APB(株)

APBの本社(TSR撮影)
全樹脂電池開発のAPB(株)(福井)が破産
APB(株)(越前市)は4月23日、福井地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には寺田昇市弁護士(えちぜん法律事務所、越前市新町9-10-4)が選任された。
負債総額は債権者200名に対して34億8500万円。
次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発や製造を手掛けていた。全樹脂電池は従来のリチウムイオン電池と異なる構造で安全性が高く、エネルギー密度も高い次世代の電池として注目を集めていた。2021年10月に工場を稼働させたが、大規模な量産化には至っていなかった。
設立以来、研究開発費や設備投資などの先行投資が嵩み赤字が続くなか、2024年6月には創業者の堀江英明氏が代表取締役を解職され、経営権を巡る対立が表面化した。こうしたなか、メインバンクの北國銀行グループの投資会社(株)QRインベストメント(TSRコード:380609657、法人番号:3220001024238、石川県金沢市)に2024年11月1日、会社更生法を申し立てられていた。しかし、予定していたDIPファイナンスの調達計画が頓挫したことを理由に、11月21日に申立ては取り下げられていた。
2025年2月末には全従業員へリストラが通告され、4月末までの休業を告知。動向が注目されていたなか、今回の措置となった。
※APB(株)(TSRコード:034707670、法人番号:3010401141785、越前市庄田町31-1-5、設立2018(平成30)年10月、資本金1億円)