全国企業倒産状況
2011年(平成23年)11月度 全国企業倒産状況
| 倒産件数 | 1,095件 |
|---|---|
| 負債総額 | 1,876億7,500万円 |
| 前月比(件数) | 12.1%(前月 976件) |
| 前月比(負債) | 20.3%(前月 1,558億8,300万円) |
| 前年同月比(件数) | 3.2%(前年同月 1,061件) |
| 前年同月比(負債) | -31.4%(前年同月 2,738億3,000万円) |
(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)
倒産件数が前年同月比3.2%増の1,095件 4カ月ぶりに前年同月を上回る
2011(平成23)年11月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,095件、負債総額が1,876億7,500万円となった。
倒産件数は、前年同月比3.2%増で、今年7月以来4カ月ぶりに前年同月を上回った。中小企業金融円滑化法や景気対応緊急保証、セーフティネット貸付のほか、「東日本大震災復興緊急保証」などの政府の資金繰り支援策の下支え効果が続いているなか、今後の推移が注目される。
これに対し負債総額は、同31.4%減少し、11月としては1989年(813億1,400万円)以来、22年ぶりに2,000億円を下回った。これは負債10億円以上の大型倒産が同48.2%減の30件(前年同月58件)と、6月(28件)に次いで10月と並び今年2番目に少なかったことによる。

産業別
産業別倒産件数 10産業のうち7産業で前年同月を上回る
増加率は、金融・保険業50.0%増(4→6件)、運輸業17.3%増(23→27件)、不動産業17.2%増(29→34件)、サービス業他14.5%増(240→275件)、小売業13.2%増(121→137件)、情報通信業4.3%増(46→48件)、建設業1.8%増(275→280件)の順。建設業と不動産業が4カ月ぶりに前年同月を上回り、サービス業他と情報通信業が今年最多となった。
これに対し減少は、農・林・漁・鉱業25.0%減(4→3件)、卸売業18.4%減(168→137件)、製造業1.9%減(151→148件)の3産業だった。製造業が10カ月連続で前年同月を下回り、運輸業は今年最も少ない件数だった。
産業別構成比では、建設業25.5%、サービス業他25.1%、製造業13.5%、卸売業12.5%、小売業12.5%、情報通信業4.3%と続く。
| 産業別分類 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 農・林・漁・鉱業 | 3 | 242 |
| 建設業 | 280 | 28,065 |
| 製造業 | 148 | 28,636 |
| 卸売業 | 137 | 30,742 |
| 小売業 | 137 | 17,962 |
| 金融・保険業 | 6 | 421 |
| 不動産業 | 34 | 8,076 |
| 運輸業 | 27 | 4,300 |
| 情報通信業 | 48 | 4,239 |
| サービス業他 | 275 | 64,992 |
| 合計 | 1,095 | 187,675 |
※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

地区別
地区別倒産件数 9地区のうち5地区で前年同月を上回る
増加率は、中国92.3%増(26→50件)、中部32.7%増(107→142件)、九州28.5%増(63→81件)、四国22.2%増(18→22件)、北海道2.7%増(37→38件)の順。これに対し減少は、東北54.7%減(53→24件)、近畿2.6%減(302→294件)、関東2.5%減(431→420件)の3地区となった。このほか北陸が前年同月同数の24件だった。震災の直接被災地である東北は11カ月連続で減少した。
・北海道:件数が2カ月連続で前年同月を上回った。
・東北:全体の件数が、11カ月連続で前年同月を下回る。県別件数でも、全県で前年同月比減少。
・関東:全体の件数が、4カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、千葉、東京、新潟、山梨で前年同月比増加。
・中部北陸:全体の件数が、中部は2カ月ぶりに前年同月比増加、北陸は前年同月と同数。県別件数では、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、石川で前年同月比増加。
・近畿:全体の件数が、5カ月連続で300件を下回る。県別件数では、京都、大阪、奈良で前年同月比増加。
・中国:全体の件数が、7カ月連続で前年同月を上回る。県別件数では、全県で前年同月比増加。
・四国:全体の件数が、3カ月ぶりに前年同月を上回る。県別件数では、香川、愛媛、高知で前年同月比増加。
・九州:全体の件数が、2カ月連続で前年同月を上回る。県別件数では、福岡、長崎、熊本、大分、鹿児島で前年同月比増加。
| 都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 北海道 | 38 | 7,781 |
| 東北 | 24 | 4,364 |
| 青森 | 4 | 393 |
| 岩手 | 3 | 725 |
| 宮城 | 4 | 244 |
| 秋田 | 2 | 30 |
| 山形 | 7 | 2,805 |
| 福島 | 4 | 167 |
| 関東 | 420 | 82,559 |
| 茨城 | 13 | 1,346 |
| 栃木 | 9 | 1,205 |
| 群馬 | 10 | 869 |
| 埼玉 | 46 | 3,808 |
| 千葉 | 35 | 5,571 |
| 東京 | 229 | 46,280 |
| 神奈川 | 60 | 13,401 |
| 新潟 | 11 | 9,264 |
| 山梨 | 7 | 815 |
| 中部 | 142 | 31,269 |
| 長野 | 16 | 3,708 |
| 岐阜 | 15 | 1,883 |
| 静岡 | 19 | 3,164 |
| 愛知 | 77 | 9,700 |
| 三重 | 15 | 12,814 |
| 北陸 | 24 | 1,802 |
| 富山 | 5 | 219 |
| 石川 | 14 | 1,259 |
| 福井 | 5 | 324 |
| 都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 近畿 | 294 | 40,145 |
| 滋賀 | 10 | 683 |
| 京都 | 38 | 2,712 |
| 大阪 | 167 | 31,464 |
| 兵庫 | 53 | 4,009 |
| 奈良 | 13 | 542 |
| 和歌山 | 13 | 735 |
| 中国 | 50 | 5,776 |
| 鳥取 | 6 | 402 |
| 島根 | 4 | 690 |
| 岡山 | 9 | 1,369 |
| 広島 | 24 | 2,625 |
| 山口 | 7 | 690 |
| 四国 | 22 | 4,934 |
| 徳島 | 6 | 467 |
| 香川 | 7 | 1,929 |
| 愛媛 | 5 | 2,190 |
| 高知 | 4 | 348 |
| 九州 | 81 | 9,045 |
| 福岡 | 37 | 5,025 |
| 佐賀 | 2 | 500 |
| 長崎 | 11 | 591 |
| 熊本 | 11 | 814 |
| 大分 | 6 | 503 |
| 宮崎 | 2 | 99 |
| 鹿児島 | 7 | 1,090 |
| 沖縄 | 5 | 423 |
| 合計 | 1,095 | 187,675 |
※地区の範囲は以下に定義している。
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
◎法的倒産件数の構成比が過去最高の83.2%
◎従業員数別:5人未満の構成比が過去20年間で最高の71.6%
◎「円高」関連倒産が今年最多の10件発生
◎「中小企業金融円滑化法」に基づく返済猶予利用後の倒産が14件発生
◎「東日本大震災」が影響した「震災関連」倒産が48件(11月集計時点累計475件)、2カ月連続で50件を下回る
◎従業員被害者数が4,884人、20年10カ月ぶりに5,000人を下回る
◎主な業種別倒産:飲食業(71→86件)、広告関連業(15→22件)、旅行業(7→10件)などで増加した
◎中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が前年同月比2.9%増の1,088件
当月の主な倒産
名阪開発(株)/三重/ゴルフ場経営/負債100億円/民事再生法
(株)人間と産業開発研究所/大阪/経営コンサルタント、有価証券の保有・運用/負債100億円/破産
東金属(株)/東京/産業廃棄物収集・運搬・処理/負債87億3,100万円/民事再生法
米山紙商事(株)/東京/洋紙卸/負債70億9,600万円/破産
協栄観光(株)/新潟/ホテル、温泉浴場経営ほか/負債56億1,700万円/破産
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