• TSR速報

(株)聘珍樓ほか2社

聘珍樓の店舗看板

聘珍樓の店舗看板

(株)聘珍樓(横浜市港北区)と関連2社は5月21日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には相羽利昭弁護士(三宅・今井・池田法律事務所、東京都新宿区新宿1-8-5)が選任された。
 負債は、聘珍樓が債権者800名に対して12億1045万円で、3社合計13億6663万円。


 明治17年創業の老舗中華料理店「聘珍樓」の運営会社(株)平川物産(旧:(株)聘珍樓、横浜市港北区、登記上:東京都千代田区)が前身。横浜中華街の名店として全国的にも高い知名度を有し、同社はピーク時の2001年3月期に売上高118億5260万円を計上した。しかし、団体利用者や接待利用者の減少などを背景に経営が悪化し、同社は2017年3月に特別清算開始決定を受けた。


 当社が平川物産の店舗を引き継ぎ運営していたが、2018年には運営店舗のうち「聘珍樓横濱本店」のみを新たに設立した(株)聘珍樓(TSRコード:028031130、法人番号:7020001125911、横浜市中区、2022年4月破産)に移管。当社は「日比谷聘珍樓」「吉祥寺聘珍樓」「大阪聘珍樓」「小倉聘珍樓ANNEX」運営のほか、神奈川県内でレストラン・カフェ「SARIO」などを展開し、2019年3月期には売上高約63億円を計上していた。
 しかし、コロナ禍では苦戦を強いられ、売上減少とともに大幅赤字を計上。2024年3月期はやや復調し売上高46億6667万円を計上したが、食材費高騰・人件費上昇などにより1億7789万円の大幅赤字を計上し、債務超過額は16億1766万円に膨らんでいた。
社会保険の支払猶予などを受けながら資金繰りを繋いできたが、これも限界に達し、今回の措置となった。
 同時に破産開始決定を受けたのは以下の2社。
(株)香港聘珍樓ジャパン(TSRコード:352647345、法人番号:7020001090882、同市港北区新羽町1828-1、設立2011(平成23)年5月、資本金1000万円、中華総菜・菓子類販売、負債総額債権者98名に対して1億5558万円)
(株)大福(TSRコード:352922176、法人番号:2020001107278、同所、設立2014(平成26)年8月、資本金100万円、中華商材仕入販売、負債総額60万円)

 ※(株)聘珍樓(TSRコード:017658390、法人番号:8020001115812、横浜市港北区新横浜2-2-8、設立2016(平成28)年4月、資本金5000万円)
 ※(株)平川物産(旧:(株)聘珍樓、TSRコード:350252912、法人番号:5020001028752、横浜市港北区、登記上:東京都千代田区、2017年3月特別清算)
 ※(株)聘珍樓(TSRコード:028031130、法人番号:7020001125911、横浜市中区、2022年4月破産)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「他都道府県への本社移転」 1万6,271社 TSMC効果?九州が転入超過トップ、県別トップは埼玉県

2024年度に他都道府県に本社・本社機能を移転した企業は1万6,271社(前年度比18.7%増)で、前年度から大きく増加した。コロナ禍からの人流回復や需要変化に合わせ、本社移転の動きが活発化している。

2

  • TSRデータインサイト

創光科学の「破産開始決定」が取消しに ~上場子会社、複雑に絡まり合う利害関係 ~

東証プライム上場の医療機器メーカー、日機装(株)(渋谷区)は5月15日、連結子会社の創光科学(株)(渋谷区)の破産開始決定の取消しに関する経過を開示した。 破産手続きを巡り、2年にわたる親会社VS創業者の異例の抗告合戦へと発展した事件は、最高裁の判断でようやく決着した。

3

  • TSRデータインサイト

警備業界は大手2社の寡占化が進む 人手不足で倒産・休廃業が過去最多

全国の主な警備会社828社の2024年の業績は、売上高が1兆9,180億円(前年比2.6%増)、最終利益は1,604億円(同15.6%増)と、堅調に推移している。 業界市場は拡大しているが、大手の寡占化が進み、中小・零細事業者は人手不足でコストが上昇し、経営環境は厳しさを増している。

4

  • TSRデータインサイト

「雇調金」不正受給 倒産率は平均の約31倍 不正公表1,699件、サービス業他が45%

全国の労働局が4月30日までに公表した「雇用調整助成金」(以下、雇調金)等の不正受給件数は、2020年4月からの累計が1,699件に達した。不正受給総額は551億6,918万円にのぼる。

5

  • TSRデータインサイト

マレリにマザーサンが買収提案、私的整理の協議の行方は ~ 「マザーサンの提案は選択肢の一つ」 ~

自動車部品大手のマレリホールディングス(株)は5月26日、私的整理を協議するために都内で集会を開催した。 集会後、マレリHDの関係者が東京商工リサーチの取材に応じ「マザーサンの買収提案は選択肢の一つだ。それしかないような報道がなされているが、一択ではない」とコメントした。

TOPへ