• TSRデータインサイト

【タカタ破綻】記者会見の要旨

  6月26日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したタカタ(株)(TSR企業コード:295877413、法人番号:5010401052766、品川区東品川2-3-14、登記上:港区赤坂2-12-31、設立平成16年1月、資本金418億6200万円、高田重久社長)は同日11時30分から、申請代理人の長島・大野・常松法律事務所で記者会見を行った。

 会見には会社側から高田会長兼社長ほか2名、申請代理人の須藤弁護士、小林弁護士が出席した。

 冒頭、高田社長が「本日、タカタならびに連結子会社2社が民事再生法を申請、米国子会社を含む海外12社においても米国における法的再建手続であるチャプター11を申請した。関係者の皆様にお詫びする」と謝罪。その後、須藤弁護士が民事再生法の適用申請に至った経緯、およびキー・セイフティー・システムズ社(KSS)との間で事業譲渡に係る基本合意が行われたと説明した。

謝罪するタカタ(株)経営陣(2017年6月26日撮影)

謝罪するタカタ(株)経営陣(2017年6月26日撮影)

主な質疑応答

Q.高田会長兼社長の経営責任について

A.責任を感じている。ただ、部品供給を停止すると自動車業界全体に大きな影響を与える。一部の報道により金融機関としても待ったなしの状況になった。今回のスポンサーとなるKSSへの事業譲渡以外の方法がなくなった。本日付で正式に外部専門家委員会からの提案もあり、取締役会で東京地裁に民事再生法の適用を申請をすることを決めた。

Q.事業譲渡後、創業家は株主としてもタカタとは関わりをもたないのか

A.法的な観点からいうと、民事再生手続は経営陣は原則としてそのまま残る。ただ、スポンサーは選定しているので、事業譲渡をすればスポンサーが経営主体となる。その後、会長は経営陣から辞任することになる。タカタは、多額のリコール費用が生じる可能性があるので、債務超過に陥っている可能性が高い。そうなると、株主の価値はないだろうという前提で再生手続きが行われる。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年6月28日号に会見内容の詳細を掲載予定)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

中小企業の賃上げ率「6%以上」は9.1% 2025年度の「賃上げ」 は企業の85%が予定

2025年度に賃上げを予定する企業は85.2%だった。東京商工リサーチが「賃上げ」に関する企業アンケート調査を開始した2016年度以降の最高を更新する見込みだ。全体で「5%以上」の賃上げを見込む企業は36.4%、中小企業で「6%以上」の賃上げを見込む企業は9.1%にとどまることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

次世代電池のAPB、経営騒動の舞台裏 ~ APB・大島麿礼社長 単独インタビュー ~

次世代リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発や製造を手がける技術系ベンチャーのAPB(株)が注目を集めている。大島麿礼社長が東京商工リサーチの単独取材に応じた(取材日は4月10日)。

3

  • TSRデータインサイト

コロナ禍で急拡大の「マッチングアプリ」市場 新規参入のテンポ鈍化、“安全“投資で差別化

20代、30代の若者を中心に、恋活や婚活、恋愛の真面目な出会いを求めるマッチングアプリの利用が広がっている。マッチングアプリの運営会社はコロナ禍を境に急増し、社数は6年間で5.6倍になった。2019年3月末の5社から、2025年3月末は28社と6年間で大幅に増えた。

4

  • TSRデータインサイト

丸住製紙(株)~ 倒産した地元の“名門”製紙会社の微妙な立ち位置 ~

2月28日に新聞用紙の国内4位の丸住製紙(株)(四国中央市)と関連2社が東京地裁に民事再生法の適用を申請してから2週間が経過した。負債総額は約590億円、債権者数は1,000名以上に及ぶ。愛媛県では過去2番目の大型倒産で、地元の取引先や雇用への影響が懸念されている。

5

  • TSRデータインサイト

介護離職者 休業や休暇制度の未利用54.7% 規模で格差、「改正育児・介護休業法」の周知と理解が重要

団塊世代が75歳以上になり、介護離職問題が深刻さが増している。ことし4月、改正育児・介護休業法が施行されたが、事業規模で意識の違いが大きいことがわかった。

TOPへ