全国企業倒産状況

2026年1月の全国企業倒産887件

1月の全国倒産 1月では13年ぶりの高水準、「物価高」倒産が1.2倍増


 2026年1月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)は、件数が887件(前年同月比5.5%増)、負債総額は1,198億1,500万円(同1.3%減)だった。
 件数は、2カ月連続で前年同月を上回った。1月としてはコロナ禍の2022年を底にして、4年連続で前年を上回り、2013年(934件)以来の高水準となった。
 負債総額は、2年連続で1,000億円台に乗せたが、1月としては3年ぶりに前年を下回った。1月の最大の倒産はジュピターコーヒー(株)(東京・民事再生法)の負債59億300万円で、負債100億円以上は2025年11月以来、2カ月ぶりに発生がなかった。負債1億円未満が689件と全体の77.6%を占めたが、同5億円以上10億円未満が31件(前年同月8件)と増加し、中堅規模での倒産が目立った。
 
 衆議院選挙の後、総合経済対策の執行が本格的に動き出すが、中小企業向けは省力化、大規模成長投資、新事業進出などが中心になっている。小・零細企業や、金利上昇の局面での過剰債務の解消、業績回復が遅れた企業に対し、実効性の高い支援も待たれる。
 物価高、人手不足への抜本的な対応策が取れない中小・零細企業は多いだけに、資金需要が高まる年度末を迎え、息切れ企業が押し上げる形で企業倒産は緩やかな増勢が見込まれる。



企業倒産月次推移

・「人手不足」関連倒産:36件(前年同月38件)で8カ月ぶりに減少。人件費高騰が19件(同6件)で3.1倍に急増。従業員退職11件(同12件)、求人難6件(同20件)は減少した
・「物価高」倒産:76件(前年同月61件)で、2カ月連続で前年同月を上回った
・「ゼロゼロ融資」利用後の倒産:28件(同35件)で、2カ月ぶりに前年同月を下回った
・形態別件数:破産が821件で、構成比は92.5%。3カ月ぶりに90%台
・都道府県別件数:前年同月を上回ったのが22府県、減少20都県、同数5道県
・負債額別件数:負債1億円未満の構成比77.6%、100億円以上が2カ月ぶりに発生せず
・業種別件数:飲食料品製造業、織物・衣服・身の回り品小売業などが増加
・従業員数別件数:従業員10人未満の構成比は90.5%、3カ月ぶりに90%台
・中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)の構成比:11カ月連続で100.0%

◇倒産データ分析:https://www.tsr-net.co.jp/news/data_analysis/index.html


産業別 倒産動向 10産業のうち、5産業で前年同月を上回る

 2026年1月の産業別件数は、10産業のうち、5産業で前年同月を上回った。
 最多はサービス業他の300件(前年同月比7.5%増)で、2カ月連続で前年同月を上回った。月次倒産に占める構成比は33.8%(前年同月33.2%)。
 また、小売業111件(前年同月比23.3%増)が、8カ月連続で増加した。物価高が続くなかで値上げは消費動向に影響を及ぼしかねず、価格転嫁の難しさを示している。
 農・林・漁・鉱業18件(同80.0%増)と卸売業98件(同4.2%増)が2カ月連続、運輸業50件(同56.2%増)が3カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
 一方、不動産業27件(同12.9%減)が2カ月連続、建設業161件(同5.2%減)と製造業95件(同5.0%減)が2カ月ぶり、情報通信業26件(同21.2%減)が3カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。
 金融・保険業は前年同月と同件数の1件だった。


2026年1月 産業別倒産状況

主要産業倒産件数推移

主なサービス業他 倒産状況

主なサービス業他 倒産月次推移

地区別 倒産動向 9地区のうち、6地区で前年同月を上回る

 2026年1月の地区別件数は、9地区のうち、6地区で前年同月を上回った。
 九州69件(前年同月比2.9%増)が7カ月連続、中部129件(同29.0%増)と中国50件(同66.6%増)が2カ月連続、近畿254件(同13.3%増)が3カ月ぶり、北陸24件(同50.0%増)と四国20件(同17.6%増)が4カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
 一方、関東284件(同7.4%減)が2カ月ぶり、東北40件(同35.4%減)が3カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。
 北海道は前年同月と同件数の17件だった。

2026年1月 都道府県別倒産


※地区の範囲は以下に定義している。
東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
四国(香川、徳島、愛媛、高知)
九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]
1.ジュピターコーヒー(株)/東京都/コーヒー豆販売ほか/59億300万円/民事再生法
2.ソヤノウッドパワー(株)/長野県/バイオマス発電事業/57億9,900万円/特別清算
3.プリオホールディングス(株)/群馬県/持株会社/41億円/破産
4.(株)狩野組/東京都/水道工事ほか/36億円/破産
5.(株)Evolving G/東京都/テーマパーク運営ほか/32億6,800万円/特別清算

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

大手ホテル好調 客室単価と稼働率が同時上昇 客室単価はコロナ禍の2倍超、稼働率は83.3%

インバウンド需要と国内旅行の復活で、大手ホテルの客室単価と稼働率が、コロナ禍以降で最高を更新した。 ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年度の客室単価は、1万7,818円(前年度比8.6%増)で前年度より1,424円上昇した。稼働率は83.3%(前年度82.3%)で、高水準を維持した。

3

  • TSRデータインサイト

経営責任を取る事業再生、ジュピターコーヒーは黒字化へ ~ ネクスト・キャピタル・パートナーズ 単独インタビュー ~

2025年度の企業倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、2年続けて1万件を超えた。 こうしたなか、20年を超すファンド運営で事業再生を数多く手掛けてきたのがネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)だ。浅野晃司・取締役執行役員に特色や取り組みを聞いた。

4

  • TSRデータインサイト

企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ