• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

「はれのひ」が着物の返還を終了、事件の真相はまだやぶの中

 今年1月8日の「成人の日」に事業を停止し、一生に一度の新成人の夢を奪った、はれのひ(株)(TSR企業コード:872372723、篠﨑洋一郎社長)が1月26日に横浜地裁から破産開始決定を受けてもうすぐ3カ月になる。
一切連絡を絶っていた篠﨑社長は1月26日に初めて会見に出席し、「保管していた着物や仮絵羽を順次お客様の手元に返していく」と話していた。

はれのひの篠﨑社長(1月26日)

はれのひの篠﨑社長(1月26日)

 4月16日、東京商工リサーチ(TSR)は、はれのひの破産管財人である増田尚弁護士(多摩川法律事務所)を取材した。破産管財人は、「お店で保管していた着物はほぼ返還が終わった」と安どの息をもらした。破産会見で示された資料には、「顧客の皆様の被害をできるだけ少なくする。早期返還を最優先にする」と記載されていたが、3カ月をかけおおむね約束は守られたことになる。
だが、仕立て中だった一部の着物は、購入者が残金を支払わないと手元に戻ってこない。成人式に出席する喜びに満ちて誂えた着物だ。機会を失し、残金を支払い手元に取り戻すのか。新成人の胸中をどんな思いが去来するか、篠﨑社長は自分の無責任さに思いを巡らすことはあるのだろうか。

会見で篠﨑社長が話していた個人破産について、破産管財人は「何も聞いていない」という。はれのひの破産申請代理人からは期日までにコメントが得られなかった。4月18日までの官報に篠﨑社長の破産開始決定は掲載されていない。篠﨑社長が破産を申し立てたか、真相はやぶの中だ。これは新成人が不安と絶望を感じたあの騒動の裏側で、何が起きたかをウヤムヤに終わらせることを意味する。
1月26日の会見で報道陣から捜査についての質問がおよぶと、篠﨑社長は「もちろん応じたい」と答えた。捜査機関が篠﨑氏など当時の関係者に事情聴取しているとの一部報道もある。破産管財人は「仮に捜査機関から協力要請があれば、積極的に協力していく」と明言した。
思い出を台なしにされた新成人が続出した大騒動から3カ月。時が過ぎても被害者の傷が癒えるはずもない。篠﨑社長の個人破産の行方、そして捜査当局の地道な動き。事件を忘れ去ってはいけない。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年4月19日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

 TSR情報とは

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

年度上半期の「人手不足」倒産 過去最多の240件 深刻な“賃上げ疲れ”、『賃上げ倒産』が1.7倍に増加

2026年度上半期(4-9月)の「人手不足」倒産は、240件(前年同期比17.0%増)と過去最多を記録した。コロナ禍の2021年度同期の26件を底に、5年連続で前年同期を上回った。調査を開始した2013年以降の年度上半期では、これまで最多だった前年同期(205件)を抜いて最多を更新した。

2

  • TSRデータインサイト

外国人「技能実習制度」認定取消しは累計754社 製造業と建設業で7割占める、ワーストは愛知県の46社

外国人技能実習制度で実習生を受け入れていた企業のうち、法令違反や不正などを理由に実習実施の認定取消処分を受ける企業が相次いでいる。 2017年11月の現行制度施行以降、累計754社にのぼり、2026年度も8月までに50社が公表され、前年度と同水準のペースで推移している。

3

  • TSRデータインサイト

再編が進むホームセンター、キーワードは「1兆円」 ~ 統合や提携、共同購買やPB商品の取り組み ~

ホームセンター業界で統合や提携で競争力を高める動きが加速している。店舗が増えながら1店舗の売上効率が低下する「オーバーストア」状態で、大手各社は次の一手を巡りしのぎを削っている。5期連続(最新期:2025年4月-2026年3月期)で決算比較が可能な48社を分析した

4

  • TSRデータインサイト

1-9月の上場企業「早期・希望退職募集」は22社 人数は5,345人、黒字企業が6割を超える

2026年1月-9月に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は22社(前年同期34社)、対象人数は5,345人(同1万1,909人)だった。社数は3割(35.2%)減少し、対象人数は半減(55.1%)した。

5

  • TSRデータインサイト

新型コロナ破たん、9月は133件発生

 9月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が133件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万4,700件に達した。2026年は3月に162件と3カ月ぶりの150件超えを記録。しかし、4月は一転して150件を下回り、5月は119件で、2021年1月以来の120件割れとなった。

TOPへ