• TSRデータインサイト

シェアハウスのスマートデイズ、オーナーへの融資「スルガ銀行以外に約10行」

 4月9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した(株)スマートデイズ(TSR企業コード:294730672)は14日、都内でオーナー向け説明会を開催した後、記者会見を開いた。
会見には赤間健太代表と菅澤聡前社長、民事再生の申請代理人である南賢一弁護士(西村あさひ法律事務所)らが出席した。

会見するスマートデイズ関係者(4月14日都内、左から菅澤前社長、赤間代表)

会見するスマートデイズ関係者(4月14日都内、左から菅澤前社長、赤間代表)

 冒頭、南弁護士は、スポンサーを決めてスマートデイズを再生させる意図はないとし、民事再生は入居者の生活を優先した緊急避難的な措置であることを改めて強調した。
質疑応答で心境を聞かれた赤間代表と菅澤前社長は、「取引先やオーナー、入居者など関係者にお詫びしたい」と述べた。赤間代表は、オーナーの一日でも早く破産し、過去に何をやってきたのかつまびらかに開示せよとの意見について、「真摯に受け止めたい」と答えた。
申請代理人は、4月13日現在でスマートデイズと契約継続中の物件の入居者はは341名(57棟)、入居者のいないのは約85棟と説明した。

赤間代表は、オーナーの救済策や問題になっているスルガ銀行への申請書類の改竄(かいざん)、建築費の水増しやキックバック等については妥当性を調査したいと答えた。
経営責任を問われた赤間代表は、前々代表の大地氏や創業者らに一定の責任があるとの見解を示した上で、自分たちの責任は調査に依頼したいと話すにとどまった。
また、金融庁の立ち入り検査が入ったスルガ銀行との取引について、赤間代表は「融資のスピード感が大事」と話したが、審査内容詳細には言及しなかった。また、スルガ銀行以外にオーナーへ融資した金融機関は「おおむね10行」(赤間代表)であることを明らかにした。

会見が行われたビルで横断幕を掲げるオーナー

会見が行われたビルで横断幕を掲げるオーナー

※会見内容の詳細、一問一答は4月17日号の「TSR情報全国版」に掲載。

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ