• TSR速報

(株)ダイヤモンド・ビッグ社

「地球の歩き方」(TSR撮影)

「地球の歩き方」(TSR撮影)

~ 「地球の歩き方」は別会社で出版を継続 ~

 (株)ダイヤモンド・ビッグ社(東京都渋谷区)は5月19日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。
 負債総額は10億4977万円(2022年3月期決算べース)だが、今後変動する可能性がある。

 (株)ダイヤモンド社(同所)から一部事業の分割を受けて設立。当初は就職情報誌の出版を手掛けていたが、その後、旅行関連の書籍・雑誌が主体となり、バックパッカー向けの渡航ガイド誌の作成を開始。旅行関連の色彩を強くし、海外旅行ガイドブックとして知名度の高い「地球の歩き方」シリーズの編集および出版業務を中心に展開し、ピーク時の1996年9月期には売上高約128億円をあげていた。
 しかし、以降は紙媒体の需要低迷や出版市況の低迷が進むなかで売上減少が続いていたうえ、新型コロナウイルスの世界的流行により海外旅行関連の事業環境が大きく変動した。
 こうしたなか2021年1月、「地球の歩き方」シリーズの編集および出版業務を(株)学研ホールディングス(東京都品川区)傘下のグループ会社に事業譲渡した。その後、当社は業務見直しを進めたが、2021年3月期(決算期変更)には14億379万円の赤字を計上し、債務超過に転落。2023年3月31日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
 なお、「地球の歩き方」シリーズの出版は学研グループの(株)地球の歩き方(東京都品川区)が承継し、継続している。

※(株)ダイヤモンド・ビッグ社(TSR企業コード:290886830、法人番号:2010401037613、渋谷区神宮前6-12-17、設立1969(昭和44)年9月22日、資本金1億円)
※(株)ダイヤモンド社(TSR企業コード:291077820、法人番号:2011001032632、同所)
※(株)学研ホールディングス(TSR企業コード:290031427、法人番号:7010701021114、品川区)
※(株)地球の歩き方(TSR企業コード:137528914、法人番号:9010701040178、品川区)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【TSRの眼】「トランプ関税」の影響を読む ~ 必要な支援と対応策 ~

4月2日、トランプ米国大統領は貿易赤字が大きい国・地域を対象にした「相互関税」を打ち出し、9日に発動した。だが、翌10日には一部について、90日間の一時停止を表明。先行きが読めない状況が続いている。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業の賃上げ率「6%以上」は9.1% 2025年度の「賃上げ」 は企業の85%が予定

2025年度に賃上げを予定する企業は85.2%だった。東京商工リサーチが「賃上げ」に関する企業アンケート調査を開始した2016年度以降の最高を更新する見込みだ。全体で「5%以上」の賃上げを見込む企業は36.4%、中小企業で「6%以上」の賃上げを見込む企業は9.1%にとどまることがわかった。

3

  • TSRデータインサイト

ホテル業界 インバウンド需要と旅行客で絶好調 稼働率が高水準、客室単価は過去最高が続出

コロナ明けのインバウンド急回復と旅行需要の高まりで、ホテル需要が高水準を持続している。ホテル運営の上場13社(15ブランド)の2024年10-12月期の客室単価と稼働率は、インバウンド需要の高い都心や地方都市を中心に、前年同期を上回った。

4

  • TSRデータインサイト

2024年度の「後継者難」倒産 過去2番目の454件 代表者の健康リスクが鮮明、消滅型倒産が96.6%に 

2024年度の後継者不在が一因の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は、過去2番目の454件(前年度比0.8%減)と高止まりした。

5

  • TSRデータインサイト

2025年「ゾンビ企業って言うな!」 ~ 調達金利の上昇は致命的、企業支援の「真の受益者」の見極めを ~

ゾンビ企業は「倒産村」のホットイシューです、現状と今後をどうみていますか。 先月、事業再生や倒産を手掛ける弁護士、会計士、コンサルタントが集まる勉強会でこんな質問を受けた。

TOPへ