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「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出金総額は震災前からほぼ倍増

 銀行112行の2013年9月期連結決算ベースの電力会社などを含む「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出が、東日本大震災前に比べ96.9%増とほぼ倍増していることがわかった。原発事故を契機に電力会社の資金調達が銀行借入にシフトしたことを浮き彫りにした。

  • 本調査は、銀行112行を対象に2013年9月期連結決算ベースの「電気・ガス・熱供給・水道業」向け国内貸出金残高を抽出し、前年同期と比較した。なお、三菱UFJ、みずほの信託銀行2行、りそな、沖縄銀行は信託勘定を含む。三井住友銀行と関西アーバン銀行は、業種別の項目が「運輸、情報通信、公益事業」のため集計に含まれていない。傘下の銀行が連結子会社となっている場合、および単体データのみ公表の銀行は、単独決算の業種別貸出状況を比較した。
  • 2012年4月1日に住友信託銀行・中央三井信託銀行・中央三井アセット信託銀行の合併で発足した三井住友信託銀行は、過去データとの比較ができないため、調査対象に含まれていない。

銀行112行(2013年9月期連結決算ベース)「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出金残高推移

「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出金残高 前年同期比11.6%増

 「電気・ガス・熱供給・水道業」のうち、電気業には一般の需要に応じ電気を供給する事業所、またはその事業所に電気を供給する事業所として電力会社を含む。
銀行112行の2013年9月期連結決算ベースの「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出金残高は、6兆5,670億8,700万円で、前年同期より6,838億7,900万円(11.6%増)増加した。 112行のうち、前年同期より5行減少したが、78行(構成比69.6%)が前年同期の貸出金残高を上回った。

貸出金総額が震災前よりほぼ倍増に拡大

 「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出金額の推移は、東日本大震災前の2010年9月期は3兆3,350億3,800万円だったが、震災直後の2011年3月期は4兆2,931億4,500万円(半期比28.7%増)と急増した。その後も増勢が続き、2012年3月期は5兆6,642億円8,300万円(同18.4%増)と5兆円台に上昇。2013年3月期には6兆2,808億1,800万円(同6.7%増)で6兆円を突破した。2013年9月期と震災前の2010年9月期を比較すると、増加率は96.9%とほぼ倍増している。

貸出金残高1,000億円以上が8行

 2013年9月期連結決算ベースの「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出金残高のトップは、みずほ銀行(単体)の1兆9,653億円だった。次いで、三菱東京UFJ銀行(単体)1兆1,908億1,300万円、三菱UFJ信託銀行4,206億1,100万円、みずほ信託銀行2,450億4,800万円の順。貸出金残高1,000億円以上は8行(前年同期7行)となった。

増加額 100億円以上が9行

 前年同期より貸出金残高が増加した78行のうち、増加額トップは、みずほ銀行(単体)の2,112億円増だった。次いで、三菱東京UFJ銀行(単体)2,047億1,900万円増、みずほ信託銀行495億7,000万円増、新生銀行291億1,600万円増と続く。増加額100億円以上は9行(前年同期18行)だった。一方、前年同期より貸出金残高が減少したのは、静岡銀行の71億9,600万円減、青森銀行の47億7,800万円減、第四銀行の43億7,300万円減、名古屋銀行の40億8,100万円減など30行(前年同期23行)だった。このほか、前年同期同額が1行、未計上が3行だった。

貸出比率 前年同期比0.2ポイント上昇

 銀行112行の2013年9月期連結決算ベースの「電気・ガス・熱供給・水道業」向け平均貸出比率は1.8%(前年同期1.6%)で、前年同期より0.2ポイント上昇した。
個別の貸出比率は、みずほ信託銀行5.6%(前年同期4.4%)を筆頭に、山口銀行(単体)4.3%(同4.0%)、三菱UFJ信託銀行4.1%(同4.0%)と大手銀行が上位を占めた。
次いで、みずほ銀行(単体)3.7%(同3.4%)、北九州銀行(単体)3.7% (同3.5%) 、新生銀行3.3%(同2.6%)、宮崎銀行2.6%(同2.5%)と続く。

地区別貸出残高 10地区のうち9地区で前年同期を上回る

 本店所在地による地区別では、全国10地区のうち9地区で貸出金残高が前年同期を上回った。増加額は、東京10行の5,066億7,700万円増を筆頭に、中国9行が394億2,000万円増、近畿10行が353億1,900万円増、九州21行が295億8,800万円増、四国8行が279億5,800万円増、東北15行が161億8,500万円増、関東17行(東京を除く)が156億6,000万円増、北陸6行が81億9,200万円増、北海道2行が61億2,400万円増の順だった。これに対し、中部14行は12億4,400万円減少した。
増減率では、近畿10行が17.8%増、四国8行が16.2%増、東京10行が14.5%増、中国9行が11.4%増、九州21行が6.2%増、関東(東京を除く)17行が5.6%増、東北15行が5.44%増、北陸6行が5.41%増、北海道2行が5.1%増、中部14行が0.3%減だった。電力会社の資金需要に対して、大手銀行と地元の地域銀行が対応した様子がうかがえる。

 銀行の「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出が増加したのは、原発停止で社債発行が難しくなったほか、電力会社の火力発電の比率が高まり、液化天然ガスや石油などの燃料費が膨らんだことがある。さらに、円安で燃料輸入価格の上昇が資金需要の高まりに拍車をかけた。 電力会社向け貸出は、最近の銀行貸出しの増加要因の一つになっているが、徐々に電力会社は社債発行を再開している。このため、今後は原発の再稼働にも左右されるが、「電気・ガス・熱供給・水道業」向け貸出の伸びが鈍化する可能性も残している。

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