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2014年「社長の住む街」調査

 2014年の「社長の住む街」トップは、2012年の前回調査に続いて東京都「港区赤坂」だった。「都心回帰」を反映してランキング上位を東京都心が占め、「交通アクセス」や「職住近接」など、利便性重視の動きが強まった。この一方で、地方の県庁所在地では、前回よりランキングを下げるところが目立ち、中心市街地の衰退をうかがわせた。


  • 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース267万社の代表者データ(個人企業を含む)から、社長の居住地を抽出しランキングにまとめた。調査時点は2014年12月。なお社長居住地の最小単位は「町」ベースで、「丁目」の区別はしていない。前回調査は2013年2月発表。

社長が多く住む街のトップは、東京都「港区赤坂」

 全国267万社の中で社長が多く住む街のトップは、東京都「港区赤坂」の2,103人だった。江戸時代に町屋、武家屋敷が造られ、多くの大名、旗本屋敷が存在した。明治以降は、官吏や軍人、富裕層から成る都心有数の邸宅街へと発展した。さらに1955年(昭和30年)から1980年(昭和55年)頃までは、銀座と並ぶ高級繁華街として栄え、外資系企業社員および大使館の駐在員など外国人の多い街として華やかなイメージを醸し出した。2007年3月には、防衛庁・檜町駐屯地の跡地にホテル・オフィスビル・住宅・商業施設等からなる「東京ミッドタウン」が開業し、東京の人気スポットとして再浮上した。
2位は、東京都「渋谷区代々木」の1,777人。明治神宮や代々木公園に隣接し、各国大使館も点在する土地柄で、高台を中心に高級住宅街が形成されている。2000年4月には、都営地下鉄大江戸線「代々木」駅が開設し、交通アクセスが至便になった。
3位は、東京都「新宿区西新宿」の1,763人。日本屈指のターミナル新宿駅の西側一帯の地域で、あらゆるアクセスの中心として高い利便性を誇る。繁華街のほか新都心と呼ばれる超高層ビルに囲まれたビジネス街や多くの複合施設が立ち並んでいる。このほか、区立公園として最大面積の新宿中央公園が近くにあって住環境が整っている。
これまで日本の高級住宅地の代名詞といえば、東京都の「大田区田園調布」と「世田谷区成城」だったが、今回調査では「田園調布」が18位(前回6位)、「成城」が13位(同7位)と、ともにランクダウンし、「名」よりも「実」を取る動きを反映した。

社長の住む街ランキング(町村ベース)

「都心回帰」の流れは変わらず

 ランキング上位を東京都心の人気エリアが占めたのは、(1)交通アクセスが良くて職住近接が実現できること、(2)買い物が便利であること、(3)繁華街や文化施設にも近いこと、(4)災害リスクの低さなどを重視する「都心回帰」の動きが活発化しているためとみられる。

「職住近接」の東京都「江東区亀戸」が9位

 このほか、7位(前回12位)に東京都「江東区大島」が1,525人、9位(同11位)に「江東区亀戸」が1,508人となった。江東区は江戸時代からの住宅地域として発展してきたが、現在は東京中心部への交通アクセスが便利な場所として大型マンションが相次いで建設されている。
また、学問の神様・亀戸天神で知られる亀戸は、住宅・町工場・商店が混在した地区で、「職住近接」の中小企業社長が多い。
東京都以外では、47位(前回31位)に神奈川県「三浦郡葉山町」の1,020人、葉山御用邸で知られる風光明媚な保養地。著名人の自宅や別荘などが多く、海水浴場や葉山マリーナなどのマリンスポーツ施設がある。48位(同42位)には、福岡県「筑紫郡那珂川町」の1,012人、自然環境に恵まれ、県庁のある福岡市の中心部から至近距離に位置し、ベッドタウンとして都市化が進んでいる。74位(同67位)は、福岡県「糟屋郡志免町」の856人、福岡空港に近く、福岡市のベッドタウンとして住宅が開発された。また2つの工業団地があり、機械、金属工業を中心に従事する人も多い。84位(同79位)には、広島県「安芸郡府中町」の803人。自動車メーカーのマツダ本社がある企業城下町で、広島市のベッドタウンとして発展してきた。また、98位には大阪府「大阪市西区南堀江」が777人で前回116位からランクアップした。職住近接に適した高層マンションなどの再開発が進んでいる。

東京都以外の上位町村

市区郡別、東京都世田谷区が3万4,913人でトップ

 さらに範囲を広げて市区郡別でみると、最多が東京都世田谷区の3万4,913人。次いで、東京都港区2万1,310人、東京都大田区2万275人、東京都練馬区1万9,469人の順。東京都以外では、14位に埼玉県川口市が1万2,633人。16位に鹿児島県鹿児島市が1万668人。20位に町工場が多い大阪府東大阪市の9,895人。21位に千葉県船橋市の9,838人。22位に千葉県市川市の9,789人。23位に高級住宅地がある兵庫県西宮市が9,757人。25位に香川県高松市が8,855人だった。

社長の住む街ランキング(市区郡ベース)

東京都以外の上位市区郡

前回よりランキングを下げる県庁所在地が目立つ

 県庁所在地の中で、社長居住地として多かったのは、鹿児島市、高松市に続いて、26位に金沢市8,749人(前回24位)、30位松山市8,529人(同27位)、32位宇都宮市8,485人(同29位)、35位大分市8,106人(同35位)、43位富山市7,246人(同41位)、44位岐阜市7,233人(同40位)、46位宮崎市7,009人(同46位)の順だった。地方では県庁所在地のランキングが前回より下がったところが目立った。「シャッター通り」に代表される中心市街地の衰退に歯止めがかからないドーナツ化現象や、病院などの公共施設の郊外移転の動きも影響しているとみられる。


 「社長の住む街」調査では、東京都心を筆頭に交通アクセスなど「利便性の高い」地域が上位を占めた。今年3月経産省が約1万人のアンケートを基に全国自治体の「住みやすさ」を金銭価値に置き換えた試算では、首都圏より一部の地方都市の方が価値は高いとの結果も出ている。ほどよい人口密度で職場なども近接しているためで、都会は混雑がマイナス要因になる。社長の居住地でも「利便性の高さ」が必ずしも「住みやすさ」とは結びつかないかもしれない。

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