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ジャパンライフ、本社を売却し山口ひろみ社長は辞任

 消費者庁から4度の行政処分を受け、12月20日に被害対策弁護団から愛知県警に告発状を提出されたジャパンライフ(株)(TSR企業コード:291624898、千代田区)は12月12日、本社不動産を売却。山口ひろみ社長も告訴状を提出される直前の同15日に取締役を辞任していた。
行政処分の直後に弁護団から告訴状を提出されたジャパンライフだが、本社売却や社長辞任の背景に何があったのか。東京商工リサーチ情報部が追跡取材した。

 12月15日(12月19日登記)、ジャパンライフの代表取締役社長だった山口ひろみ氏が取締役を辞任した。これまで代表取締役はひろみ氏の父で会長の山口隆祥氏と山口ひろみ社長の2名だったが、現在の代表取締役は隆祥氏だけとなった。
また、ジャパンライフが2008年2月に取得した本社不動産も12月12日に売却されていた。売却先は千代田区の不動産会社。根抵当権の極度額は当初の12億円から今年6月30日に6億円に変更されたばかりだった。なお、売却後も同所を本社としている。
12月21日、東京商工リサーチの取材にジャパンライフの担当者は「(社長辞任は)体調不良によるものと聞いている」とコメントした。その後、本社不動産の売却が判明したため同社の担当者に連絡したが締め切りまでに返答はない。
ジャパンライフの別の不動産は2001年4月、財務省が差押を登記し、5年後の2006年1月に差押登記が抹消されていたこともわかっている。
ジャパンライフは、高齢者などの個人客を対象に磁気治療器などを販売していたが、消費者庁から迷惑解除妨害の特商法違反などで2016年12月、2017年3月、同年11月、同年12月と異例の4度の行政処分を受けていた。また、ジャパンライフ被害対策中部弁護団から12月20日、愛知県警に詐欺などの容疑で告発状を提出され、一気に周辺が騒がしくなっている。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年12月25日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)

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