• TSR速報

Xアイコン
facebookアイコン

(株)マ・メール

マ・メールの本社(TSR撮影)

マ・メールの本社(TSR撮影)

高級子供服の輸入、販売を手掛けていた(株)マ・メール(大阪)が破産開始決定

 2024年9月24日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し2025年5月12日、同廃止決定を受け破産手続きに移行していた(株)マ・メール(大阪市住之江区)は8月1日、同開始決定を受けた。
 破産管財人には井上裕明弁護士(半蔵門総合法律事務所、東京都千代田区二番町3-5)が選任された。
 負債総額は民事再生法の適用申請時点で約23億7800万円。

 1978年、大阪市で創業し、子供服の卸売、小売を手掛けていた。2000年7月期に海外子供服ラグジュアリーブランドとの独占契約締結を契機とし、本格的に小売業へ進出。「日本初のラグジュアリー子供服ブランド」の小売店として、マーケットの反響を呼び、各方面から多数の出店要請を受け、2005年7月期には、全国18拠点29店舗を展開するまでに店舗網を拡大し、売上高も20億円を突破した。

 2006年頃から株式上場を目指し、更なる店舗網拡大、広告宣伝、顧客・商品データベースシステムの構築投資、ロジスティクス整備のための多額の投資などを推進していたが、リーマン・ショックによる信用市場の収縮、金融情勢の急激な変化、外部環境の冷え込みを背景として、業況にも急ブレーキがかかることとなった。

 2008年10月には、取引金融機関に対し、リスケジュールを要請。不採算店舗の撤退、役員報酬の大幅カット、人員整理などの徹底した販管費削減策を実行し、2012年7月期には黒字化を果たした。2019年7月期まで9期連続で営業黒字を継続するまで、業況は改善した。

 しかし、2020年はコロナ禍により、営業拠点である百貨店やホテルの路面店における購買顧客が激減。加えて、ロシアのウクライナ侵攻による物流網の混乱、各種コストの高騰、急激な円安進行により、資金繰りが悪化。このような中、営業店舗をコロナ禍前の14店舗から8店舗へ絞るなど固定費の削減を断行。取引先の協力を得ながら、事業を維持するとともに、アフターコロナを見据え、オリジナルブランドとして世界的に知名度を有する「マ・メール」の名称を冠したオリジナルブランド及びEC事業の立ち上げを行うなどの業態の見直しも図ってきたものの、海外主要メーカーの支払条件がキャッシュオンデリバリーに切り替わったことも影響し、資金繰りが悪化。9月25日の債務支払いめどが立たなかった。
 
 なお、東京証券取引所スタンダード市場上場企業である(株)KeyHolder(東京都渋谷区)と9月24日付で、スポンサー支援の基本合意を締結し、同社支援のもと事業再生に取り組んできたものの、再生計画の見通しが立たず、今回の措置となった。

※(株)マ・メール(TSRコード:570657296、法人番号:4120001089868、大阪市住之江区南港北2-1-10、登記上:大阪市中央区備後町2-5-8、設立1978(昭和53)年4月、資本金2億4800万円)
※(株)KeyHolder(TSRコード:290210755、法人番号:1010001110481、東京都渋谷区)

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ