(株)A.L.I.Technologies
ホバーバイクやドローンの開発を手掛けていたスタートアップ企業
(株)A.L.I.Technologies(東京都港区)は12月27日、東京地裁に破産を申請し1月10日、破産開始決定を受けた。破産管財人には飯田岳弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、中央区八重洲2-8-7)が選任された。
負債総額は11億6751万円(2022年12月期決算時点)。
東京大学航空宇宙専攻の学生らによって創業。ドローン技術の開発から、ホバーバイクなどのエアーモビリティー分野に領域を広げ、同分野のスタートアップとして高い知名度を有し、将来的なIPOを目指していた。近年は世界初とされる空飛ぶバイク「実用型ホバーバイク(XTURISMO Limited Edition)」を開発し、2022年12月に第一号機を納品していた。
一方で、開発費用が重くのしかかり、2020年12月期は13億6595万円の赤字を計上。さらに、2021年12月期は16億3192万円、2022年12月期は19億4382万円と赤字額は年々拡大していた。この間、コロナ関連融資など金融機関からの資金調達やベンチャーキャピタル、ファンドなどからの増資で凌いでいた。2023年2月には当社の株主である米国企業の株式上場を通じた資金調達も目指したが、計画通りの調達ができなかったことで資金繰りが一段と悪化。取引先への支払遅延が発生するなどして信用が低下していた。
こうしたなか、同年7月18日には代表取締役が退任し、その他取締役2名も解任されたほか、8月以降は従業員の大半が退職。実質的な事業停止状態に陥り、動向が注目されていたところ、今回の措置となった。
※(株)A.L.I.Technologies(TSR企業コード:022350926、法人番号:9010001178677、港区芝公園3-1-8、設立2016(平成28)年9月)