• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

2012年度の倒産発生率0.38% 4年連続で前年水準を下回る

 2014年3月公表の国税庁統計法人税表(平成24年度分)に基づく普通法人の2012年度の全国倒産発生率は0.38%(前年度比0.02ポイント低下)で、4年連続で前年水準を下回った。中小企業金融円滑化法など各種金融支援や、震災復興事業や公共事業拡大により倒産が全国的に抑制された。

  • ※本調査は、2012年度の都道府県別の倒産発生率(普通法人)をまとめた。倒産発生率は、普通法人倒産件数÷普通法人の申告法人数×100で算出した。分子は東京商工リサーチ調べの個人企業等を除いた普通法人倒産件数とし、分母は2014年3月公表の国税庁統計法人税表(平成24年度分)に基づく法人数で、小数点第3位を四捨五入した。。
    普通法人は、会社等(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、協業組合、特定目的会社、相互会社)、企業組合、医療法人を含む。

倒産発生率推移

倒産発生率 30県で全国平均を下回る

 2012年度の倒産発生率は全国平均で0.38%(前年度0.40%)と前年水準を下回り、都道府県別では30県で全国平均を下回った。
倒産発生率が最も低かったのは福島の0.13%(前年度0.24%)だった。2012年度の福島の倒産件数(個人企業を含む)は、前年度比40.4%減(84→50件)で4年連続で前年度を下回った。産業別では、建設業(16→8件)や飲食業などを含むサービス業他(24→12件)で減少が目立った。
次いで、宮城0.19%、岩手0.23%、山形0.24%と東北の震災被災地が顔を揃え、復興事業の本格化による倒産抑制がうかがえた。

倒産発生率 最も高率は福井の0.51%

 一方、倒産発生率が最も高かったのは福井の0.51%(前年度0.44%)で、前年度6位から上昇した。2012年度の福井の倒産件数(個人企業を含む)は、前年度比14.1%増(85→97件)で5年ぶりに前年度を上回った。建設業(26→29件)や飲食業(1→6件)で増加したほか、中国など海外の生産能力増大に伴う競争力低下から繊維工業(3→9件)の増加が目立った。次いで、石川0.49%(前年度0.57%)、秋田0.48%(同0.31%)、大阪0.46%(同0.52%)、鳥取0.45%(同0.47%)、和歌山0.44%、東京0.43%の順だった。

地区別発生率 最高が北陸 最も低率が東北

 2012年度の地区別では、最も比率が高かったのは北陸の0.48%(前年度0.46%)だった。2012年度の北陸の倒産件数(個人企業を含む)は2年連続で前年度を上回り、汎・生産・業務用機械器具製造を中心とした製造業、飲食業、飲食料品卸売、情報サービス・制作業、機械器具小売などで倒産が増加した。
次いで、近畿0.42%(前年度0.46%)、関東0.40%(同0.43%)、北海道0.39%(同0.42%)、中部0.38%(同0.36%)、四国0.32%(同0.33%)、中国0.32%(同0.32%)、九州0.31%(同0.35%)、東北0.23%(同0.27%)の順だった。このうち東北は、前年度から0.04ポイント改善し、最も比率が低かった。前年度比では、全国9地区のうち6地区で前年度を下回り、前年度を上回ったのは中部・北陸・中国の3地区だった。

産業別発生率 情報通信業が最も高率

 産業別の倒産発生率は、ソフトウェア業、出版業、広告制作業などを含む情報通信業が0.66%(前年度0.73%)で最も高かった。次いで、卸売業0.61%(同0.58%)、建設業0.58%(同0.66%)、運輸業0.51%(同0.46%)、製造業0.47%(同0.47%)、小売業0.32%(同0.31%)、農・林・漁・鉱業0.26%(同0.29%)、サービス業他0.25%(同0.29%)、金融・保険業0.13%(同0.11%)不動産業0.12%(同0.13%)の順だった。

 2012年度は、政策効果で倒産が抑制され倒産発生率が低下した。ただし、地区別では震災復興事業が進む東北の比率低下が目立った一方で、企業の自律的な業績回復が伴わず、息切れ倒産の増加から比率が上昇した地区もあって「まだら模様」をみせた。

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ