• TSR速報

(株)AT清算会社(旧:(株)阿蘇の司)

※画像は実際の企業と関係はありません

※画像は実際の企業と関係はありません

 (株)AT清算会社(旧:(株)阿蘇の司、熊本)は3月27日、熊本地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は約27億円。
 1965年に創業し、熊本県の観光名所である阿蘇山の麓に位置する「阿蘇の司ビラパークホテル」を運営していた。温水の室内スパや敷地内動物園、JFA公認サッカーフィールドASOVIGO、阿蘇五岳と外輪山が臨める3種類の温泉設備を備え、国内外の団体旅行や修学旅行の受け入れなどで集客し、ピーク時の2008年7月期には約13億3600万円の売上高を計上していた。

 しかし、阿蘇山の噴火や集中豪雨などの自然災害、2016年4月に発生した熊本地震での被災により施設の修繕に多額の費用が発生。さらに、国道57号線が損壊して迂回を余儀なくされ、JR豊肥線の運休によりホテルまでのアクセスが不便となり、2019年7月期には、年間売上高は10億円を割り込んでいた。


 2020年には、「新型コロナウイルス」の影響でインバウンド客が減少し、売上が急落。2021年7月期の売上高は5億円を下回り、赤字計上が続いたことで、債務超過額が拡大した。2022年以降、取引行との協議を重ねたうえで支援を受け、事業再建を進めていたが、計画通りに進まず事業継続を断念。2024年3月29日、(株)阿蘇の司から現商号に変更し7月31日、株主総会の決議により解散していた。

 なお、運営していたホテルは、(株)マイステイズ・ホテル・マネジメント(東京都港区)が運営管理を担当し、「亀の井ホテル 阿蘇 パークリゾート」の名称で営業を継続している。

※(株)AT清算会社(旧:(株)阿蘇の司、TSRコード:910165580、法人番号:1330002022743、阿蘇市黒川1230、登記上:熊本市中央区水前寺1-14-16、設立1983(昭和58)年11月、資本金2950万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年度の業績見通しに大ブレーキ 「増収増益」見込みが16.6%に急減

トランプ関税、物価高、「価格転嫁」負担で、国内企業の業績見通しが大幅に悪化したことがわかった。2025年度に「増収増益」を見込む企業は16.6%にとどまり、前回調査(2024年6月)の23.3%から6.7ポイント下落した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年3月期決算(6月20日時点) 役員報酬1億円以上の開示は117社・344人

2025年3月期決算の上場企業の株主総会開催が本番を迎えた。6月20日までに2025年3月期の有価証券報告書を510社が提出し、このうち、役員報酬1億円以上の開示は117社で、約5社に1社だった。

3

  • TSRデータインサイト

チャプター11をめぐる冒険 ~ なぜマレリはアメリカ倒産法を利用したのか ~

ずっと日本にいるのに時差ボケが続いている。  「マレリのチャプター11が近いから関連サイトをチェックし続けろ」と6月6日に先輩に言われて以降、私の生活はアメリカ時間だ。

4

  • TSRデータインサイト

代金トラブル相次ぐ、中古車販売店の倒産が急増

マイカーを売却したのに入金前に売却先の業者が破たん――。こうしたトラブルが後を絶たない。背景には、中古車価格の上昇や“玉不足”で経営不振に陥った中古車販売店の増加がある。倒産も2025年1-5月までに48件に達し、上半期では過去10年間で最多ペースをたどっている。

5

  • TSRデータインサイト

定量×定性分析 危ない会社は増えたのか?

2024年度の全国倒産が1万144件(前年度比12.0%増)と11年ぶりに1万件を超えたが、企業の倒産リスクはどの水準にあるのか。東京商工リサーチが企業を評価する「評点」と「リスクスコア」のマトリクスからみてみた。

TOPへ