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