• TSR速報

寛一商店(株)ほか8社

※画像は実際の企業と関係はありません

※画像は実際の企業と関係はありません

~「なぎさ薬局」の屋号で調剤薬局を経営~

 寛一商店(株)(京都市)ほか8社は7月26日、東京地裁に会社更生法の適用を申請し同日、保全管理命令を受けた。
 申請代理人は三森仁弁護士(あさひ法律事務所、東京都千代田区丸の内2-1-1)。保全管理人には南賢一弁護士(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、東京都千代田区大手町1-1-2)が選任された。
 負債は、寛一商店が約52億円で、9社合計約111億6000万円。

 「なぎさ薬局」の屋号で調剤薬局を経営していた。大垣市民病院前での開業を皮切りに、宇治市や京都市北区などに出店。開業直後から出店攻勢を強め、京都市内を中心に東京都や埼玉県、岐阜県、愛知県、宮崎県などに直営店を展開し、2018年10月期には売上高約34億3000万円を計上していた。
 さらに、2018年8月以降は2年間で7社の調剤薬局をM&Aにより子会社化し、北海道や青森県、新潟県などを中心に、傘下とする調剤薬局は全国約60カ所まで急増。これらの企業買収・店舗譲受によって、業容は拡大基調をたどっていた。
しかし、「新型コロナウイルス」感染拡大後は、外出機運の低下の影響を受け、業績が悪化。事業拡大のために金融機関から調達していた多額の借入金の返済資金を捻出することができなくなるなど、資金繰りが限界に達したことから、今回の措置となった。
 なお、速やかにスポンサーを選定する意向であり、事業継続のため、東京地裁より許可を得て三菱UFJ銀行との間でDIPファイナンス(極度額10億円)を受ける予定と発表している。

※寛一商店(株)(TSR企業コード:642359407、法人番号:1130001050294、京都市中京区一之船入町537-20、設立2012(平成24)年11月、資本金2000万円)


 なお、同様の措置となった関連会社は以下の8社。
・アサヒ調剤薬局(株)(TSR企業コード:060051876、法人番号:5440001000066、北海道函館市松陰町24-1、設立1981(昭和56)年3月、資本金1000万円、負債総額約29億円)
・(有)ハヤシデラ(TSR企業コード:652054579、法人番号:3160002010004、滋賀県東近江市八日市緑町13-14、設立2001(平成13)年1月、資本金300万円、負債総額約7億円)
・(有)共生商会(TSR企業コード:182045595、法人番号:6420002000917、青森市大字安田近野1-329、設立1981(昭和56)年10月、資本金300万円、負債総額約2億1000万円)
・(株)ハーベリィ科学研究所(TSR企業コード:060102004、法人番号:2440001001785、北海道函館市桔梗1-2-9、設立1996(平成8)年3月、資本金1000万円、負債総額約8億5000万円)
・(株)ソフトリー(TSR企業コード:203131444、法人番号:2110001023929、新潟県長岡市曲新町687-4、設立1995(平成7)年3月、資本金1000万円、負債総額約6億2000万円)
・(有)ライフプランニング(TSR企業コード:203183240、法人番号:7110002007083、新潟市中央区関屋田町1-117-1、設立1996(平成8)年10月、資本金300万円、負債総額約4億円)
・新潟医薬(株)(TSR企業コード:200148125、法人番号:8110001003702、同所、設立1970(昭和45)年9月、資本金1000万円、負債総額約1億6000万円)
・(有)さくら調剤薬局(TSR企業コード:203077970、法人番号:4110002002780、新潟市東区粟山3-1-8、設立1994(平成6)年2月、資本金300万円、負債総額約1億2000万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ