• TSR速報

エスアイヘリシス(株)

~オーナー商法改正後、初適用~

 エスアイヘリシス(株)(杉並区)は11月28日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には増田智彦弁護士(東京丸の内法律事務所、千代田区丸の内3-3-1)が選任された。
 負債総額は債権者約440名に対して約7億円。
 
 ヘリコプターなど航空機の販売などを手掛けていた。当社を貸主、別会社を借主とする賃貸借契約を締結するほか、複数の消費者と航空機売買契約を締結してヘリコプターなどの所有権(共有持分)を販売。同時に賃貸借契約の貸主の地位を消費者に譲渡する契約も締結していた。
 
 しかし2024年5月、消費者庁は当社と消費者との契約が預託法違反にあたるとして、勧誘等の禁止などの行政処分が出された。2022年に預託法(オーナー商法)の改正が施行されて初めての行政処分で、動向が注目されていた。

 こうしたなか行政処分後、これまでの取引が無効となり返金が必要となったが履行できず、今回の措置となった。


※エスアイヘリシス(株)(TSR企業コード:023615737、法人番号:1010001180896、杉並区永福2-56-5、設立2017(平成29)年1月、資本金1000万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】マツオインターナショナル~膨らんだ債務と抜本再生への移行~

婦人服ブランド「ヴィヴィアン タム」「慈雨(じう)」「t.b2」などを展開し、ピーク時には国内外で約400店を構えていたマツオインターナショナル(株)(TSRコード:292635265、以下マツオ)が12月11日、大阪地裁に会社更生法の適用を申請した。

2

  • TSRデータインサイト

交響楽団の収益悪化、来場者戻らずコスト上昇 ~ 綱渡りの自助経営、草の根のムーブメントへの期待 ~

交響楽団が存立の危機に立たされている。多くの交響楽団で収入が落ち込んでおり、赤字が目立つ。会場費や団員などの人件費、楽器の輸送コストなどが上昇のうえ、寄附金や補助金による収入は頭打ちで綱渡りの運営だ。東京商工リサーチは、3期連続で業績が比較できる20団体を調査した。

3

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

4

  • TSRデータインサイト

長渕剛さん側、イベント会社の破産申立に続き代表を刑事告訴 ~長渕さん「徹底追求」、イベント会社代表「横領でない」と反論~

歌手の長渕剛さんが代表を務める個人事務所の(株)オフィスレン(渋谷区)が、イベント運営を委託していたダイヤモンドグループ(株)(東京都中央区)の代表を業務上横領罪で刑事告訴したことがわかった。東京商工リサーチの取材で長渕さん側が明らかにした。

5

  • TSRデータインサイト

「ペット・ペット用品小売業」倒産が過去2番目の14件 実質賃金の低迷と物価高がペットの世界にも影響

2025年11月の「ペット・ペット用品小売」の倒産は、1件(前年同月ゼロ)にとどまったが、1-11月累計は14件(前年同期比27.2%増)に達した。

TOPへ