全国企業倒産状況

2009年(平成21年)5月度 全国企業倒産状況

倒産件数 1,203件
負債総額 539,884百万円
前月比(件数) -9.4%(前月 1,329件)
前月比(負債) +3.4%(前月 521,949百万円)
前年同月比(件数) -6.7%(前年同月 1,290件)
前年同月比(負債) -1.8%(前年同月 549,793百万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

倒産件数は前年同月比6.7%減の1,203件、1年ぶりに前年同月を下回る

  2009(平成21)年5月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,203件、負債総額が5,398億8,400万円となった。

 

 倒産件数は、最近1年間において最少件数で、前年同月比87件減(6.7%減)となり2008年5月以来1年ぶりに前年同月を下回った

 都道府県別では、前年同月比減少が25都道県、増加が15府県となり、2カ月連続で「減少」が「増加」を上回るなど全国的に企業倒産の減少傾向が広がった。これらは「緊急保証制度」などの金融支援が効果を発揮したためとみられる

 ただし産業別では、建設業倒産が前年同月比2ケタ減(21.3%減)となり3カ月連続前年同月を下回ったのに対して、製造業倒産は同13.4%増と依然増加を続けている。

 

 負債総額は、前年同月比99億900万円減(1.8%減)で、2カ月連続前年同月を下回った

産業別

倒産件数は10産業のうち7産業で前年同月比減少

 

 減少率は、農・林・漁・鉱業84.6%減(13→2件)、建設業21.3%減(407→320件)、小売業19.4%減(149→120件)、情報通信業18.3%減(49→40件)、卸売業13.6%減(169→146件)、金融・保険業12.5%減(8→7件)、運輸業3.9%減(51→49件)の順。

 

 これに対して増加は、サービス業他22.0%増(209→255件)、製造業13.4%増(193→219件)、不動産業7.1%増(42→45件)の3産業だった。 。

産業別分類 件数(件) 負債額(百万円)
農・林・漁・鉱業 2 1,500
建設業 320 58,408
製造業 219 102,563
卸売業 146 41,629
小売業 120 17,845
金融・保険業 7 2,980
不動産業 45 224,907
運輸業 49 16,126
情報通信業 40 5,136
サービス業他 255 68,790
合計 1,203 539,884

※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

地区別

 倒産件数9地区のうち7地区で前年同月比減少

 

 減少率は、中国43.0%減 (72→41件)、九州26.4%減(140→103件)、北海道25.0%減(60→45件)、東北24.3%減(82→62件)、北陸20.5%減(34→27件)、中部6.3%減(126→118件)、関東5.8%減(458→431件)の順。

 これに対して増加は、四国20.6%増(29→35件)と近畿17.9%増(289→341件)の2地区だった。

 

 また都道府県別倒産件数では、前年同月を上回ったのが15府県、減少が25都道県、同数が7県となった。この結果、前年同月比で2カ月連続して減少が増加を上回った

 

北海道:件数が今年最少で、5月として3年ぶりに50件を下回る。

 

東北:全体の件数が今年最少で4カ月連続前年同月比減少。県別件数では、岩手を除いて前年同月比減少。

 

関東:全体の件数が最近1年間で最少。県別件数では、茨城、群馬、埼玉、千葉、神奈川で前年同月比増加。これに対して東京は9カ月ぶりに前年同月比減少

 

中部北陸:中部は件数・負債総額ともに今年最少。北陸は5月としては4年ぶりに20件台に低下。県別件数では、長野のみ前年同月比増加。

 

近畿:全体の件数が11カ月連続前年同月比増加。県別件数では、京都、大阪、兵庫、奈良で前年同月比増加。

 

中国:全体の件数が14カ月ぶりの前年同月比減少。県別件数では、全県で前年同月比減少。

 

四国:全体の件数は2カ月ぶりに前年同月比増加。県別件数では、香川と愛媛で前年同月比増加。

 

九州:全体の件数が4カ月連続前年同月比減少、県別件数では、長崎と沖縄で前年同月比増加。

都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
北海道 45 23,258
東北 62 28,027
青森 9 2,450
岩手 16 14,479
宮城 12 4,303
秋田 8 1,422
山形 3 340
福島 14 5,033
関東 431 346,542
茨城 13 5,568
栃木 8 11,713
群馬 21 6,404
埼玉 46 16,150
千葉 31 7,250
東京 221 284,809
神奈川 69 10,366
新潟 14 3,185
山梨 8 1,097
中部 118 23,745
長野 16 4,368
岐阜 12 1,237
静岡 23 4,750
愛知 60 12,543
三重 7 847
北陸 27 8,839
富山 4 2,882
石川 12 3,563
福井 11 2,394
都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
近畿 341 64,109
滋賀 11 988
京都 45 6,591
大阪 193 39,637
兵庫 67 13,223
奈良 17 2,910
和歌山 8 760
中国 41 8,946
鳥取 3 550
島根 3 570
岡山 9 1,396
広島 18 5,910
山口 8 520
四国 35 6,215
徳島 5 1,017
香川 15 3,784
愛媛 12 1,195
高知 3 219
九州 103 30,203
福岡 42 17,914
佐賀 5 895
長崎 12 2,965
熊本 8 2,169
大分 10 1,071
宮崎 10 2,459
鹿児島 9 735
沖縄 7 1,995
合計 1,203 539,884

※地区の範囲は以下に定義している。

関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)

中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)

北陸(富山、石川、福井)

近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)

 

◎形態別:法的倒産の構成比が過去最高の70.8%

 

◎上場企業倒産が1件発生、今年は5月末時点で累計17件

 

◎従業員被害状況:従業員被害者数は1万933人、16カ月連続の1万人超え

 

◎原因別:運転資金の欠乏が67件、1年3カ月ぶりに60件台に低下

 

◎メーカー減産が影響した倒産が37件発生

 

◎中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年同月比6.4%減の1,198件

当月の主な倒産

(株)ジョイント・コーポレーション/東京都/不動産分譲、流動化事業/147,600百万円/会社更生法

(株)ジョイント・レジデンシャル不動産/東京都/不動産分譲/20,400百万円/会社更生法

(株)研精舎/東京都/機構部品、自動車関連部品製造/18,526百万円/民事再生法

日本総合企画(株)/東京都/商業ビル賃貸管理/15,044百万円/民事再生法

(株)日本霧降カントリークラブ/栃木県/ゴルフ場経営/11,000百万円/民事再生法

 

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