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11万人の倒産社長データからみる 「星座分析」調査

 「5日」、「水曜日」、「仏滅」に倒産が多い『アンラッキーデー』調査に続き今回は、倒産企業の社長の誕生日から星座を割り出し、人数や件数などを統計としてまとめた。
 倒産企業11万6,505件の社長の星座(以下、倒産社長の星座)は、「みずがめ座」が1万1,220人と最多で、最少は「ふたご座」の8,576人だった。倒産時の社長の平均年齢を星座別にみると「やぎ座」(58.5歳)が最も高く、設立から倒産までの期間も「やぎ座」の26.9年が最長だった。
 また、倒産社長の星座と倒産した日の星座の組み合わせでは、社長も倒産日も「うお座」が1,056件で最多だった。「うお座」の社長は「うお座」の2月19日~3月20日は注意した方が良さそうだ。


  • 本調査は、東京商工リサーチが保有する国内最大級の企業データベースから、2000年1月1日~2016年5月20日に倒産(負債額1,000万円以上)した企業で、社長の生年月日が判明した11万6,505件を分析した。
  • 星座は「おひつじ座」(3/21~4/19)、「おうし座」(4/20~5/20)、「ふたご座」(5/21~6/21)、「かに座」(6/22~7/22)、「しし座」(7/23~8/22)、「おとめ座」(8/23~9/22)、「てんびん座」(9/23~10/23)、「さそり座」(10/24~11/22)、「いて座」(11/23~12/21)、「やぎ座」(12/22~1/19)、「みずがめ座」(1/20~2/18)、「うお座」(2/19~3/20)。
  • 倒産は、会社更生法、破産などの法的倒産、取引停止処分などの私的倒産で、東京商工リサーチの「倒産の定義」に基づく。
  • 倒産社長は、原則として倒産時の社長を対象とした。

倒産社長の星座

倒産社長の星座 「みずがめ座」が最多

 倒産した11万6,505件のうち、社長の星座で最も多かったのは「みずがめ座」で1万1,220人(構成比9.6%)だった。次いで、「うお座」が1万1,039人(同9.4%)、「やぎ座」が1万868人(同9.3%)の順。「みずがめ座」、「うお座」、「やぎ座」の3星座はそれぞれ1万人を超え、12星座の約3割(同28.4%)を占めた。
 一方、最少は「ふたご座」で8,576人(同7.3%)だった。次いで、「おうし座」が8,900人(同7.6%)で、この2星座は8,000人台にとどまった。
 厚生労働省がまとめた「出生に関する統計」の月別統計によると、出生率の動向は戦後から1964年までは戦前と同様に1~3月が高く、6月が低かった。だが、1970年以降は「出生月による出生率の差はほとんどない状態」という。倒産社長においても、1~3月生まれのみずがめ座、うお座、やぎ座、おひつじ座の比率が高く、厚労省がまとめた1964年までの出生率の動向とほぼ同じ結果だった。

倒産社長の星座

社長の星座と倒産日の星座 「うお座」など3星座で同じ

 社長の星座と倒産発生日(倒産日)の星座を対比し、分析した。最も多かったのは、社長の星座が「うお座」、倒産日も「うお座」で1,056件だった。次いで、社長が「みずがめ座」、倒産日が「うお座」の1,042件、社長が「やぎ座」、倒産日が「みずがめ座」の997件の順だった。
 なお、社長の星座に関係なく、社長がどの星座でも倒産日の星座は「やぎ座」が最も少なかった。
 社長の星座と、最多の倒産日の星座が合致したのは、「おひつじ座」、「ふたご座」、「うお座」の3星座だった。この3星座の社長は、それぞれの星座の月日は注意した方が良いかもしれない。

倒産社長の星座別 最多の倒産日星座

倒産社長の誕生日ランキング 1月1日が最多、最少は2月29日だが実質は12月31日

 倒産した社長の誕生日を見ると、最多が1月1日で1,156人だった。次いで、1月2日の817人、1月3日の547人の順で、正月3が日の誕生日が上位3位を独占した。さらに、上位10位までに1月は6日入っており、正月生まれの社長は経営に細心の注意と大胆な施策が必要かもしれない。
 一方、最少の誕生日はうるう年の2月29日で37人だった。ただ、うるう年は4年に一度で、2月29日を除いた実質最少は12月31日の110人だった。これに12月29日の156人が続く。下位10位に12月が7日入り、1月と好対照の結果となった。12月22日~1月19日生まれの「やぎ座」は、12月と1月生まれの倒産社長数に大きな差が出た。
 なお、星座ではなく誕生日の月別では、最多が1月生まれの1万3,089人。次いで3月の1万1,099人、2月の1万533人と続く。最少だった月は6月の8,132件だった。

星座別の倒産期間 「やぎ座」が26.9年と最長

 設立から倒産までの期間(以下、倒産期間)を倒産社長の星座別で分析した。倒産期間が最長なのは、「やぎ座」で26.9年だった。次いで、「いて座」の26.8年、「みずがめ座」の26.7年の順。
 一方、倒産期間が最短は、「ふたご座」と「かに座」がともに25.8年だった。最長の「やぎ座」と比べると1.1年の差が出た。

星座別倒産期間

倒産時の社長の年齢 「やぎ座」の58.5歳が最も高い

 倒産発生時の社長の年齢を星座別で分析した。最も平均年齢が高かったのは、「やぎ座」(58.5歳)で、次いで、「うお座」(58.47歳)、「みずがめ座」(58.42歳)、「おひつじ座」(58.2歳)の順だった。平均年齢が高かった4星座は、倒産社長の星座の上位4星座と同じ顔ぶれだった。
 一方、年齢が最も低いのは「かに座」(57.0歳)で、「ふたご座」(57.2歳)、「しし座」(57.4歳)と続く。

倒産時の社長の年齢

 倒産した社長の星座は、「みずがめ座」、「うお座」、「やぎ座」が多く、偏りがみられた。この3星座は、倒産までの期間も長く、倒産時の平均年齢も高いことから、「粘り強さ」や「我慢強さ」も見て取れる。一方、倒産までの期間が短く、倒産時の年齢も低かった「ふたご座」や「かに座」は、「あきらめが早い」と言えるかもしれない。
 倒産から見た「星座」分析はあくまでも統計上の結果に過ぎず、そのまま当てはまるものではない。しかし、師走も押し詰まった年末の周囲が忙しい時期に誕生日を迎える社長は倒産が少なく、周囲が祝賀ムードの正月3が日生まれの社長に倒産が多いのは、単なる偶然とはいえ注目される。
 テレビ、新聞、雑誌などの「星座」占いは今も人気が衰えない。それだけゲンを担ぐ人が多い事の裏返しだろう。これからは出勤前の「社長の星座」占いも、ビジネスマンにとって強力なビジネスツールになるかも…?!

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