• TSR速報

(株)ONEPIECEほか1社

フォン・ジャパンの入居ビル(TSR撮影)

フォン・ジャパンの入居ビル(TSR撮影)

コロナ禍での需要増を見越した大量の仕入が裏目に

 (株)ONEPIECE(豊島区)と関連のフォン・ジャパン(株)(豊島区)は4月28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受け5月8日、民事再生開始決定を受けた。
 申請代理人は小山航弁護士(スプリング法律事務所、新宿区左門町3-1)。監督委員には萱場健一郎弁護士(萱場健一郎法律事務所、千代田区霞が関1-4-2)が選任された。
 負債総額はONEPIECEが債権者26名に対して約35億円、フォン・ジャパンが債権者22名に対して約17億8000万円で、2社合計約52億8000万円。

 ONEPIECEはモバイルWi-Fi端末のレンタルを中心に、コールセンターへの人材派遣などを手掛け、2020年7月期には売上高29億5152万円をあげていた。
 また、「新型コロナウイルス」感染拡大以降は在宅勤務者向けの需要増をにらみ、2021年1月の2回目の緊急事態宣言の発令後に在庫を大幅に増やした。しかし、想定通りに需要が伸びず、在庫負担が嵩み、資金繰りが悪化。資金調達も限界に達し、今回の措置となった。

 フォン・ジャパンは、ONEPIECEから消費者向けモバイルWi-Fiレンタル事業を移管され、一体となって事業を展開していたが、ONEPIECEに連鎖した。

 なお、関係者によると、スポンサー候補との間で支援に関する基本合意契約を締結している。

※(株)ONEPIECE(TSR企業コード:294752536、法人番号:2013301032519、豊島区池袋3-34-7、設立2012(平成24)年8月、資本金900万円)
※フォン・ジャパン(株)(TSR企業コード:296838454、法人番号:4010401074729、豊島区南池袋1-21-5、設立2006(平成18)年8月、資本金4000万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

私立大学の経営、売上トップは(学)順天堂 赤字企業率5割に迫る、損益は地域格差が鮮明に

私立大学を経営する全国の543法人のうち、約半数の253法人が2024年決算で赤字だった。赤字企業率は46.5%にのぼり、前期(40.8%)から5.7ポイント上昇し、5割に迫った。

2

  • TSRデータインサイト

企業倒産、破産の割合が9割超で過去最大 ~ 背景に「手形減少」と「準則型私的整理」 ~

企業倒産のうち、破産の構成比が90.3%に達し、過去最大を記録した。民事再生法はわずか2.2%にとどまる。破産は、売上不振や財務内容が悪化し、再建が見通せない企業が選択する。なぜ今、破産の構成比が高まっているのか――。

3

  • TSRデータインサイト

2025年上半期 20床以上の病院倒産が急増 「病院・クリニック」倒産21件、5年連続で前年同期を上回る

病床20床以上の病院の経営が厳しさを増している。2025年上半期(1-6月)の病院・クリニックの倒産は21件(前年同期比16.6%増)だった。上半期では、コロナ禍の2020年を底に、2021年から5年連続で前年同期を上回り、1989年以降で最多の2009年同期の26件に次ぐ、2番目となった。

4

  • TSRデータインサイト

リフォーム・塗装工事の倒産が急増 ~ 点検商法などのトラブル多発 ~

リフォーム・塗装工事の倒産が急増している。2025年上半期(1-6月)の倒産は119件に達し、過去20年で最多だったリーマン・ショック後の2009年同期の111件を上回った。

5

  • TSRデータインサイト

ホテル業界 止まらない客室単価の値上げ インバウンド需要で高稼働・高単価が続く

インバウンド(訪日旅行客)需要に支えられ、ホテル業界は好調が続いている。ホテル運営の上場13社(15ブランド)の2025年3月期の客室単価は、インバウンド需要の高い都心や地方都市を中心に前年同期を上回り、稼働率も前年同期並で高水準を維持している。

TOPへ