• TSR速報

(株)環境経営総合研究所

環境経営総合研究所の入居ビル

環境経営総合研究所の入居ビル

41日間という短期間で開始決定に

 8月20日に債権者から東京地裁に会社更生法を申し立てられ同日、保全管理命令を受けた(株)環境経営総合研究所(渋谷区)は9月30日、同開始決定を受けた。申立代理人は粟澤方智弁護士(粟澤・山本法律事務所、千代田区飯田橋2-1-5)ほか。管財人には岩崎晃弁護士(岩崎・本山法律事務所、中央区八丁堀4-1-3)が選任された。
 負債総額は約246億円。

 古紙や廃プラスチックなどを再利用し、環境に配慮した新素材「紙マスターバッチ(M/B)」や「MAPKA(マプカ)」などの開発製造を展開。使い捨てプラスチックによる海洋汚染などの環境問題に対応した新素材として注目され、2000年9月に千葉県松戸市に研究施設を開設したほか、2003年5月に千葉県旭市に研究施設、工場を開設。その後、北海道札幌市に工場や営業部、茨城県土浦市に工場など順調に業容を拡大させるとともに日本政策投資銀行から出資を受けていた。以降も、アメリカにJV工場、韓国企業への出資やJVによる工場を開設するなど海外展開を強化していた。
 しかし、2005年~2006年にかけて、第三者約50億から60億円の資金流出があった。同時期から決算書の粉飾を開始し、売掛金等を操作。複数の決算書を作成しており、官報公告では、2023年8月期の売上高519億2635万円、最終利益36億380万円を確保し、純資産345億1902万円、総資産544億1966万円としていたが、税務申告では、2023年8月期の売上高は46億9281万円に対し、最終利益は2億3473万円にとどまり、純資産56億7069万円、総資産300億2835万円だった。売掛金等を適正に処理した場合、債務超過に陥る可能性が高まったため、債権者から会社更生法を申し立てられた。

 また、EIF西日本(株)(津山市)は9月27日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には岩崎晃弁護士(岩崎・本山法律事務所、中央区八丁堀4-1-3)が選任された。
 環境経営総合研究所などの出資により設立され、同社の西日本の生産拠点として、断熱材の製造販売を手がけ、海外からの受注にも対応。2024年2月期の売上高は18億4134万円、最終利益5395万円をあげていた。
 しかし、環境経営総合研究所に連鎖して、今回の措置となった。

※(株)環境経営総合研究所(TSR企業コード:294046615、法人番号:5011001043734、渋谷区南平台町16-29、設立1996(平成8)年12月、資本金24億7000万円)
※EIF西日本(株)(TSR企業コード:712192000、法人番号:7260001024445、岡山県津山市神戸88、設立2011(平成23)年12月、資本金3億円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ