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堀正工業(株)

堀正工業の入居ビル(TSR撮影)

堀正工業の入居ビル(TSR撮影)

 堀正工業(株)(品川区)は再度の資金ショートを起こし6月23日、行き詰まりを表面化した。なお、6月5日までに債務整理を大野了一弁護士(虎ノ門南法律事務所、港区虎ノ門1-15-12)に一任している。
 負債総額は約350億円。

 1933(昭和8)年創業の老舗ベアリング専門商社。大手ベアリングメーカーNTN(株)(大阪市西区)の代理店として同社製品を中心に取り扱い、国内メーカーなどに営業基盤を築いていた。都内の製品センターや関西、相模原、北関東に営業所を構えるほか、中国や香港に現地法人を開設するなど意欲的に事業拡大を進め、2012年9月期に約48億円だった売上高は2021年9月期には売上高63億1100万円を計上。またこの間、利益面でも毎期3億円前後を計上し、好調な業績を公表していた。2022年9月期もコロナ禍の影響も少なく、売上高は過去最高を更新する68億600万円に達し、原価高騰分には価格転嫁を通じて対応したとされ、利益も約4億7700万円を計上していた。
 ところが、2023年4月以降、借入金の金額や相手先などをめぐって決算を大幅に粉飾していたことが発覚。金融機関毎に異なる複数の決算書の存在などが明らかになったことで、信用が一気に低下した。数行取引のはずが、実際は約50行から約325億円の融資を得ていた可能性が高まり、6月に入って各取引金融機関が当社に対して状況説明を求めるなどしていた。

※堀正工業(株)(TSR企業コード:291038832、法人番号:9010401027715、品川区西五反田1-23-9、登記上:港区西新橋1-10-7、設立1948(昭和23)年9月、資本金2000万円)
※NTN(株)(TSR企業コード:570384370、法人番号:3120001048981、大阪市西区、東証プライム)

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